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エフィモワ/ミトロファノフ組が全身全霊の演技で四大陸ペア初制覇!アイスダンスはジンガス/コレスニク組が初V | 四大陸フィギュアスケート選手権2026 ペア&アイスダンス レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部四大陸選手権ペア初優勝を果たしたエフィモワ/ミトロファノフ組
ナショナル選手権を終えたばかりのアメリカ勢が、2026年四大陸選手権のカップル種目でそろって優勝を果たした。ペアは全米覇者のアリサ・エフィモワ/ミーシャ・ミトロファノフが、元五輪金メダリストの地元・中国組をフリーで逆転。またアイスダンスはエミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニクが制し、表彰台の両脇には、全米でともに五輪枠を争ったアメリカ勢が並んだ。
ペア
勝とうとするのではなく、ただ心を込めて滑りなさい――。その教えを胸に、アリサ・エフィモワ/ミーシャ・ミトロファノフ(アメリカ)は丁寧に、自分たちにできる限りの演技を行った。結果として、最も美しい色のメダルがついてきた。男性側は2022年に別パートナーと四大陸を制しているが、2年前に夫婦となった2人にとっては、ともに力を合わせて勝ち取った初めてのISUチャンピオンシップタイトルだった。
「競技人生はひとつの道であり、その過程でいろいろなことが起こりながら、前に進んでいくもの。メダルはもちろん嬉しいですが、それ以上に価値があるのは、この大会を通して私たちが一緒に得た『学び』だと思います」(エフィモワ)
国籍問題で五輪を断念せざるを得なかったからこそ、2人は今大会に全身全霊で挑んだ。ショートプログラム(SP)ではソロジャンプで女性側が軽く氷に手をついた以外、すべてをクリーンに成功。パーソナルベスト(PB)の71.85点をマークし、首位から4.17点差のSP3位につける。
全米2連覇のチャンピオンペアは、フリースケーティング(FS)では「ある愛の詩」を鮮やかなスピードで、それでいて叙情的に演じた。大きなミスは、やはりソロジャンプのダウングレードのみ。プログラム後半、特にデススパイラルやコレオシークエンスで高い出来栄え点(GOE)を重ね、FS首位の133.49点を獲得。合計205.34点で逆転優勝を成し遂げた。
「優勝できて最高の気分です。レベルが極めて高く、熾烈な戦いだったからこそ、なおさら嬉しいです。挑戦しがいがありましたし、選手として成長できたとも実感しています。」(ミトロファノフ)
この同じ北京で、4年前にオリンピック金メダルに輝いたウェンジン・スイ/ツォン・ハン(中国)は、かつて6回王座に上り詰めた四大陸に、6年ぶりに戻ってきた。
そもそも3年間の空白を経て、今シーズン、2人は電撃復帰を果たしたばかり。競技レベルの筋力を取り戻すのに苦労し、両者ともに満身創痍ながらも、SPではさすがの演技を見せた。
すべてのジャンプを成功させ、その他エレメンツは全出場組中唯一のオールレベル4。完璧なユニゾンと、長年の経験で培われたケミストリーとで、演技構成点(PCS)も文句なしのトップスコアを叩き出す。全盛期に打ち立てたPBにしてワールドレコード84.41点からは程遠いものの、シーズンベスト(SB)の76.02点で大会を折り返した。
ただSP中にスイの怪我が悪化し、FSではジャンプに苦戦した。スローで転倒もあった。それでもツイストやリフトでは、質の高さが光った。中国の舞踊劇映画「只此青綠」の楽曲に合わせて、深みと広がりを感じさせる表現力でも観る者を魅了した。
FSだけなら4位に後退し、総合では銀メダルで終えた。ジュニア時代から通算すると、15個目のISU選手権メダル。そして3週間後のミラノ五輪後、2人は現役引退を表明する。この四大陸こそが「スイハン」にとって、母国での最後の競技会となった。
「僕らにとって最後の四大陸選手権で、メダルを勝ち取ることができて嬉しく思います。ミラノでは金メダル以上のなにかを望んでいます。自分自身を超え、今までよりもさらに優れたスイハンをお見せしたいです」(ハン)
結成3年目の長岡柚奈/森口澄士(日本)は3位に入り、生まれて初めてのISU選手権メダルを手にした。日本ペアとしては、三浦/木原組に続く史上2組目の快挙だった。
SPでは今季3度目のPB更新を達成し、この1年間で12点近くも得点を伸ばした。最後のスピンこそGOEマイナスをとられたものの、武器のリフトは、誰よりも大きな加点を得た。またPCSでも、初めて3項目すべてを8点台に乗せた。
FSでは順位を1つ下げた。スロージャンプが2度とも成功できなかったのは、「すごく悔しかった」。デススパイラルではレベルを取りこぼした。それでもやはり3つのリフトのスコア合計はダントツに高く、特に1つ目のリフトは今季国際戦で自己最高の評価を勝ち取った。
「初めてのチャンピオンシップメダルがすごく嬉しいですし、いい思い出になります。でも、ここで終わりではなく、この経験を活かして、できるだけ上に行きたい。モチベーションや目標をもっともっと高く持って、いつか四大陸や世界選手権、さらに五輪でも、一番輝かしい金メダルを目指したいと思います」(森口)
昨季ジュニアGPファイナルを制し、今季シニア転向のチャン・ジャシュアン/ホワン・イーハン(中国)は、初めての四大陸で4位入賞。9月の五輪予選会で中国に見事ペア1枠をもたらした2人は、しかもFSだけなら2位スモールメダルと、将来性を強く印象づけた。
アイスダンス
表彰台をアメリカ3組が完全に独占した。今シーズン初めてGPシリーズ表彰台に立ち、初めてのGPファイナル進出を果たしたエミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニク(アメリカ)が、全米ナショナル銀メダル獲得の2週間後、勢いそのままに四大陸チャンピオンの座に駆け上がった。
「過去数シーズン、ずっと国際大会での優勝を目標にしてきましたが、それをISUチャンピオンシップという舞台で達成できたなんて、とても素敵な気分です。今大会出場のチャンスを最大限に生かせたことも嬉しいですし、この先の未来に何が待っているのか、本当に楽しみです」(ジンガス)
試合のたびにぐんぐん評価を上げている結成4年目の若きカップルは、今大会でもリズムダンス(RD)では卓越した身体能力と絶妙なリズム感を披露した。90年代のニュージャックスウィングに乗って、PCSではPBを大きく更新。79.97点で首位に躍り出た。
フリーダンス(FD)の「ロミオとジュリエット」は、柔らかくも力強いスケーティングで、作品のドラマチックな世界観を氷上に再現。2人の動作は完璧な調和を見せ、あらゆる要素で高いGOE評価を受けた。PCSの「プレゼンテーション」はついに9点台に到達。FD122.89点は、今季前半に3点近くアップしたPBを、さらに1点以上も塗り替えるスコアだった。トータルでも自己ベストの202.86点で、2位以下に8点以上の大差をつけ見事な優勝を飾った。
世界選手権さえ未経験の2人が、四大陸は3度目の挑戦で、待ちに待った金メダルをつかんだ。「来季はアメリカナンバーワンカップルになる!」と明るく宣言する「ジンコレ」にとっては、きっと長く輝かしいキャリアの幕開けに過ぎない。
「これまで自分たちはずっと挑戦者のつもりで滑ってきました。でも来シーズン、そしてオリンピックに向けて、もはやそんな風には感じてはいません。挑戦者ではなく、本命としてのあり方を学んでいくべき時が来たんです」(コレスニク)
4年前と同じく「五輪最終選考会」だった全米を4位で終え、ミラノ行きを逃したキャロライン・グリーン/マイケル・パーソンズ(アメリカ)は、ナショナルからの切り替えに少々苦労したとも告白する。
それでもRDでは、グルーヴの効いたナンバーを確かな技術力で滑りこなし、首位とは僅差の2位につけた。一方のFDはワンフットターンやステップで得点の取りこぼしがあった。エキゾチックな雰囲気をたたえるプログラムを魅惑的に演じ上げ、総合2位の座は堅守。近年ほんの少し足踏み状態だった2人にとっては、4年前に四大陸を制して以来2度目の、ISUチャンピオンシップ表彰台となった。
「オリンピック補欠として四大陸で好成績を収めるという、非常に似たような状況に身を置くことは、嬉しいような悲しいような気分です。大変な名誉であり、誇りも感じます。五輪代表チームの一員になれなかったことに、少し悔しさもありますし、同時にこれが原動力にもなります。だから、僕らはこの先も戦い続け、努力し続けます」(パーソンズ)
コレスニクとパーソンズがそれぞれ別のパートナーと世界ジュニアを制してきたのだとしたら、ウナ&ゲージ・ブラウン(アメリカ)は、4年前の世界ジュニア王者カップル。待望のシニアISUチャンピオンシップデビュー戦を、嬉しい銅メダルで締めくくった。
ヒップホップとゴッドファーザーというテイストのまったく異なる2つのプログラムや、低い重心から繰り出される独創性の高いエレメンツが、アリーナの観客を魅了した。特に兄妹が舞う血族の愛憎物語は、今シーズンのフィギュアスケート界指折りの名作として、完成度の高さが際立った。RD、FDともにPBを塗り替え、FDだけなら2位のスコアを得た。
「初めての四大陸は、本当に刺激的で、同時にとても緊張しました。でも緊張をうまく振り払って、良い演技ができました。今シーズンの成長や成果を誇りに思いますし、このような形でシーズンを締めくくることができたことも、誇らしく思っています」(ゲージ)
日本の吉田唄菜/森田真沙也は総合7位と、2年前の初出場10位、昨大会の8位からの着実な成長を示した。しかもRDのパターンダンスタイプステップシークエンスでは、全参加組で唯一のレベル4を獲得し、FDのステップシークエンスでは全体で3位の評価を得るなど、エッジワークの強さを改めて印象づけた。FDでは2年ぶりにPBも更新している。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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