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フィギュア スケート コラム 2022年1月18日

若き才能の台頭か、それとも実力者たちの逆襲か。4大陸の頂点を目指す戦いが幕を開ける | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2022 プレビュー

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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四大陸選手権 男子シングル

日本人選手の活躍から目が離せない

4年に1度の特別なシーズンは、四大陸選手権もまた、特別な意味を帯びる。多くの五輪代表が回避するからこそ、新たな選手たちに大舞台挑戦のチャンスが与えられ、この先に待ち受けているであろう輝かしいキャリアの第一歩となる。若い才能の急成長はもちろん、実力者たちの逆襲も見逃せない。

しかも2022年大会は、別の意味でもスペシャルだ。本来であれば中国・天津が開催予定だったが、新型コロナウイルス禍により開催を辞退した。その結果、なんとヨーロッパで、「ヨーロッパ以外の大陸の選手権」が行われることになった。

北欧エストニアのタリンで、華麗なるヨーロッパ選手権が閉幕してからわずか数日後。同じアリーナで、アジア、アメリカ、オセアニア、アフリカという4つの大陸の頂点を目指す戦いが、繰り広げられる。

男子シングル

進化が止まらない日本男子3人は、国際舞台でどんな評価を勝ち取るだろうか。

三浦佳生にとっては、いわば「デビュー」となる。ジュニア・シニア通して生まれて初めてのISU国際選手権であり、コロナ禍に阻まれ、そもそも海外大会への出場さえ2年ぶり。

4年後の五輪出場を目指す16歳は、すでに3種類の4回転を飛びこなす。4位に食い込んだシニア全日本では、SPで4回転2種類、FSで4回転4本という難構成を試みた。あらゆる経験を吸収し、急成長を続ける三浦は、おそらく12月末の全日本以上よりも、さらに進化した姿を披露してくれるはずだ。

点数や順位は考えず、自分らしく滑り切れば必ず結果はついてくる。どんな試合の前でもこう宣言し、丁寧に力を尽くしてきたのは19歳の三宅星南。滑らかなスケーティングと、端正な表現力で、全日本では6位入賞を果たした。生まれて初めての四大陸でも、自分らしく、を心がける。

友野一希は、ISU国際選手権で自身初の表彰台に上る最高のチャンスを、射止められるか。機は、間違いなく、熟した。

代理で急遽出場した2018年世界選手権では、FS3位でスモールメダルを手にしたことがある。今季グランプリ大会・ロシア杯ではSP1位で折り返し、トータル3位にも食い込んだ。4回転は2種類を飛びこなす。なにより23歳の、今季FS「ラ・ラ・ランド」のステップシークエンスはとびきりの一級品。観客の手拍子に乗って、最高の結果を導き出せるはずだ。

日本勢のライバルに上げられるのは、やはりアメリカの3人だろう。カムデン・プルキネンは、いつもの情熱的な演技と、いつも以上に安定した4回転ジャンプを上手く融合させ、全米5位に滑り込んだばかり。グランプリ大会で初のひと桁台(アメリカ杯5位)、ISUシニア国際大会で初の初の表彰台(ゴールデン・スピン3位)と、今季絶好調のジミー・マは26歳で嬉しい四大陸初出場。全米は残念ながらコロナ陽性で欠場を余儀なくされた樋渡知樹だが、3年前の世界ジュニア王者は、本調子ならばやはり優勝候補のひとりに挙げられる。

カナダは国内選手権3位から5位までが出場予定。中でも今季ジュニアグランプリ大会で優勝1回・3位1回の16歳ウェスリー・キュウは、同い年の三浦にとって、現在地を知るための良い指針となるかもしれない。

韓国は大胆にも五輪メンバーを送り込む。特に国内選手権6連覇チャ・ジュンファンは、同大会で2位以内で五輪の最終滑走グループ入りが確定するだけに、モチベーションは極めて高い。

女子シングル

三原舞依選手らの活躍に注目

三原舞依選手らの活躍に注目

日本女子3人の前に立ちはだかるのは、韓国五輪代表のユ・ヨンとキム・イェリムか。それとも元世界選手権3位・四大陸2位の経験を持つベテランのガブリエル・デールマンか。

全日本選手権4位の三原舞依は、四大陸との相性が極めて良い。シニア転向1年目に初めての出場を果たすと、いきなり優勝をさらい取った。しかも過去3度の出場では、すべて表彰台に上がってきた。

残念ながら五輪出場こそ逃したものの、今季も三原の高い安定感は健在だ。今季のグランプリ大会2戦では、いずれも4位に食い込んだ。四大陸で4位以内に入れば、一時的ながら、シーズンランキング世界3位の座にさえジャンプアップできる位置につけている。もちろん滑らかなで丁寧な滑りと、可憐な表現力、なにより氷の上にきらきらした世界を作り上げる魔法……そんな三原の魅力は、得点や順位だけでは決して評価できるものではない。

17歳の松生理乃は、やはり本格シニアデビュー1年目で、初めての四大陸出場を果たす。難度の高い連続ジャンプを、プログラム後半に入れる技術と体力はすでに習得済み。次の目標は成功率が上がりつつある3回転アクセルを、本番で初めて綺麗に決めること。もしも四大陸で大技を成功すれば、一気に表彰台も見えてくる!

宮原知子が体調不良による欠場を発表したため、横井ゆは菜が急遽エストニアへと飛ぶ。男子の友野が世界ジュニア、世界選、四大陸と補欠繰り上がりによる3度の大会で、着実に自らの居場所を築いて行ったように、思いがけず訪れた初出場のチャンスをものにしてほしい。

ペア

ペア

ペア

「四大陸」ではなく、言ってみれば「北米大陸」チャンピオンシップ。ペア大国の中国は不在で、唯一アメリカとカナダだけが出場枠を利用する。

おかげで今季国際大会で1勝し、勢いに乗るアメリカのオードリー・ルゥ&ミーシャ・ミトロファノフ組は、念願の国際選手権デビューで初表彰台乗りが期待される。

イヴリン・ウォルシュ&トレント・ミショー組にとって、欲しいのは1番の地位。前回五輪終了後から、着実にカナダ2番手としての地位を築き上げてきた。1月の国内選手権でも2位に食い込んだ。それにも関わらず、北京五輪行きの2枠から弾かれた。悔しさを拭い去るためにも、実力を改めて証明するためにも、タリンでは金メダルを取らなければならない。

アイスダンス

表彰台を目指す「かなだい」組

表彰台を目指す「かなだい」組

アイスダンス強豪国のライバルたちを倒すのは、もちろん、決して生易しいことではない。なにしろアメリカは、「次世代エース」たちを、揃ってタリンに送り込んでくる。

元Jr世界王者マイケル・パーソンズと、若きキャロライン・グリーンの2人は、大会を重ねるごとに目に見える進化を遂げている。ユニゾンは磨かれ、プログラムの洗練度が上がり、先の全米では表彰台を脅かすハイパフォーマンスを披露したばかり。

結成1年目で全米5位に飛び込んだエミリー・ブラッティ&イアン・サマーヴィルは、初々しくはつらつした勢いで、四大陸でも一気に上位へ駆け上がりそうだし、Jr時代には世界2位に上り詰めたクリスティナ・カレイラ&アントニー・ポノマレンコ組は、念願のシニア選手権を飛躍のきっかけにしようと意気込んでいるはずだ。

カナダはある意味でフレッシュな3組が揃った。すでに欧州選3回、世界選3回、五輪1回出場と豊富な経験を誇るマリージャード・ローリオ&ロマン・ルギャック組は、フランスからカナダに国籍を変えて1年目。当然、四大陸は初体験となる。

ヘイリー・セールス&ニコラス・ワムスティーカーは、今季から元五輪2冠スコット・モイヤーに師事を開始。また村元が銅メダルを取った四大陸で、銀メダルに輝いたキャロラーヌ・ソシース&シェーン・フィルス組は、コーチ変更と同時に世界的パンデミックに襲われた。本拠地を移動できたのは6ヶ月後で、つまり新体制で本格的にプログラム作成から取り掛かれたのは、やはり今季が初めて。つまり昨季までの評価はすでに「過去」のものであり、今季前半戦の評価もいまだ「試運転」に過ぎないのかもしれない。

それでも、村元哉中と高橋大輔(※高橋の「高」はハシゴ高)には、世界中から特別な視線が集まる。期待も否応なしに高まる。

なにしろ歴史を作ってきた2人だ。かつて日本人アイスダンスカップルとして、史上初の四大陸表彰台乗りを果たした村元と、日本人男子として、史上初の五輪メダル獲得と世界選手権優勝を成し遂げた高橋。結成わずか2年目ながら、昨秋のワルシャワ杯では国際大会初の表彰台に乗り、190.16点という高得点さえ叩き出した。今季における各組ベストスコアを単純に比較すると(欧州選手権前まで)、今回の四大陸出場チームの中では、文句なしの最高位だ。

目標は表彰台。「かなだい」組は高らかに宣言する。手と手を取り合い、2人で挑む初めてのISU国際選手権大会へと、いざ滑り出す。

文:J SPORTS編集部

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