SVリーグ初代女王を目指すNECレッドロケッツ川崎と埼玉上尾メディックスが対戦

NECレッドロケッツ川崎vs.埼玉上尾メディックス

新たにスタートする「大同生命SV.LEAGUE（SVリーグ）」の女子開幕戦で、昨シーズンまでのVリーグで2連覇を達成しているNECレッドロケッツ川崎と、昨季Vリーグ3位の埼玉上尾メディックスが激突する。

NECレッドロケッツ川崎は、1978年から続く伝統を誇る名門。長年にわたり、トップリーグから1度も降格することなく、日本バレーボール界を支え続け、1987年の日本リーグ初優勝から、合計9度のリーグ優勝を果たしている。

しかし、今シーズンのNECには大きな変化が訪れた。チームの大黒柱として活躍し続けた古賀紗理那が、パリ五輪を最後に現役を引退。さらに、アメリカ代表のダニエル・ドルーズがチームを去り、長年チームを支えてきた柳田光綺や上野香織も引退。若手の台頭が求められるシーズンとなった。

古賀の引退後、彼女の背番号「2」を受け継いだのは、筑波大学出身の新人、佐藤淑乃だ。パリ五輪でも経験を積んだ佐藤は、今シーズンの大きな期待を背負い、チームの新たなエースとして台頭することが期待されている。

古賀が抜けたポジションには、日本代表の和田由紀子が加入。さらにタイでのプレーを経て帰国した山内美咲や、若手の廣田あい、そして現役復帰を果たしたキャプテンの澤田由佳といった選手がメンバーに名を連ねる。

また、パリ五輪にも出場したミドルブロッカーの山田二千華は、攻守両面でNECの中心的存在となることが期待されている。彼女のブロック力はチームの武器であり、今シーズンのキーマンとなるだろう。

一方、埼玉上尾メディックスは上尾中央総合病院のバレーボール部としてスタートし、昨季はVリーグで3位、2023年の黒鷲旗でも初の決勝進出を果たすなど、着実に実力をつけているチームだ。

チームを率いるのは大久保茂和監督。2022-23シーズンから指揮を執り、初年度から結果を出してきた。理論と実践を融合させた指導スタイルが特徴で、埼玉上尾は攻撃力のあるチームへと進化し、今シーズンもさらなる飛躍が期待されている。

注目選手は強烈なアタックが持ち味の黒後愛。東京五輪後の休養から復帰。その後、2022-23シーズンから埼玉上尾メディックスに加入した。また、セッターとして日本代表経験を持つ岩崎こよみは、的確なパスワークがアタッカーたちを生かすことになるだろう。

新加入選手では、スロベニア出身のニカ マルコビッチや、日本代表経験を持つ濱松明日香などが加わり、戦力が強化されている。特にニカ・マルコビッチは、国際経験が豊富で、その経験を生かしたプレーでチームを引っ張ることが期待されている。

この開幕戦は昨季の女王・NECレッドロケッツ川崎が大黒柱を失った穴をどう埋めるのか。また、埼玉上尾メディックスは黒後愛の復調と、新戦力をどう生かすのかポイントだ。

NECの強固な守備と攻撃力、埼玉上尾の多彩な攻撃陣の対決が、リーグ初戦から激しい試合展開を予感させる。新たなシーズンの幕開けにふさわしい好カードとなるだろう。