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フィギュア スケート コラム 2023年10月10日

プロジェクトを立ち上げた理念について | 町田樹のスポーツアカデミア 【Archive:フィギュアスケート・ザ・マスターピース】 エチュードプロジェクト徹底解説

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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町田樹町田樹のスポーツアカデミア

町田樹のスポーツアカデミア

皆さん、スポーツアカデミアへようこそ。シーズン4の第2回目となる今回は【Archive:フィギュアスケート・ザ・マスターピース】をお送りいたします。この番組は、競技成績だけでは語りきることのできないプログラムの美質や魅力について徹底解剖していくもので、これまでデニス・テンさんやアダム・リッポンさんのプログラムの美質について考察してきました。

今回はどのようなプログラムを取り上げるのかというと、私自身の作品を取り上げたいと思います。フィギュアスケート・ザ・マスターピース、つまり傑作演技と銘打たれた本番組において、自分の作品を取り上げるのは少々気が引けますが、ぜひ皆さんにご紹介したいことがたくさんありますので、早速番組をスタートさせていきたいと思いますので、お楽しみください。

実は、私は、今年の7月にエチュードプロジェクトという新しい試みを始めました。このエチュードプロジェクトとはこちらに示しておりますように、誰もがいつでもどこでも無許諾で滑ることができるユニバーサルアクセスなフィギュアスケート作品を提供するものとなっています。通常、フィギュアスケートのプログラムは、スケーター個々人がオーダーメード形式で創作するものですので、一つのプログラムをみんなで共有するということはありませんでした。

このような従来の慣習にとらわれず、誰でも滑ることができる共有財としての作品を創作するというのがエチュードプロジェクトの趣旨となります。そして、このプロジェクトの第1弾として、私たち制作陣は「チャーリーに捧ぐ」という作品を創作し、既にYouTube上にて公開しております。今回の番組では、エチュードプロジェクトの仕組みや理念を徹底解説した上で、この「チャーリーに捧ぐ」というプログラムの醍醐味を語っていこうと思います。

エチュードプロジェクトとは

エチュードプロジェクトとは

事業を立ち上げた理念について

芸術の分野においては、ほぼ必ずといってアーティストを育成するための習作というものがあります。例えば、すぐに思い浮かぶものとしては、音楽界におけるバイエルやチェルニーという作品群。バイエルやチェルニーというものは、小さな小さな作品の寄せ集めなんですけれども、一つひとつの作品にピアニスト、演奏家を育成するための目的が込められているわけです。例えば、左手の動きをトレーニングするための作品だったり、指を滑らかに動かすための作品だったり、そういうようにピアニストのトレーニングとして使われる作品がバイエルやチェルニーと言われているものです。

無料動画

エチュードプロジェクトの理念

あるいはエチュードという作品もあります。このエチュードというのは、日本語に訳すと「練習曲」となりますが、その作品を弾くことである一定のピアニストとして必要な能力を養うことができるというわけです。あるいは演劇界においても、役者の練習に用いられる即興劇というものがあります。この即興劇も音楽と同じくエチュードと名付けられているわけです。非常にシンプルな役柄とシチュエーションだけを設定して、役者に即興的に演技をさせるわけです。そうすることによって、俳優として必要な演劇能力を養うことができる。

あるいはフィギュアスケートと似た舞踊界やダンス界においても、誰もが踊れて技術を磨けるような動きのバリエーションだったり、ムーブメントの固まりというものがありますし、バレエ界にも秀作に当たるような「アンシェヌマン(=一定のバレエの動きの固まりで作品となっているもの)」などがございます。こうして芸術の分野では、作品が人を育て、そして人がその秀作を継承していくという循環ができており、この1連のシステムによってその芸術分野の発展や振興というものが促されています。

翻ってフィギュアスケートはスポーツでもありますが、今や立派なアートフォームです。オフシーズンには毎週どこかで必ずアイスショーが行われていますよね。つまり、世界各国で、競技会だけじゃなくて、アート&エンターテインメントとしてのフィギュアスケートイベントも数多く開催されているわけです。ということは、フィギュアスケートの分野においても競技者の育成だけではなく、やはりアーティストとしてのスケーターの育成も必要になってくるわけです。

しかしながら、フィギュアスケート界にはアーティストを育成するための習作という考え方がありませんでした。そこで、他の芸術分野と同様にフィギュアスケート界にも、こうした習作とそれを普及させる制度や仕組みを作り、アーティストとしてのスケーター育成を支援するというのがこのエチュードプロジェクトの理念になります。

次回:フィギュアスケートのプログラムを共有化するための2つのポイント

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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