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フィギュア スケート コラム 2022年4月22日

ペア優勝のサフィナ&ベルラワ組「祖国ジョージアにとっても素晴らしい成果」。アイスダンスでは來田奈央&森田真沙也組が堂々の演技 | ISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権2022 ペア・アイスダンス レビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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アイスダンス來田奈央&森田真沙也組

アイスダンスの來田奈央&森田真沙也組

ペア

すでにシニア大会で存在感を放っていたカリーナ・サフィナ&ルカ・ベルラワ組(ジョージア)が、その高い才能を証明するかのように、世界ジュニア選手権で優勝を果たした。デビューわずか1年目で手に入れた、大きな成果だった。

「試合が多く長くて忙しかったシーズンを、金メダルで終えられて本当に最高です。祖国ジョージアにとっても素晴らしい成果です」

ペアとしてのお披露目は、9月初頭のジュニアグランプリ・スロバキア大会で済ませたばかり。ただし2人は、そこからの7ヶ月半で、ジュニア2大会、世界選と五輪を含むシニア5大会+五輪団体戦ショートプログラム(SP)を戦い抜いた。つまり今季9度目にして最後のSP「Moonlight」で、サフィナ&ベルラワ組は自己ベスト67.77点を記録した。圧倒的な強さで、SPを首位で折り返した。

ところでジュニアグランプリは銀と銅、シニア初大会ネーベルホルン・トロフィーは3位(+母国に五輪ペア出場1枠をもたらす)、さらには欧州選手権4位、冬季五輪9位、シニア世界選4位……と驚異的な成績を重ねてきたサフィナ&ベルラワ組だが、実はここまで優勝はない。ネーベルホルン杯ではSP首位に立ちながらも、3位に滑り落ちてしまった苦い思い出もあった。

しかし経験を重ね、カップルとしても人間としても飛躍した2人は、フリースケーティング(FS)「In This Shirt」で成熟したパフォーマンスを見せた。ソロスピンで女性側に小さなステップアウトがあった以外は、全てのエレメンツをクリーンにこなした。高いツイストに、幅のあるスロー。独創的なコレオシークエンスやリフトは出来栄え点(GOE)で評価されたし、細部まで丁寧に作り込まれたプログラムは、高い完成度を誇った。

五輪で出した自己ベストには約6点届かなかった。ただジュニアはFSのは演技時間が30秒短く、エレメンツ数が1つ少なく、サフィナ&ベルラワ組も基礎点7点分のリフトを1つ減らしたことを考えると……間違いなく今シーズン最高レベルの演技だった。フリー120.35点、総合188.12点で2位以下に18点以上の差をつけ、カップルとしての初優勝を飾った。

「これほどのハイスコアでシーズンを締めくくれたことが、とてつもなく嬉しいです」

2人にとっての初めての世界タイトルは、所属国にとっても、史上初めてのISU国際選手権タイトル。これまで欧州選手権で銅3つ、世界ジュニアで銀1つを獲得してきたジョージアから、念願の金メダリストが誕生した。

アナスタシア・ゴリュベワ&ヘクトール・ギオトポウロスムーア組(オーストラリア)は、SP、FSともに、スピードとキレのあるパフォーマンスを実現させた。やはり国際デビューシーズンとは思えないほど、2人のユニゾンも、音楽とのタイミングも、気持ちが良いほどピタリとはまった。SPとトータルで自己ベストを塗り替え、銀メダルを持ち帰った。

「僕らにとって大きな意味を持ちます。とてつもなく大きなことを達成しました。この先もハードに練習を続けていきます」

南半球のオーストラリアにとっては、世界ジュニアで手にした史上3つ目のメダル。そのいずれもがペアによるもので、今回は5年ぶり(昨季中止のため4大会ぶり)の快挙だった。

すでに他のパートナーと世界ジュニア経験を持つブルック・マッキントッシュと、今大会7位の女性と2年前まで組んでいたバンジャマン・ミマール(カナダ)は、結成2年目・国際転戦1年目で、世界ジュニアの表彰台へと駆け上がった。

ちなみに出場10チームの中で唯一、ジュニアグランプリ参戦歴を持たない。それどころかカップルとして初めて国際大会に出場たのは、1月のカナダ選手権でジュニアチャンピオンになった直後。そのバヴァリアンオープンジュニアでは初優勝と……世界ジュニア出場用ミニマムを獲得している。

つまり世界ランキング的には最下位で、自ずと1番滑走だったSPは、ノーミスでまとめながらも順位は4位に留まった。一方のFSはジャンプでの転倒もありながら、総合で3位逆転。個々の確実な技術力と、滑らかなステップやスケーティングが高得点につながった。

SP3位のアナスタシア・スミルノワ&ダニロ・シーアニツィア組(アメリカ)は、FSでは転倒3回、最終盤のリフトがノーバリューと、大きなミスが相次いた。総合では4位と、SPからひとつ順位を下げた。

アイスダンス

近年8大会で5組目のアイスダンス世界ジュニアチャンピオンを輩出し、21世紀に入ってから14組を表彰台に送り込んできたアメリカが、層の厚さを改めて見せつけた。中でも圧巻のパフォーマンスを2本揃えたウーナ・ブラウン&ゲイジ・ブラウン組が、極めてハイレベルだった戦いを制した。

「超がつくほど嬉しい。それが今の気分を正確に表す言葉です」

ヒップホップが大好きという2人は、リズムダンス(RD)「How Ya Like Me Now」を、凄まじいステップワークでキレッキレに踊りまくった。フリーダンス(FD)「Exogenesis」では、柔らかに、どこまでも気持ちよく伸びていくスケーティングで魅せた。全身はバネのように伸び縮みし、スピードを自由自在に操る。7年前からパートナーを組んでいる兄妹の距離感は恐ろしいほどに近く、小柄な2人の身体は、リンクをところせましと駆け回る。

「今シーズンたくさんのことがありました。モチベーションは大きく上下しました。それでもトレーニングを続けました。精神的には少しきつかったのですが、身体的には問題ありませんでした」

ジュニアグランプリファイナルの中止。4位、3位、2位と順位を上げ、今年こそ1位を狙っていた全米ジュニアをコロナ陽性で棄権。出場予定だったバヴァリアンオープンの欠場。世界ジュニアの日程延期……。ブラウン組にとって決して順調なシーズンではなかった。ただTV観戦した北京五輪で、シニアトップカップルの演技に刺激を受け、モチベーションを保ち続けたという。

そんな2人はRD、FDともに、ステップシークエンスとツイズルで極めて高いGOE加点を稼ぎ出した。演技構成点では参加カップルの中で唯一、複数の8点台で評価された。今季3戦目にして6ヶ月ぶりの実戦で、2本のプログラムでも総合でもパーソナルベストを大きく更新。トータル170.25点で全ジュニアの頂点に立った。

また同じアメリカ代表で、昨季の全米ジュニアチャンピオン、今季はシニア6位のカタリーナ・ウルフコスチン&ジェフリー・チェン組は、惜しくも4位に終わった。RD冒頭のツイズルで女性が転倒し、9位と出遅れたことが最終順位に響いた。しかしFDでは芸術性の高いプログラムで、成熟したスケートを披露。FDだけの順位では2位に入り、高いポテンシャルを証明した。

カナダからは若き2組の才能が、それぞれに異なる魅力を発揮し、揃ってメダルを持ち帰った。ナタリー・ダレッサンドロ&ブルース・ワデル組はダイナミックさと華やかさでは群を抜き、ナディア・バシンスカ&ピーター・ボーモン組は繊細に優雅に演じ切った。

世界ジュニアでカナダがアイスダンス2組を表彰台に送り込むのは、史上初めて。また来シーズンの地元カルガリー大会へ向けてなにより朗報なのは、6大会ぶりに出場3枠を取り戻したこと!

また日本の來田奈央&森田真沙也組は、大舞台で、堂々とした演技を見せた。スピードに乗ったシンクロナイズドツイズルや、2人の強い連携が感じられたスピンやリフトは、すべてレベル4の評価。この先のさらなる進化が楽しみな2人が、12位で、初めての世界ジュニアを戦い終えた。

文:J SPORTS編集部

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