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アントワーヌ・ブリザール(大阪ブルテオン)
「世界最高峰のバレーボールリーグ」を目指して、2024年から装い新たにスタートした「大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)」。
初年度となる2024-25シーズンは、高橋藍(高ははしご高)や宮浦健人といった日本代表の面々が参戦したほか、結果的にシーズン個人6冠と他を圧倒したニミル・アブデルアジス(オランダ)や、中南米が誇る“鳥人”アタッカーのミゲル・ロペス(キューバ)らが来日し、リーグを彩った。
そして、いよいよ10月24日から開幕する、2025-26シーズンも錚々たる外国籍選手が顔を並べる。
大同生命SVリーグ 2025-26 男子
今季最も注目を浴びるといって過言ではないのが、大阪ブルテオンに加入したアントワーヌ・ブリザール。フランス代表のセッターとして、オリンピックでは目下2大会連続で金メダルを獲得し、昨夏のパリ大会ではベストセッターにも輝いている。
男子フランス代表の変幻自在なバレーボールを操る司令塔であると同時に、五輪の決勝においては東京2020大会ではサーブ、パリ大会ではブロック、と自らも得点を奪うことで栄光を手繰り寄せた。
東京2020五輪の決勝を争った、当時はROC(ロシアオリピック委員会)を率いたトーマス・サムエルボ監督が、今季から大阪Bを指揮するとあって、世界最高峰の舞台を知るものどうしが、大阪Bに新しい風を吹かせる。
マシュー・アンダーソン(日本製鉄堺ブレイザーズ)
そのブリザールと、注目度という点で双極を成すのが、日本製鉄堺ブレイザーズに今季から加わったマシュー・アンダーソンだ。2008年にアメリカ代表入りを果たすと、以降は大エースとして長らく君臨。
五輪ではリオデジャネイロ大会と、パリ大会でともに銅メダルをもたらした。現在38歳(開幕時点)とバレーボール選手として、キャリア晩年に差し掛かっているとはいえ、そのパフォーマンスは衰えを知らない。
代表では2013年から主にオポジットとしてプレーしてきたが、クラブでは時にアウトサイドヒッターとしてコートに立つシーズンも。SVリーグのレギュラーシーズン44試合という長丁場かつタフな戦いにおいては、そうしたプレーの幅がパフォーマンスの維持や、チームの戦術で大いに活かされるだろう。
大同生命SVリーグ 2025-26 男子
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第1節 VC長野トライデンツ vs. 日本製鉄堺ブレイザーズ
10月25日(土)午後1:55 J SPORTSオンデマンドで【限定】LIVE配信
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男子 第1節 VC長野トライデンツ vs. 日本製鉄堺ブレイザーズ
10月26日(日)午後0:55 J SPORTSオンデマンドで【限定】LIVE配信
アンダーソンのようないわゆる“点取り屋”のサイドアタッカーの招聘は、補強ポイントとして一番に挙がる部分。今シーズンもオポジットでいえば、東京グレートベアーズにはバルトシュ・クレク(ポーランド)、ジェイテクトSTINGS愛知にはステファン・ボワイエ(フランス)といった代表クラスの面々が加入した。
なお、クレクは2022-23シーズンにウルフドッグス名古屋をリーグ優勝に導いた実績を持ち、母国ポーランドリーグで昨季を過ごしたのち、2シーズンぶりに日本へ帰ってくる。その点でも東京GBとWD名古屋のカードは注目度が増しそうだ。
大同生命SVリーグ 2025-26 男子
また、アウトサイドヒッターでは、昨季リーグ準優勝の立役者となったSTINGS愛知のトリー・デファルコ(アメリカ)、リカルド・ルカレッリ(ブラジル)は今季も健在。
新加入選手としては、王者サントリーサンバーズ大阪にロシア代表エースのイゴール・クリュカが入団。
さらにイタリア・セリエAの名門『モデナ』でエースを務めたトンマーゾ・リナルディ(イタリア)が日鉄堺BZへ、ドイツの『ベルリン』在籍時に、元日本代表リベロの築城智(2024年に現役引退)と、チームメートだったティモシー・カール(フランス)がWD名古屋に加入している。
その一方で、SVリーグにおける外国籍選手のオン・ザ・コートルール拡充によってもたらされた変化が、来日する選手のポジションがサイドアタッカーだけでなくなったこと。その最たる例がセッターのブリザールであり、また、今シーズンはミドルブロッカーも名だたる面々がSVリーグを戦う。
東京GBに加入したヤン・コザメルニクは、イタリア・セリエAでも指折りのミドルブロッカーとして名を馳せ、母国スロベニア代表を世界上位へと押し上げた1人。また、WD名古屋に加わったノルベルト・フベルも強豪ポーランド代表の一員としてプレーし、代表でも馴染みある背番号「99」を新天地でも着けて活躍を誓う。
そして、東レアローズ静岡に入団したテイラー・エイブリルはアメリカ代表の主力を務め、パリ五輪では銅メダル獲得と同時に、自身は大会ベストミドルブロッカーに輝いた。彼らは決定力の高いアタックはもちろんのこと、その強固なブロックで外国籍アタッカーの攻撃をはね返すだろう。
世界トップレベルのパフォーマンスで、チームに勝機をぐっと引き寄せる、その姿を是非味わってもらいたい。
文:坂口功将/写真:J SPORTS編集部
坂口 功将
スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。
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