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フィギュア スケート コラム 2024年8月10日

田中梓沙選手&西山真瑚選手「日本のお客さんの前で滑るのがすごく好き」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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田中梓沙&西山真瑚

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。元アイスダンサーであり世界を股にかけ活躍するコレオグラファー(振付師)宮本賢二が日本を代表するトップスケーターをゲストに迎えてお届けします。

今回のゲストは田中梓沙選手と西山真瑚選手。2023年5月にカップルを結成し、“あずしん”の愛称で親しまれている二人。西日本選手権で銀メダル、全日本選手権でも銀メダルを獲得。その後もケガを乗り越えて四大陸選手権に出場するなど、今後の飛躍に期待がかかります。

こちらでは番組の書き起こしコラムを全4回に分けてお届けします。3回目は、結成1年目のシーズン振り返りやケガを乗り越えた舞台裏を聞いていきます。

結成1年目のプログラム

プログラムでこだわった点

プログラムでこだわった点

KENJI:1年目のプログラムで、こだわった点とかありますか?

西山:リズムダンスから話すと「Super Mario Brothers」はとても特徴的で、僕たちのアイコニック的なプログラムになるのかなと思いました。本当に象徴的なプログラムです。ローマン先生が曲を持ってきて「面白いんじゃない」みたいな感じのスタートでした。初めはびっくりしたけれど、実際にやってみたら「このプログラムいいね」、「面白いね」とみんなが言ってくださいましたし。自分たちも、これだけ特徴的なプログラムをやるなら「思いっ切りやりたいよね」って。ゲームの世界にいるような世界観を表現できるように、練習に取り組みました。

田中:最初は冗談で言ってるのかなって本当に思っちゃって。でも、曲の編集も終わっていて、振り付けが始まったときに「本当にやるんだ」って思いました。当初はピーチ姫の予定で、ポーズもピーチ姫っぽかったんですけど、なぜか途中からルイージに変わって…。

KENJI:ルイージの方が分かりやすいのはあるよね。衣装から分かるし。振り付けはどうでしたか?

田中:最初はやっぱり「本当にやるのかな」ってちょっと不安だったんです。でも振り付けていくうちに楽しいプログラムだなと思うようになって。曲も聞き慣れました。

KENJI:2人は聞いていないと思うけど、全日本選手権の解説でめっちゃ褒めたんだよ。

西山:見た! 見た、見た、見ました。中継の解説をKENJI先生がしてくださってるから。

KENJI:アイスダンスならではのコンセプト。リンクサイドで見てた。

田中:???

西山:あいさつしてたじゃん、毎回。

田中:記憶がちょっと…記憶が…(苦笑)。

KENJI:そうしたらフリーは?

田中:真瑚くんが「Giselle」を持ってきてくれて、ローマン先生にも聞いてもらったら「いいじゃない」となりました。

西山:フリーを先に振り付けしたんですけど、練習開始から1週間くらいで振り付けしようみたいな感じだったんです。ただ、当時はローマン先生も自分たちのキャラクターも分からない状況でした。僕は樋口先生と相談はしてたんですけども、2人の今までのイメージなどを考えたときに、バレエ音楽がいいんじゃないかなと。いろいろなアイデアをローマン先生にも出していたんですけど、「Giselle」は2人の雰囲気に合いそうという点などもあって「Giselle」に決まりました。2人に合っていると思います。

KENJI:何年か後に「Giselle」をまた使ってもいいんだろうなと思うし、雰囲気も合ってるよ。

1年目を振り返る

西日本選手権 2位

西日本選手権 2位

KENJI:デビュー戦となる西日本選手権は2位。デビュー戦はどうでしたか?

田中:日本で初めての大会だったんですけど、お客さんの前でやるのも本当に久しぶりでした。日本のお客さんの前で、しかも競技を変えて西日本に出る。どんな感じになるかなと思っていたんですけど、温かい声援をいただいて。結果的にも良かったなという試合で、緊張はそんなにしませんでした。

西山:それこそ田中・西山組として初めて、日本のお客さんの前で演技を披露する機会。いいイメージ持ってもらいたいなっていう思いはもちろんありました。ドキドキはしましたけど、でも、ファンの皆さんが思ってた以上にたくさんいてくださって応援、声援をしてくれました。本当にすごく楽しくて、日本でのいいデビューができたんじゃないかなって思ってます。やっぱり声援はうれしいですね。

KENJI:点数だけじゃなく、演技がすごく喜ばれる感じだよね。そのあとはゴールデンスピンで9位。

田中:正直、できるものが出し切れなかったことが一番悔しかったです。フリーダンスで、スピンとリフトでよろけてしまって。試合後、練習はできていたと思ったので悔しいです。

西山:最終的にはすごく悔しい思いで終わった試合になりました。初めての国際大会でドキドキもあって。でもこれを経験できたのは、ものすごく大きな経験値になったと思うんです。それは良かったと思いますけど、自分たちがもっとできるっていうところも見せたかった。それが全部出し切れなかったので、悔しい思いが残りました。

KENJI:その後は全日本フィギュアスケート選手権。この大会に関しては?

田中:リズムダンスで1位スタートでした。リズムダンスのとき、緊張はあんまりなくて、のびのびと演技ができたんですけど、フリーでは1位からのスタートで、ちょっと緊張してしまって。少しミスが出てしまったっていうのがあります。悔しいです。

西山:僕は、ものすごく気持ちよく滑れたと思っています。本当に日本のお客さんの前で滑るのがすごく好きなんだなと、改めて感じたんです。試合で声援や応援の声があると、それだけ気持ち良く滑れる。そう思いました。リズムダンスの1位スタートは予定外だったんですけど、それはそれですごくうれしかったことですし。フリーダンスは最終滑走で、体は固まっていたんですけど、でもやっぱりお客さんの声援のおかげで、僕はすごく気持ち良く滑れました。ミスはあったし、最終結果は2位でしたけど、良い試合になったのかなと思います。

思わぬアクシデント

KENJI:大きい会場での全日本を経験して。でもそのあとにケガ。何があったの?

田中:全日本後のメダリスト・オン・アイスで朝の練習の時に、真瑚くんのエッジが、自分の左手の親指に当たっちゃって、切れちゃったみたいな感じだったんです。

KENJI:メダリスト・オン・アイスの振り付けをやってたから、急に聞いてどうしたのかなって。腱が切れたって聞いたよ。

田中:実際には切れかけたんです。腱が2本。太い腱と細い腱があるらしいんですけど、 その2つともが切れかけちゃって。すぐに手術してみたいな感じでした。会場近くの病院で手術していただいて。

思わぬアクシデントに襲われた田中梓沙選手

思わぬアクシデントに襲われた田中梓沙選手

西山:漫画みたいに血が出てしまって。さすがにこれはいつもと違うと思って、急いでリンクのそばにいた救急の人に対処してもらいました。救急処置をすれば、最初はメダリスト・オン・アイスに出れるかなって思ってたんですけど、思ったより重症で。びっくりしました。

田中:今はもう大丈夫です。傷ができちゃったので、右手と比べると曲げにくく痛みが残ってるのは多少あるんですけど、大丈夫です。

ケガを乗り越えて四大陸選手権へ

KENJI:そのケガを乗り越えて、四大陸フィギュアスケート選手権に出場。これはどうでしたか?

田中:ケガをしてすぐの四大陸で、出るか出ないかはすごく悩みました。出てみて、まともな演技ができなかったら申し訳ないんじゃないかと思って、すごく悩んでたんです。でも練習を再開していく中で「やっぱり出よう」って2人で決めました。出れて良かったです。

KENJI:悩んでたけど、出ると決めたときには後押しみたいなのはあったの?

四大陸選手権 11位

四大陸選手権 11位

田中:真瑚くんも「四大陸に出るといい」っていうプレゼンじゃないですけど、そういう言葉は言ってくれていたんです。先生からも「四大陸は経験しておいた方がいいよ」って。そんなふうにみんなが言ってくれて。

西山:ただ、本当に全く手が動かせない状況でもあったんです。動かさないようにギプスみたいものもしないといけない。そもそも組むことができないし、大会まで1ヶ月しかない。どうなるんだろうとは思っていました。でも、シニアのチャンピオンシップの大会。出たいという気持ちと、でも、梓沙ちゃんのケガは手。ちゃんと直せなかったら、一生付き合っていかないといけないことにもなってしまう。だから、あまりプッシュしすぎないようにしようと思っていたんです。もちろん、出たいという気持ちは伝えましたし、先生たちからも「出た方がいい」という言葉もいただいていました。最終的に四大陸の2週間前ぐらいにギプスが外れて、手をつなぐことができるようになったので、少しずつホールドの形を変えたりしながら練習に取り組んで。それで、最後の最後に「出よう」と。満足のいく演技は最終的にはできなかったんですけどでも、シニアの大きな大会に出場できた。それは必ず今後の大会などにつながってくると思うので、良い経験ができたのかなと思います。

KENJI:改めてこの1年を振り返ると、どんなシーズンになりましたか?

田中:何も分からない中、実際に組んでみるとやっぱり難しくて。いろいろと学びながら振り付けを始めて、やりながら覚えていくっていう感じでした。やっぱり、本当にあっという間の1年だったなと思います。あまりにも時間が進んでいくのが早すぎて、あっという間でした。

西山:アイスダンス1本にするとは言ったもののアイスダンスの相手が見つからない。どうしようという状況で、ようやく5月に梓沙ちゃんと組むことができました。練習ができて、今まで経験できなかったシニアの国際大会や全日本での表彰台。それを経験することができたシーズンです。そこに至るまで、梓沙ちゃんは肩甲骨のケガもあって。最終的にそれを2人で乗り越えて、今こうやって新シーズンを迎えられます。昨シーズンに経験したことは全部ムダではなかったと思いますし、充実した1年になりました。

文:J SPORTS編集部

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