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バレーボール コラム 2025年7月19日

石倉沙姫、デンソーエアリービーズでのルーキーイヤーとユニバ日本代表を経て描く成長曲線

SVリーグコラム by 坂口 功将
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ユニバ日本代表の石倉沙姫(デンソーエアリービーズ)

バレーボール界は今、代表シーズン真っ只中。『FIVBネーションズリーグ』では、シニアの男女日本代表が日本開催の予選ラウンドでは大声援を受けながらプレーした。

そしてアンダーエイジカテゴリーの日本代表においても、下は中学生、上は社会人1・2年目の若手選手たちが、日の丸をつけて国際大会を戦っている。

そのうちの1つ、『FISUワールドユニバーシティゲームズ(2025/ライン・ルール)』がドイツにて、現地7月16日に開幕した。

この大会はいわゆる『大学生世代のオリンピック』。ただし、選手の出場資格が『現役大学生、または2000年1月1日以降生まれ』のため、大学卒業1年目ないし2年目も参加可能。つまり現在はSVリーグのチームに所属している選手の姿も、バレーボールの日本選手団のなかにはある。

2年前の前回大会で準優勝に輝いた女子ワールドユニバーシティゲームズ日本代表(以下、ユニバ代表)は、大会初戦でフランスを相手に、3-0(25-9,25-18,25-16)と圧倒して白星発進を飾った。

石倉沙姫はフランス戦でチーム最多タイの得点をマーク

その試合でチーム最多タイの10得点をあげたのが、デンソーエアリービーズのアウトサイドヒッター石倉沙姫。「これが初日とは思えないほど、日本のバレーができたと思います」と試合後には笑みを浮かべた。

石倉自身は日本体育大学時代に、前回大会へ参加していた。そのときは先発出場の機会も少なく、今回は「スタートで出させてもらって緊張もありました」。それ以上に、このユニバ代表での活動に際して抱いていた感情は、楽しみ、だった。

「初めてのヨーロッパということもあって。それに、前回の大会には参加していなかった海外のチームも今回はいます。私自身、SVリーグでは外国籍選手とマッチアップする機会もあって、そこでは自分に課題を感じていました。だからこそ、海外の選手と対戦することで自分の成長につながると思っていたので…。緊張よりも楽しみが勝っていました」

自身のルーキーイヤーとなった 『2024-25 大同生命SV.LEAGUE』。デンソーはアウトサイドヒッターに関して、試合状況や対戦相手に応じて巧みに選手起用を繰り出した。

石倉も即戦力として出場機会を与えられると、攻守で存在感を放った。けれども、「課題はまだまだあると感じました」と唇を噛む。とりわけ外国籍選手に対して、攻撃面で苦労したからだ。

そうして臨んだ今大会、初日のフランス戦では「うまくブロックを利用したり、苦しい場面では、リバウンドを取ることができました」と手応えを口にした。

もっとも、デンソーで過ごしたシーズンで得た学びも活かされた。チームメートの同じアウトサイドヒッターの中でも、特に刺激を受けたのは山下晴奈だという。

「自分と真逆のタイプで。私はどちらかといえばハードヒットするのですが、山下さんはティップなど強弱をつけてアタックを打つタイプなので。それを見ながら自分もトライしていました」

SVリーグでプレーの幅を広げた石倉沙姫

攻撃面に関して、プレーの幅を広げることができた。と同時に、デンソーでは自分のよさを発揮することを第一に考えていた。

アウトサイドヒッターとは、いわば攻守の要。石倉は「ディフェンスが好き」と言ってはばからず、サーブレシーブでもディグでも「自分の良さは絶対に出そう」と胸に留めて試合に臨んでいた。

それはこれからも変わりはなく、さらにユニバ代表の活動を通して得たこともプレーに昇華させていく。

石倉沙姫、ユニバ日本代表での経験を来季に活かす

「SVリーグでは外国籍選手を獲得するチームも増えてきたので。マッチアップしたときには弱気になることなく、堂々と勝負できるようになりたいです。ディフェンスが求められるかもしれないですが、オフェンスでもしっかりとチームに貢献できるように。このユニバ代表で得たものを全部出していけたらと思います」

『2025-26 大同生命SVリーグ』女子において、デンソーは10月11日にホームの『宝来屋 ボンズアリーナ』でシーズン開幕戦を迎える。そこにはきっとレベルアップした石倉の姿があるに違いない。乞うご期待を。

文/写真:坂口功将

坂口 功将

スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。

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