【SVリーグ 男子開幕まであと4日！】サムエルボ新監督を迎え頂点を目指す大阪ブルテオン、開幕戦でサントリーサンバーズ大阪と対戦

開幕カードは大阪ブルテオンvs.サントリーサンバーズ大阪

2年目の「大同生命SV.LEAGUE（SVリーグ）」、男子の開幕戦は大阪ブルテオンのホームゲームから始まる。対するは、サントリーサンバーズ大阪。“大阪対決”であるとともに、昨季のレギュラーラウンドでは最終節まで1位、2位を争った両チームの対戦だ。

結果は大阪ブルテオンが1位の座をつかみ取ったが、直後のチャンピオンシップではセミファイナルでジェイテクトSTINGSに敗れ、初代王者の座には届かず、その称号を手にしたのはサントリーだった。

ブルテオンは西田有志、サントリーは高橋藍（高ははしご高）に代表されるように、両チームには日本代表に選出されている選手も多く、加えて、フランス、キューバなど各国代表選手も揃う。

実に豪華な対戦カードであり、開幕戦から注目度は高まるばかりだが、もう1つ、ブルテオンの注目ポイントがある。新監督のトーマス・サムエルボ監督だ。

現役時代はフィンランド代表で長年プレーし、主将も務めた。クラブに目を向けても、フランス、イタリアといった欧州トップリーグのクラブに加え、2005-06シーズンには、ウルフドッグス名古屋の前身である、豊田合成トレフェルサでもプレーした。

現役引退後は指導者として、欧州のクラブチームだけでなく母国のフィンランド、ロシア、カナダの代表チームを率いて日本代表との対戦経験も何度も持つ。いわば“日本通”といっても過言ではない指揮官が、王座奪還を狙う大阪Ｂの監督として日本に20年ぶりの凱旋だ。

かつて、日本が企業チーム母体の企業スポーツだった頃から現状へと至る変遷も理解していて、「この20年間で日本バレーは大きく変化している」と話す。

運営面だけでなく、世界の強豪と肩を並べるまで進化を遂げた日本代表や、SVリーグが持つ可能性、さまざまな視野を持つ知将だが、バレーボールにおいては「世界も、日本も場所が変わってもやることは同じ」と明言するように、選手にはすべて平等に接し、それぞれのレベルアップ、スキルアップを求める。

日々の練習でも妥協を許さず質を求めるのは当たり前で、選手にはハードワークが求められる。

前述の通り、代表選手も多く在籍しているクラブであるだけに、全選手が合流してから、SVリーグの開幕までは日が限られているが、それでもサムエルボ監督が求めることはチームに共通意識として根付いている。新主将の西田が断言する。

「いきなりハイレベルなことを言うのではなく、普段の練習では本当に基本的なこと、選手の中には『それぐらい言われなくてもわかっている』というレベルの指摘を受けることもあります。

でも僕にとっては、そういう当たり前のこともとても大切なことばかりだと思うし、サムさんが言っている、求めていることの意味もわかる。実際にリーグが始まれば、もっといい意味で浸透して、チームとしてまとまってくると思うし、そこで引き上げるのが（キャプテンの）僕の仕事でもあると思っています」

日本代表監督に就任したロラン・ティリ前監督が率いた5年を経て、新たなフェーズへ突入する大阪Ｂ。

新主将の西田やリベロの山本智大、ミドルブロッカーの山内晶大、エバデダン・ラリー、アウトサイドヒッターの富田将馬やオポジットの西山大翔など国際経験を持つ選手に加え、今季は甲斐優斗も加わり、トスを上げるのはフランス代表のセッター、アントワーヌ・ブリザール。

さらにミドルブロッカーの西川馨太郎や、アウトサイドヒッターの仲本賢優、セッターの中村駿介、サムエルボ監督が「非常に成長している」と期待を寄せる選手たちもズラリと揃う。

リーグ随一の選手層の厚さを武器に、五輪を制した司令塔がどんなゲームメイクを見せるのか。スケールの大きなバレーボールになることは必至で、開幕戦の1点目をどんなふうに獲るのかを想像するだけでも期待は高まるばかりだ。

文：田中夕子／写真：J SPORTS 編集部