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フィギュア スケート コラム 2024年1月30日

鍵山優真や三原舞依が出場!世界チャンピオンへの登竜門で、4大陸の猛者たちがしのぎを削る | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2024プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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鍵山優真/三原舞依

鍵山優真や三原舞依ら日本人選手の活躍から目が離せない

欧州を除く4つの大陸……アジア、アメリカ、オセアニア、アフリカをまたにかける壮大なる四大陸フィギュアスケート選手権が、今回で記念すべき25回目を迎える!

名だたる王者たちが、勝利者リストにその名を刻んできた。また時には、未来のチャンピオンたちの、登竜門としての大切な役割も担ってきた。たとえば高橋大輔、パトリック・チャン、ネイサン・チェン、浅田真央、そして坂本花織は、4CCの金メダルを最高のステップにして、世界の頂点へ上り詰めた。

2024年大会は2月1日から4日までの4日間の東方体育中心にて繰り広げられる。2015年世界選手権の会場ともなった舞台で、美しき春の息吹があふれ出す。

■男子

四大陸選手権とは鍵山優真にとって、ある意味、スタート地点。世界ジュニア、世界選、さらには五輪で表彰台を経験してきた20歳が、生まれて初めてISU国際チャンピオンシップの表彰台に上ったのが、2020年の四大陸選手権だった。

復活の今シーズン、4年ぶりに四大陸へと帰ってくる。1月のインカレでは、4回転フリップに初トライ。残念ながらすっぽ抜けて1回転に終わったが……果たして上海でも、未完の大技に改めて挑むか。世界選手権で自身3つ目のメダルを狙うと宣言する鍵山にとって、成功すれば、大きな武器となる。

1年前の4CCで、佐藤駿もまた、初めてのISU選手権メダルを手に入れた。SP6位と苦しみながら、FSで目の覚めるような4回転ルッツを決め、表彰台の3番目の位置へと飛び乗った。

同じく4回転フリップも、いまだ「!(エッジ不明瞭)」マーク付きではあるけれど、佐藤は何度も成功させてきた。この四大陸では、来季以降のさらなる飛躍のために、FSで4回転4本の難構成を試すのかもしれない。

また鍵山はカロリーナ・コストナーに師事し、佐藤はギヨーム・シゼロンに振り付けを依頼することで、今季は「魅せる」能力にもますます磨きがかかった。もちろん山本草太の繊細で、優雅で、ときに官能的なスケーティングや表現力は、極めて定評が高い。

ジュニアワールド3位銅メダルから9年。翌年の大怪我から、完全復活までの長い道を歩んできた山本は……昨春に世界選は経験したものの、実は四大陸は初出場。昨年末の全日本で、やはりシニア初メダルを手にしたことで、新たな道が開けた。昨季のGPファイナル銀メダリストが、実力通りに演じることさえできれば、シニアISU選手権初の表彰台は確実に射程圏内だ。

チャ・ジュンファン(韓国)は、調子さえ万全ならば、日本男子にとって手強いライバルとなる。2年前の四大陸を鮮やかに制し、昨世界選では自身初の銀メダルにも輝いた。ただ今季グランプリシリーズは右足首の故障の影響で、思うような活躍が見せられずにきた。年明けの国内選では、構成難度をあえて下げることで、8連覇を達成した。韓国からは今季ジュニアGPファイナル4位のイム・ジュホンと、チャ・ユンヒュンも四大陸デビューだ。

地元中国ファンの声援を受け、ボーヤン・ジンは、必ずや好演技を見せてくれるはずだ。特に今季は勢力的に転戦を続け、12月のゴールデンスピンでは3年ぶりに国際大会優勝を手にした。同大会2位のミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)も、自慢の大きな4回転で、メダル争いを面白くしてくれるかもしれない。

全米選手権を終えたその足で、樋渡知樹、アンドリュー・トルガシェフ、そしてマキシム・ナウモフはアメリカから飛んでくる。カナダからは念願のナショナルを制したウェスリー・チュウを筆頭に、コンラッド・オルゼルとロマン・サドフスキーがエントリー。またドノバン・カリリョ(メキシコ)も、4年ぶりの参戦を果たす!

■女子

きっと心からの笑顔で、三原舞依はリンクに降臨する。シーズン前半戦は右足首の痛みで、決して思うような成果は出せなかったはずだ。それでも諦めずに、丁寧に、精一杯、演技を続けてきた。見るものの心をぎゅっとつかみ、我々の胸にいつまでも消えない温かな想いを残した。

過去4度の四大陸出場で、三原はすべてメダルを持ち帰ってきた。この2024年大会には、女子シングルとしては大会最多タイとなる、3つ目の金メダルをかける。

1年前、千葉百音はSP7位からの逆転表彰台を成功させ、4CC初出場3位に飛び込んだ。持ち前のしなやかなスケーティングで、2度目の今回は、さらに上段へと駆け上がりたい。

今季前半の初シニアGP転戦は、千葉にとっては試練の連続でもあった。それでも、「背水の陣」で臨んだ全日本の大一番で、2位銀メダルを獲得。もう一度出たい、と願ってきた四大陸への切符を見事に手に入れた。しかも約1ヶ月半後には、初めての世界選手権も控えている!

渡辺倫果もまた、2年連続の四大陸で、好成績を誓う。武器の3回転アクセルは、昨大会FSで着氷して以来、1度も成功させられずにいる。ただ、あえて3A抜きの構成で臨んだ今季のGP中国杯では、他エレメントをほぼクリーンにこなし、高得点での銀メダル。全体を通しバランスよく得点が出せるようになった渡辺が、全日本から改めて飛び始めた3Aをしっかり決めることさえできれば……成績は自ずとついてくる。

韓国のイ・ヘインは、言うまでもなく、金メダル大本命に名を挙げられる。ディフェンディングチャンピオンにして、昨世界選手権では10年ぶりに韓国女子にメダルをもたらした18歳は、たしかに今季ここまで成績は振るわなかった。ちなみに過去2シーズンはやはり前半戦は低調で、後半戦で好演技を連発するという……スロースターター型。今大会には、すべての歯車をぴたりあわせて、乗り込んでくるはずだ。

一方のキム・チェヨン(韓国)は、初の本格シニアシーズンを迎えた今季、すでにGPカナダ大会で表彰台を楽しんでいる。いまだジュニア転戦中だった昨大会、SP3位で衝撃を呼んだ。続く世界選手権でもFS3位と、堂々と実力を再証明。つまプログラムをしっかり2本揃えることさえできれば、メダル候補の一人。また年末の韓国ランキング大会で3位に食い込んだウィ・セヨン(韓国)が、初めての四大陸にやってくる。

アメリカからは、NHK杯で表彰台の上位2席を独占したアヴァマリー・ジーグラーとリンジー・トルグレンが、それぞれ生まれて初めての4CCに参戦する。ジュニアワールドの経験さえ持たない18歳ジーグラーは、前週の全米選手権を辞退し、上海行きに全力投球。「代替」で出場権を得たNHK杯で、逆転優勝をさらい取ったときのような、爽やかなサプライズを巻き起こしたい。そのナショナルで悲願の初優勝を遂げたアンバー・グレンは、心身のリカバリーを優先し、4CC行きを取りやめた。代わりにいまだジュニアとシニアを掛け持ち中のエリス・リーングレーシーが、初の大舞台に挑む。

ケイトリン・オズモンドが2018年世界選手権金メダルを手に引退して以来、フィギュアスケート大国カナダは、女子のISU選手権メダリストを輩出できずにいる。約1ヶ月半後に母国開催の世界選手権を控え、マデリン・シーザス、ジュスティーヌ・ミクレット、サラモード・デュピュイは明るい話題を提供できるか。また地元中国からは、ホンイー・チェンとイー・ジューがそれぞれ4年ぶりの、ジャーイン・チェンが初めての四大陸参戦。現時点でワールド出場ミニマムを有している中国女子選手が不在のため、まずは技術点を確実に伸ばしたい。

■ペア

りくりゅう、おかえりなさい!昨季グランプリファイナル、四大陸選手権、世界選手権の同一シーズン優勝=「グランドスラム」を達成し、文字通り世界の頂点へと上り詰めた2人が、再びリンクに帰ってくる。

9月半ばのオータム・クラシックで今シーズン初戦を終えて以来、三浦璃来&木原龍一組にとっては、約4ヶ月半ぶりの試合となる。8月頃から木原は腰に違和感を抱いていたという。初戦後に腰椎分離症との診断が下った。さらなる高みを目指す2人は……焦らず、慌てず、じっくり治癒に専念するほうを優先した。すべては2年後の冬季五輪へ、金メダルを獲りに行くために。

今回、公式戦への復帰を決めたということは、木原の体調も、ペアとしての調整も、きっと「万全」という意味だと信じたい。三浦&木原組だからこそ、好成績を期待しつつ……まずは今季の「新」プログラムを、心から堪能できる日が来たことを喜びたい。

三浦&木原組の不在、さらにはクニエリム&フレイジャー組(アメリカ)が競技生活から遠ざかった影響で、今季前半戦のペア戦線は、まさに群雄割拠の様相を呈した。その中でも大いに存在感を示したのが、ディアナ・ステラート&マキシム・デシャンとリア・ペレイラ&トレント・ミショーのカナダ2組。

昨4CC銅メダル、世界選4位の前組は、今季はGP2大会金メダルを手に、キャリア初のGPファイナル表彰台乗りを達成した。後組はチームアップわずか2シーズン目ながら、ペアにとっての初GP大会で銀、翌大会で金と、すさまじい快進撃ぶり。もう1組のケリーアン・ローラン&ルカス・エティエと共に、そして40歳にしてますます輝くステラートを筆頭に……カナダ勢は母国開催の世界選に向け大きく弾みをつけたい!

エリー・カム&ダニエル・オシェイ(アメリカ)は、取り立てほやほや全米チャンピオンのタイトルを引っさげて大会入り。同じく3位と初表彰台を射止めたヴァレンティナ・プラザス&マクシミリアーノ・フェルナンデス組、4位チェルシー・リュウ&バラーズ・ナジ組も、全米の勢いのままに好演技を披露してほしい。

またジュニアGPファイナル金、世界ジュニア2年連続銀の好成績を引っさげて、今季から本格シニア転戦に乗り出したアナスタシア・ゴルベワ&ヘクトール・ジオトポウロスムーア(オーストラリア)は、上海ではどんなセンセーションを巻き起こすか。

もちろん世界屈指の「ペア大国」で開催される今大会だからこそ、北京五輪金メダリストの「スイハン」が解散を発表し、新たなスター育成を急ぐ中国の動向からも目が離せない。

実は長らく中国2番手と見られていた「ペンジン」も、やはりペアを解消している。その女性側のペン・チェンが、今季からレイ・ワンと新たに活動を開始。さすが競技歴の長い2人は、早くも今季GP中国杯3位で好スタートを切っている。同じく結成1年目のワン・ユーチェン&レイ・ズー、結成2年目のジャン・スーヤン&ヤン・ヨンチャオも、母国で大きなテストに挑む。

■アイスダンス

体調不良にも関わらず全米で5度目の優勝を飾ったチョック&ベイツは、出場を辞退した。2人の完璧な演技は、世界選手権を待つとして……すると四大陸では、カナダのパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組が、圧倒的な優勝大本命にふさわしい!

昨世界選で2度目の銅メダルを手にした2人が、もしも今大会で優勝すれば、結成13年目にして初のISU国際チャンピオンシップ制覇となる。昨季はギレスの卵巣癌治療という、大きな難関を乗り越えたパイポーに、金色の栄光がもたらされるか。

1年前の4CCで銅メダルを獲得し、嬉し涙を流したラジョワ&ラガ組(カナダ)は、残念ながら今回は出場取りやめ。シーズン前半戦を好調に突き進んできたが、女性側の脳震盪で国内選手権も棄権している。代わりにマリージャド・ロリオー&ロマン・ルガック組が、3年連続で四大陸出場予定。また男性側の醜聞で揺れるローランス・フルニエボドリー&ニコライ・ソレンセン組は、実力通りの演技さえすれば、昨大会に続くメダル獲得もあり得る。

アメリカのクリスティーナ・カレイラ&アンソニー・ポノマレンコ組は、直前の全米選手権で階段を1つ上がり、ついにアメリカ2番手につけた。しかもFDではチョクベイ組を抑え首位の得点さえ叩き出した!四大陸でも一昨年の3位から、もうひとつステップを上がりたい。

逆に今シーズン少々伸び悩み気味のキャロライン・グリーン&マイケル・パーソンズ組は、2年前に、2人で初めて大きなタイトルを手にした思い出の大会で、再び成長を軌道に乗せねばならない。またチョクベイに代わって、エミリア・ジガス&ヴァディム・コレスニク組がカップルにとって初めてのISU選手権大会に参戦する。パーソンズ同様、男性側は元ワールドジュニアチャンピオン。長く輝かしいキャリアの、最初の一歩になるかもしれない。

昨ジュニアワールド銀メダリストのハナ・イム&クァン・イェ組(韓国)は、もちろん大・大・注目。またブラジルから、大会史上初めて、カップル競技にエントリーがあった。

優勝争い以上に、日本のアイスダンスファンにとって気になるのは……やはり2018年以来初めて日本が3組をフルに大会に送り込んだこと。そして、この四大陸の成績で、世界選手権の出場1組が決まること!

昨年末5度目の全日本優勝を果たし、すでに五輪出場経験もある小松原美里&小松原尊組、夫婦としての深い関係性と、ベテランとしての豊富な経験を、確実に演技に反映させたい。昨大会は自己最高を更新し、7位に入った。

「ココ」組に立ち向かうのは、若く勢いある2組。吉田唄菜&森田真沙也組も、田中梓沙&西山真瑚組も、今季からカップルとして活動へと乗り出したばかり。海外1戦目となるゴールデンスピンで、2組ともあっさり世界選ミニマムを取得しただけでなく、吉田&森田組は堂々5位に食い込んだ。「うたまさ」組も「あずしん」組も、間違いなく、1戦ごとに伸びていく。

文:J SPORTS編集部

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