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バレーボール コラム 2024年9月27日

【SV.LEAGUE開幕直前インタビュー】西田有志(大阪ブルテオン)「自分たちも楽しみながらバレーボールの面白みを体現したい」

バレーボールコラム by J SPORTS 編集部
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西田有志(大阪ブルテオン)

西田有志(大阪ブルテオン)

10月11日(金)、バレーボールの新リーグ「SV.LEAGUE」が開幕を告げる。オープニングマッチを飾るのは、イタリアから帰還した髙橋藍を擁する常勝軍団サントリーサンバーズ大阪と、西田有志ら日本代表を多く抱え、チーム名を変えて新たな船出を迎える大阪ブルテオン。日本を代表する両者の争いは、今シーズンの覇権を占う意味でも眼が離せない。

そこで今回、激戦必至の開幕戦を控えた両チームの注目選手に話を聞いた。2人目は、大阪ブルテオンの西田有志選手だ。驚異的な身体能力を誇り、闘争心剥き出しでコート制圧する姿には、見るものを無条件に引きつけるエネルギーがある。一言一言丁寧に紡がれた言葉からは、日本バレーボール界を背負う責任と、大いなる夢と野望が溢れていた。若き日本のエースは今何を思うのか、胸中を探る。

ーーパリ五輪を通じて得たもの

(五輪は)自分たちがやり切るか、やり切れないか、という大会です。自分たちがやることをやって結果を求めるということだけ。確かにあの1本がなければといった話は何個も出てくるんですけど、トータル的に見て、(イタリア戦は)今まで日本代表で戦ってきた中で一番良かったというか、クオリティーも全体的にすごい高かった。自分たちのプレーとしてはやることはやっていました。でも、その時の運命がどちらに転ぶのかという試合だったので、どうしようもなかった部分があります。あのチームでの目標はずっとクリアしてきましたし、唯一できなかったのは五輪というところで、“これが五輪なんだろうな”というところです。あの舞台に立った時にしか分からないような感覚ではありましたね。

ーー世界を超えていくために必要な課題

ロス五輪までの4年間で何をするのかっていうと、技術だったり色々なものを上げていく必要があるとは思いますが、他の視点で見た時にも、自分の能力を上げることは可能だと思っています。そこに時間をかける必要があると思いますし、そこをやっていかないといけないと思います。その中で、自分の技術としても全体的にアップできれば一番嬉しい結果だと思いますし、そこに時間かけることは次の五輪までにできるので、必ずやっていきたいですね。

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西田有志選手(大阪ブルテオン) インタビュー

ーー日本代表として一緒に戦ってきた仲間とSV.LEAGUEで戦うことについて

こういう転換期にどうやってスタートを切るかはすごく重要だと思います。どこのチームも必ず苦しむシーズンになると思いますが、その先に見える未来がどれだけ大きなものになるのか、正直ワクワクする部分が強いです。大きく変わったところは、ヨーロッパを含めた海外選手2人がオンザコートできること。大きな変化だと思いますし、戦い方もすごく変わってくると思います。正直やってみないとわからない部分ではありますけど、僕のマッチアップは必ず外国人の選手になるので、高さだったり技術だったりというのは世界トップクラスの戦いができると思っています。

ーーサントリーの髙橋選手とのバトルも楽しみです

一選手として、僕も尊敬している部分がすごくあるので、負けてられないなというのは確かにあるにしても、僕一人で戦っているわけではありません。チームとして、どうやってそうした選手を崩していくのか、僕はそっちの方が楽しみですね。苦しくなったときに僕が点数を取ったり、チームを引っ張っていく姿を見せることは必ずできると思うんですけど、チーム全体でやらないといけないことなので、特に個人でこの選手がというところはありません。

ーー新たにファンにアピールしていきたいところ

大阪ブルテオンとしては1年目なので、名前が覚えられにくいというのは必ず出てくる問題だと思います。どのチームも名前を変えるという事に関してはすごくネックに感じてしまう部分だと思いますけど、こうして踏み切れたところはこのチームの強みだと思いますし、組織の強みだと思います。正直、僕としては「ゼロ」からのスタートなので、そこからどういう風に広がっていくのか楽しみです。型にはまらないことをやっていけることがこのチームの強みだと思うので、そこはワクワクしますね。いろんなことをやっていくべきだと思いますし、今の世の中、いろんなことをやっている人たちが上に立つようになると思っています。一人ではなく、チーム全体で行動ができることが幅広くなっていると思うので、そこをすごく楽しみにしています。

ーー新しく入ってくるファンに自分自身をどのようにアピールしていきたいか

バレーボールっていうのはほぼ知られていると思うので、そこからどういう風にファンになってもらうかは、僕のブランディングでもあり、チームのブランディングでもあると思います。本当に熱心に応援してくれるチームであってほしいなって僕は思いますし、前のパナソニックパンサーズのときにもそれは凄く感じていたので、それよりもファンの方が熱を込められるようなチームのブランディングをしたいなと思っています。今回のオリンピックでも、ありがたいことに多くの方に見ていただきました。その方々に、次に試合に来てもらうためには、僕だけじゃなくてチームがどう動くのかということも大切です。そうした中でも、僕のキャラクターが一番光っているように見えたら嬉しく思います。会場に足を運んでいただくきっかけを作ったり、そういったものをこのチーム全体でやっていくことが僕の夢ではありますね。

(個人的には)スパイクやサーブもそうですし、「喜び方」は一番印象に残るのかなと思っているので、そこを見ていただけたらなと思います。あとは、ディフェンスや1点に対する執着心は僕が一番強いと思うので、そういった部分を見ていただけたら嬉しいです。

ーー移籍して2シーズン目になりますが、チームの手応えや期待感について

名前が知れている選手たちの移籍や海外選手の補強に目がいきがちですけど、今回オリンピックで優勝したフランスは、優勝候補とは呼ばれていない中で優勝しました。あの優勝は何だったのか、そこは自分たちにとって一つのきっかけになる部分だと思います。(フランスの選手たちと)一緒のプレーをしろと言われたら絶対にできないんですけど、あのチームを作れと言われたらできると思うし、そういったチームになることがバレーボールの面白みだと思います。そこがこれからのチームの楽しみだと思います。一人ひとりの能力はすごく高い。じゃあ、ここからどういう風に研究するのか、自分のパフォーマンスを上げていくのか。そこは一人ひとりの課題にはなると思いますし、そこから逃げたらこのチームは終わりだなと僕は思う。逃げられない場所に立たせることが僕の責任でもあると思いますし、行動や言動もそこに繋がると思ういます。一人ひとりの能力が高くても、チームになった時にどのように固めるのかというところは問題点として出てくる。「次はこうしよう」というのが可能なチームを作るのがこの期間だと思うので、ひたすら会話して、練習して、会話して、練習しての繰り返し。それをやっていけばこのチームは優勝できるんじゃないかなと思います。

ーー改めて今シーズン目指すところ

優勝しか見てないですけど、それまでに面白いゲームがたくさんあるので、そこを一ひとつ楽しんでいきたいです。先ほど言ったように、自分のマッチアップはほとんどが海外の選手になるので、そこをすごくワクワクしています。この身長でオポジットをやれるのは僕だけなので、そこも強みと捉えて、海外選手をどう倒していくのか。そこを崩していけば段々チームが崩れていくだろうし、こっちは海外選手が崩れても日本人選手で必ず耐えられるチームを作り上げる。確かに時間はかかるにしても、終盤に勝つチームが出来上がれば必ず優勝できると思います。

ーー開幕戦の相手であるサントリーサンバーズ大阪について

相手がサントリーだからではなく、そういった場所でやれることのありがたさを噛み締めながらプレーしたい。自分たちも楽しみながらバレーボールの面白みを体現したいと思いますし、そこに「勝ち」が付いてくることが一番だと思います。勝ちに拘ることはもちろんやり続けていますけど、その上に「楽しみ」があれば必ず強いチームになると思うので、そこをしっかりやっていけたらなと思います。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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