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バレーボール コラム 2025年4月11日

大阪ブルテオンの強化指定選手・甲斐優斗、初スタメンで披露した強みと右肩上がりの成長曲線

SVリーグコラム by 坂口 功将
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大阪ブルテオンの特別指定選手、甲斐優斗

「大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)」男子の大阪ブルテオンに特別指定選手として加入した、専修大学の甲斐優斗。昨年末の全日本バレーボール大学男子選手権大会でチームを優勝に導いてから、年が開けた1月下旬に大阪Bへ合流すると、2月からはチームに帯同してリーグ戦を戦っている。

甲斐といえば、男子日本代表にも名前を連ね、2022年に初登録されて以降は数々の国際舞台を経験。昨年夏には当時20歳のチーム最年少選手としてパリ五輪出場を果たした。これからの日本バレーボール界を担っていく存在の1人である。

大阪Bに入団後も非凡な才能を披露。リーグ戦も後半に差し掛かったタイミングとあって、主にはリリーフサーバーでの起用からスタートしたが、3月16日の日本製鉄堺ブレイザーズ戦では、2セットダウンの展開で第3セットは開始時からコートに。

途中出場ながら、終わってみれば12得点をマークし逆転勝利に貢献した。そして、3月30日のウルフドッグス名古屋戦では、アウトサイドヒッターとして初スタメンを飾っている。

その前日はフルセットにもつれるゲーム展開の中、富田将馬に替わり第4セット開始時からコートに立つもアタックでは3得点、試合を通して決定率は17.6%と苦しんだ印象が強かった。

そこから一転、この日は19のアタックポイントに加えて、決定率も65.5%と高い数字を記録。ミゲル・ロペスの20点を上回るチーム最多の21得点を挙げる活躍に、監督代行を務める伊藤健士コーチは、「WD名古屋の強烈なサーブを受けながら、難しい状況が多い中でも、60~70%の決定率でアタックを決め切る。これは彼のポテンシャルだと思いますし、素晴らしい働きでした」と手放しで称賛した。

度胸満点のサーブや、「高さでは誰にも劣っていない」と自負する高い打点からのアタックといった武器はもちろんだが、このWD名古屋との2連戦で光ったのは対応力だ。第2戦を終えての甲斐の言葉。

対応力を見せる甲斐優斗

「相手にアタックが拾われる展開は多かったですが、ブロックされること自体は昨日よりも減っていたと思います。というのも、昨日の試合で(WD名古屋の)ニミル・アブデルアジズ選手にブロックシャットされてから、『どれだけ相手のブロックが出てきているのか』を見るように心がけました」

「そこで打ちきれないボールはリバンドをとったり、フェイントやプッシュをまじえながら『どう崩すか』を考えながら、冷静にプレーできていたかなと。時にはアウトになったとしても、次のプレーからしっかりと修正できていたと思うので、その点もよかったです」

前日の反省を踏まえて翌日の試合へ。直前のミスを活かして次のプレーへ。自分のパフォーマンスを確かめ、修正を施しながら結果につなげる。それが甲斐に備わっている何よりの強みだろう。

もっとも、男子日本代表に選ばれたときから、当時のフィリップ・ブラン監督やコーチ陣は、甲斐のそうした一面を評価してきた。「彼は教えれば教えるほど吸収する」とは、代表活動中に聞かれた言葉だ。

その様子を男子日本代表でも見てきた伊藤コーチは、今回の特別指定選手として加わってからの甲斐の成長をこのように語る。

「特にサーブレシーブに関して、最初は『大丈夫かな?』と感じる部分もありましたが、最近では強いボールに対してもコントロールできるようになってきました」

「2mクラスの身長で、あれだけサーブレシーブができるという点では、間違いなくこれからの日本バレーボール界を背負っていく選手でしょう。まだまだ崩される場面はありますが、それを補うような攻撃力が備わっていますし、サーブレシーブに関しては日々進化が見られます」

専修大学に在学中の甲斐優斗

その言葉どおり、当の本人も成長を実感しながら、大阪Bで過ごす残りのシーズンへの意気込みをこう口にした。

「レシーブの部分に関して、少しは安定感が増してきていると思います。それにプラスして、攻撃の幅やアタックの打ち方など広く、吸収してシーズンを終えることができればいいなと」

戦いの中で成長する男、甲斐優斗。常に右肩上がりの成長曲線は、とどまることを知らない。

文:坂口功将/写真:(C)SV.LEAGUE

坂口 功将

スポーツライター。1988年生まれ、兵庫県西宮市育ち。
「月刊バレーボール」編集部(日本文化出版)で8年間勤めたのち、2023年末に独立。主にバレーボールを取材・執筆し、小学生から大学生、国内外のクラブリーグ、そしてナショナルチームと幅広いカテゴリーを扱う。雑誌、ウェブメディアへの寄稿のほか、バレーボール関連の配信番組への出演やイタリア・セリエAの解説も務める。

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