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フィギュア スケート コラム 2024年10月7日

宇野昌磨さん「自分が誇れるスケーターでありたい」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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宇野昌磨の軌跡

宇野昌磨の軌跡

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。元アイスダンサーであり世界を股にかけ活躍するコレオグラファー(振付師)宮本賢二が日本を代表するトップスケーターをゲストに迎えてお届けします。

今回のゲストは今年5月に現役引退を発表した宇野昌磨さん。9年ぶり2度目の出演が実現しました。世界選手権連覇などシニアデビューから数々の大会を制し、日本のフィギュアスケート界に大きな功績を残した宇野さん。これまでの軌跡を振り返りながら、プロに転向した現在の心境に迫ります。

こちらでは番組の書き起こしコラムを全4回に分けてお届けします。2回目は、シニアデビューからの9シーズンを振り返ります。

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四大陸選手権で初タイトル

KENJI:次は2016-17シーズン。出場したすべての大会で表彰台に登りました。全日本選手権優勝。四大陸選手権3位。世界選手権2位。すごいよね。

宇野:このときはもうずっとゆづくん(羽生結弦)と戦っていて、ゆづくんが優勝して、僕が2位。それがずっと続く感じでした。でもシーズン全体を振り返るとすごく良かったなと思います。僕自身、その前シーズン最後の世界選手権が悔しさの残る大会になっていました。その悔しさがいい成長につながり、このシーズンは2位。さらに全日本選手権もしっかり優勝することができて、自分にとってはすごく望ましい結果だったと思います。

KENJI:安定したというか、気持ちの切り替えもしっかりできているみたいな感じかな。

宇野:そうですね。ただ、まだ若さもあったと思うんです。いいときとそうではないときを繰り返していたかなと思います。

KENJI:なるほど。その次のシーズンは勝負のシーズン。平昌オリンピックで銀メダルを獲得しました。初めてのオリンピックは他の大会と全然、違いました?

宇野:僕は最終滑走だったんです。全員の点数を見て、パーソナルベストを出したら優勝できることがなんとなくわかっていた中でした。でもひとつ目のジャンプで転倒して「もう無理だ」って思いながら滑ったんですけど、そこからは練習通りに演技を成功させることができて。僕にとってもすごく望ましい結果でした。オリンピックという大会に関しては「オリンピックだけが特別な大会ではなく、自分にとってはすべての大会が特別。オリンピックはそのひとつ」と取材でもずっと言っていたんです。でも、やっぱりオリンピックは大きかったし、すごかった。このオリンピックを境に自分のことがすごく知られるようになったり、「誰?」っていう友だちから連絡がきたり(笑)。

KENJI:小学校のときに遊んだよねっていう子とかね(笑)。でも、この番組を見ていたら「それは自分のことかな。気軽にメールをするのはやめておこう」みたいな感じになっちゃうから。では、次のシーズンに行きましょう。2018-19シーズン。四大陸選手権に優勝して、念願のタイトルを獲得しました。ただ、そのシーズンは怪我を抱えていたのかな。

宇野:どうでしたかね……グランプリシリーズもあまり記憶にないんですけど、靴のメーカーを変えるなど、いろいろ試行錯誤をしていました。怪我に関しては、確か、全日本選手権のときに大きな怪我をしたのかな。それまでも全日本選手権あたりで何度か怪我をしているんです。大きな怪我を。グランプリファイナルから全日本選手権までの期間が短いのもありますし、グランプリも連戦になるので。なので、全日本選手権ぐらいに何かしらの不調や怪我が出やすいところがどうしてもあるんです。一年を通しても四大陸選手権や世界選手権でベストパフォーマンスを出せることが少なかったんですけど、このシーズンの四大陸選手権は、いい成績残せました。よかったです。

グランプリ東海を卒業

グランプリ東海卒業時のメッセージ

グランプリ東海卒業時のメッセージ

KENJI:そして、2018-19シーズン終了後にグランプリ東海を卒業したんだよね。

宇野:僕個人の気持ちとしてはやめたくなかったです。ただ、この卒業には、もっと大きく羽ばたいてほしいという思いも込められていて。当初は、次を決めていなかったのでどうしようっていう感じでした。同時にこれまで、先生方に支えられながらも、練習内容などは自分で決めてやることが多かったので、自分でできるんじゃないかなと思ったんです。なので、そのまま2019-20シーズンに入りました。

KENJI:コーチ不在のまま迎えたシーズンでしたが、全日本選手権4連覇です。

宇野:このシーズンの序盤はコーチ不在だったんですよね。グランプリシリーズのフランス大会でボロボロ。練習も全然うまくいってなかったんです。そこでステファン・ランビエールコーチに「シーズン途中だけど、お邪魔させてくれないか」とお願いしました。そこからステファンとともに歩んでいくことになったんです。

KENJI:シーズンに入るときは不安もちょっとあった?

宇野:そうですね。不安もあったんですけど、コーチ不在だからこそ一生懸命練習していたんですよね。できなかったら全部、自分の組み立て、計画がよくなかったという評価になると思っていました。だから、いつもより練習したんですけれど、本当にうまくいかなくて。練習しても練習しても、どんどんうまくいかない方に向いていってしまう。周りからも「1回休んだり、やめたりしてもいいんだよ」って声をかけていただいていて。その中で「楽しくスケートをしたい」っていう思いがあって、ステファンのもとに行きました。

ステファン・ランビエール

ステファン・ランビエール

KENJI:ステファンは楽しい人だけど、実際に行ってみてどうでしたか。

宇野:1年ぐらい、楽しくのびのびとスケートをしていました。ステファンコーチはずっとふざけていますし(笑)。

KENJI:ふざけているんだ。でも怒ったら怖いんじゃない? 基本は怒らないけど、俺はよく怒られるんだよね。「KENJI!」って叫ばれたり(苦笑)。それで、このシーズンは新型コロナウイルスの影響もあって世界選手権は中止。そのときの心境は?

宇野:最初は実感がなかったです。でも、いつもあるはずだった試合が段々なくなっていく。アイスショーもなかったですし……言葉で表現するのが難しいですけど、突然、心に穴が空いたような感じでした。ずっとスケートだけで生きてきたので。

KENJI:ずっと練習してきたものを出すところがないっていうことは、どうしていいかもわからない感じだよね。

宇野:そうなんです。本当にそんな感じでした。練習がいっぱいあって、試合でうまくいくかな、いかないかなという緊張やストレスを感じることももちろんあったと思うんです。でも、それは試合があるからこそ成り立っていたこと。試合の大切さを含めて、そうしたことを痛感したシーズンでした。

KENJI:あのときは俺も地方の大会などに行っては、いろいろなところで選手たちに「本当にいろいろな人が協力している。更衣室を分けたり、動線を作ったり。たくさんの人が努力して、やっと試合ができているんだから感謝しようね」って言いながらやっていたのをよく覚えているよ。

宇野:本当にそうなんですよね。ひとつの試合って、こんなに大変だったんだっていうことも痛感しました。

KENJI:昌磨くんはそのさなかの2020年8月。宇野昌磨アップロードチャンネルを開設。Youtubeもやってるの?

2020年8月開設!YouTUbeチャンネル

2020年8月開設!YouTUbeチャンネル

宇野:そうです。本当に大会もなく、ショーもなかったので、世に出るタイミングが全くなかった。それで始めさせてもらいました。内容的には、特に何もないというか、スケートのこともするし、自分で自分の動画を解説することもあります。ゲストと話すこともあれば、スケートに全く関係ないこともします。ただ更新頻度が少なかったり……緩い感じでやっていました。

KENJI:そうなんや。とはいえそのシーズン。コロナ禍で試合がどんどん中止になった中で、久しぶりの大会、全日本選手権が開催されました。出場したときの思い出はありますか?

宇野:めっちゃ緊張しました。この全日本選手権がシーズン初戦になったんです。世界選手権が中止になって、全日本選手権まで試合にひとつも出ていなかったこともあって、ショートプログラムは、めちゃくちゃ緊張しました。お客さんもいない中でしたけど、でもすごくいい演技をすることができて。やっぱり大会のありがたみをすごく感じました。

競技者として自分が誇れるスケーターに

KENJI:そして翌シーズンの世界選手権は4位。

宇野:表彰台には上がれなかったんですけど、大会前の調子から考えると、いい出来でした。それから、この世界選手権をきっかけに競技者として熱くなったというか……鍵山優真くんと、この世界選手権で一緒になったんです。僕より成績いいのに「憧れている」って言っていただいて。僕自身は、その言葉を聞いてとても恥ずかしくなってしまったというか、もっと自信持って、この言葉を受け止められる選手になろう。そう思って、次のシーズンに入りました。

KENJI:ええ話やし、かっこいいやん。

宇野:本当に初めて、競技者として、もっと自分が誇れるスケーターでありたいと強く思いました。

文:J SPORTS編集部

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