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宇野昌磨さん「自分のスケート人生は120点」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部宇野昌磨のスケート人生120点!
フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。元アイスダンサーであり世界を股にかけ活躍するコレオグラファー(振付師)宮本賢二が日本を代表するトップスケーターをゲストに迎えてお届けします。
今回のゲストは今年5月に現役引退を発表した宇野昌磨さん。9年ぶり2度目の出演が実現しました。世界選手権連覇などシニアデビューから数々の大会を制し、日本のフィギュアスケート界に大きな功績を残した宇野さん。これまでの軌跡を振り返りながら、プロに転向した現在の心境に迫ります。
こちらでは番組の書き起こしコラムを全4回に分けてお届けします。4回目は、気になる今後についてのお話を伺います。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【宇野昌磨】
配信期間 : 2024年9月17日午後10:00 ~
今後やりたい3つのこと
KENJI:引退時に今後の抱負は「探す」ということを話していました。次の道は見つかりましたか。
宇野:うーん、そうですね……これっていうのは、まだ。ただ、スケートをやることに変わりはないですし、スケートに関わっていくことも変わりはないんです。その上で、僕個人のイメージですけど、今まで経験していないものに取り組んでいきたいなと思っています。でも、フットワークがめちゃめちゃ重くて。偶然の恵みのようなことが起きないと……。
KENJI:新しい道を探す昌磨くん。今後やってみたいと思うことを3つ選んでくれたので、ひとつずつ見ていきたいと思います。では、ひとつ目をお願いします。
今後やってみたいこと:アイスショー
宇野:ひとつ目はアイスショーです。プロ転向ということもありますし、過去にやったことのあるアイスショー以外にも、新たなアイスショーに巡り会えたらいいなという気持ちも込めています。現役を引退したからこそ、いろいろなことに挑戦できるかなと。スケートというジャンルでも様々なことに挑戦できると思うので、ひとつ目はアイスショーです。
KENJI:もうルールがないですし、ジャンプの数も点数も関係ない。昌磨くんはやりたいこともいろいろとあるんじゃない?
宇野:フットワークはかなり重いんですけど、それこそワンピースのときもそうでしたけど、できないだろうと思っているものを段々できるようにしていく過程が僕は好きなんじゃないかなと思うんです。だから、そういったものに巡り合ってやれたらいいなと思います。
KENJI:では、2つ目。
宇野:ゲームです。ここ3、4年は「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」っていうファミリー向けの格闘ゲームをしています。周囲のみんなよりは、強いです。ただ、もちろん、ゲーム界隈の上の方々と比べると手も足も出ないですけど、でも、出会う人には絶対負けないかなと。それに、ゲームもこれから仕事にできたらいいなっていう思いもあって、2つ目にしました。
KENJI:なるほどね。解説みたいなものとかね。ゲームでも頂点を極めたい感じなの?
宇野:僕の本来の気質からすると、表に立って何かをするよりも合っているのかなと思うんです。本来は表に立つような性格ではないですし、初登場時の様子みたいなのが僕なので。ゲームに関しても、一度足を踏み入れてみたいなと思いますけど、僕はこうやって言っているだけで何にもしていないんですよね。「やりたいなら動けよ」って言われます(苦笑)。
未経験の何かをやってみたい
KENJI:3つ目は?
宇野:「未経験の何か」です。もちろんスケートのジャンルでもいいんですけれど、やったことのあるアイスショーなどではなく、例えば解説とか。スケート以外だったら……なんだろう。テレビを含めて表に立つこともそうですし、一流にならなくても、他のスポーツをやってみるとか。自分が今までやったことのないジャンルをいろいろやってみたいです。やっぱり現役中は怪我をしないようにとか、体力を使ってしまわないように遠ざけていたものもたくさんある。なので、何かをやってみたいなと思います。
KENJI:身近でよければ、ショートトラック。ショートトラックの靴を履いてみる。履いたことある?俺は、ホッケーもない。
宇野:ホッケーは、昔やっていたんですよね。でも、ショートトラックの経験はないのでやってみたい。
KENJI:あれだけ速いスピードをこのエッジでやるのかっていう体験も面白いかもしれんよね。それから今度、釣りに行こう。
宇野:釣りは、好きそうです。でも、虫とかが触れないんです。餌って触りますよね?
KENJI:ルアーがあるから触らないよ、大丈夫。でも釣った魚は触れる?お刺身は大丈夫?
宇野:頑張ります。お刺身も大丈夫です。
KENJI:じゃあ釣りに行って、そこでさばいて食べましょう。今度時間を作って行こう。
宇野:はい、ぜひやってみたいです。
スケート人生は120点。今は自分を磨きたい
KENJI:ちなみに選手育成や振り付けには興味ないんですか。
宇野:振り付けに関しては絶対にできないと思うんです。1から勉強してだったらなんでもやればできるかなとは思うんですけど……今この場で振り付けしてくださいって言われても、絶対できない自信がある。育成に関しては、後々考えは変わるかもしれませんけれど、今はもう少し、自分を磨きたい。もっと自分に自信を持てるスケーターになりたいというのかな。自信を持てる競技者になれたと思うんですけど、ジャンプありきでした。ジャンプがなくても、自分が昔憧れたフィギュアスケートの表現者のようになってから、育成に関しては考えていきたいなと思います。
KENJI:今や昌磨くんもみんなに憧れを持たれるスケーターになりました。実際に「昌磨くんが好き」という子どもたちもいっぱいいるんだけど、そんな子どもたちにアドバイスを送るなら、どんな言葉をかけますか?
宇野:楽しくスケートをやってほしいなと思います。僕はいい成績をシニアに上がってからも残せましたけど、いい成績を残すことだけがいいことだとは思ってほしくない。もちろん、成績を残すことは素晴らしいことですし、成績を残すことにも憧れを持ってスケートを始めるのはすごくありがたいことです。でもスケートに対する考え方はいろいろあると思います。その中で僕的には「苦なく楽しく」。もしかしたら、苦しいことがあった方が達成感を感じる方もいるかもしれないんですけど、やっぱり「楽しく」ですね。
KENJI:楽しくやっていても、壁にぶつかって悩んでしまうこともある。ジャンプを何回やってもできない。昨日までできたのに、どうしてもできないとか。そういうときに昌磨くんはどうする? なんて声をかける?
宇野:僕は理屈っぽくなってしまうんですよね。ジャンプも人に教えたことは何度かあるんですけど、すごく理屈っぽくなっちゃう。こうだから大丈夫。そうなるのは仕方ないって。そのときに「後々、よくなる」ということも伝えるんですけど、現役生活を過ごしていた中で、先のことよりも今日が1番大切っていう気持ちになるのもわかるんです。だから言葉が出なくなってしまうんですけど、きっと、目先のことだけではなく先を見ることも大事かなと思います。
KENJI:そうやね。その1日をちゃんと気持ちよく終わらせて次に行くっていうのもあるもんね。
宇野:そうなんです。気持ちがとてもわかるからこそなんですけど、そこで頑張ると次の日にも響いてしまって、本来良かったはずが……とか、いろいろ考えてしまって。僕もそんなに言える立場じゃないので、難しいです。
次世代を担う選手へアドバイス
KENJI:もしアドバイスするなら、もうちょっと先を見ようと。そんな昌磨くんは、これまで試合で採点されてきましたけど、自分のスケート人生に点数をつけるとしたら100点満点中何点ですか。
宇野:120点です。競技者という面に関してはここまでの選手になれると思っていなかったんです。今、改めて振り返っても、自分がもっとここでこうしとけばよかったって思うことがひとつも思い当たらない。自分が努力しやすい環境を作ってくださった周りの方に感謝をしていますし、悔いの残らない練習を積み重ねた自分を褒めたい。その上で、自分が望む以上のものが残せたと思うので、120点という数字を書かせていただきました。
KENJI:本当にすごい。
宇野:たくさん失敗はしましたけど、その後に必ず生きてきたんです。たくさんの失敗が失敗のままで終わることは、未来の自分が頑張れば、(失敗で終わることは)ないことだと思うので、後悔はないです。
KENJI:一回放送をするのはやめて、僕が言ったことにしていただけますか。今のすごくかっこよかった。未来の自分が頑張ってくれたらいいよね。今日は本当に貴重な話、ありがとうございました。すごく楽しかった。
宇野:はい。本当に未来の自分が頑張ってくれたらいいですし、僕も楽しかったです。
KENJI:最後に、番組を見てくれているファンの方へぜひメッセージをお願いします。
宇野:今日はありがとうございました。3ヶ月前になりますけど、現役を引退しました。現役中はたくさんの応援がすべて自分の力になって、素晴らしい現役生活を残せたと思います。でもスケート人生はまだまだ続きますので、これからも応援していただけるとうれしいです。今後は、いろいろなものに挑戦していきたいと思います。ありがとうございました。
KENJI:めっちゃしっかりまとめるやん。初登場時と全然違う。今日は本当にありがとうございました。
宇野:9年で人は変わりました。こちらこそ、本当にありがとうございました。
2度目の出演を振り返って
収録を振り返って
宇野:9年前のVTRを見て、自分の成長を目の当たりにしましたし、とても楽しかったです。KENJI先生にはたくさんお世話になっていますし、これからもたくさんお世話になると思いますが、関係がより深まった上で「KENJIの部屋」に出演することができて、とてもうれしかったです。プロスケーターに転向して3ヶ月。すごく短い期間なので、まだまだこれから学ぶこともたくさんあると思います。いろいろな方の支えの中で、本当にいろいろなことに挑戦して、いろいろなものが自分の経験になったらいいなと思っています。今までは自分のため、そして本当に近しい人のために競技をすることが多かったんですけど、アイスショーは会場に足を運んでくださる皆さんのために、よりいいものを届けたいという気持ちを込めて作るものだと思っているので、今まで応援してくださった皆さんに感謝を込めて、素晴らしいアイスショーを披露できたらと思います。
KENJI:本当に成長していて、スケーターとしてもトップにいる。そんな昌磨くんと話せてうれしいなと思いました。昔の映像をずっと笑顔で見ていましたけど、一緒に見ることができたこともうれしかったです。今後は、表現の自由がどんどん出てくると思うので、そういうのを追求しながら、怪我もしないように頑張ってほしいなと思います。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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