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フィギュア スケート コラム 2020年9月24日

田村岳斗コーチ特別インタビュー 世界で勝つ選手を育てるための新たなチャレンジ ~木下アカデミーとは~

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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田村岳斗(木下スケ−トアカデミー ヘッドコーチ)

日本で初めてともいえるフィギュアスケート選手育成のためのアカデミーが、木下スケートアカデミーだ。将来のメダリスト候補育成のためにできた木下スケートアカデミーはどんなところなのか? そして、就任したヘッドコーチの役割についてうかがった。

世界で勝つ選手を育てるための新たなチャレンジ

J SPORTS:スタートした木下スケートアカデミーとはどんなところが教えてください。

田村:昨年12月に、京都府宇治市に木下アカデミー京都アイスアリーナがオープンしました。木下スケートアカデミーは、そこで選手を育成するためのもので、今年の4月からスタートしました。世界で勝てる選手を育てていくためのものです。長期的な計画なので、今は、ノービス・ジュニア世代の選手が多いです。

J SPORTS:アカデミーのヘッドコーチになるきっかけはどのようなものでしたか?

田村:2005年から濱田先生の下でコーチ修行をしていますが、その時から「自分たちの選手が世界の舞台で戦えるようにしたい」と思っていました。木下代表は、フィギュアスケートはもちろんですが、卓球や水泳、スノーボード、サーフィン、スケートボード、馬術など、たくさんの競技やアスリートを支援してきている方です。メダルを見たいという同じ思いを持っておられました。僕と濱田先生は、フィギュアスケートという枠の中で戦ってきましたが、現状ではオリンピックのメダルを獲るところまではいけていません。そんな状況の中で、長期的な視点で選手たちを育成できる環境を与えていただきました。今までやれなかったことも含めて、いろいろな考えや思いを形にしていける。こんな大きな計画のなかで、声を掛けていただきました。とても光栄で名誉なことです。プレッシャーはもちろん、今までよりも大きくなりますが、やりがいの方が大きかった。

 

J SPORTS:具体的に、アカデミーのヘッドコーチと今までのコーチとの役割の違いはどんな点になりますか?

田村:選手にとっても、コーチにとっても、最終的な目標はオリンピックや世界選手権でメダルを獲るということになります。今後行われる大会の中で、選手たちが最高の順位を目指していくということに関しては今までと変わりません。長期的とは言っても、僕は目先の勝利にもこだわりたい。それがその先につながっていくと思っています。役割というか、意識は自分なりに変わったかな。スケールの大きな計画なので、チームスタッフが増えました。村元(小月)、佐藤(洸彬)といった僕より若いスタッフが増えました。2人はすでに大活躍しています。その二人を、腕組みしながらエラソーに見ているのが、僕の役割です(笑)。

J SPORTS:アカデミーのヘッドコーチになったことで、指導方法の変化はありましたか?

田村:アカデミーはまだ始まったばかりで、新型コロナウイルスの影響もあって、やりたいと思ったことがすべてできているわけではありませんが、最初のアカデミー生に対して言っているのは、「アマチュア競技だけれど、プロ意識を持って取り組もう」ということです。今までは保護者の支援の部分が大きかったと思いますが、アカデミー生は他の選手よりもいい環境の中で練習に取り組むことができます。いろいろな場面でプロ意識を持ってもらうことを言っています。責任も増すことになりますから、僕も含めて今までとはまた違った意識が必要になります。

J SPORTS:リンク以外での指導のサポートも行なっていくとお伺いしています。

田村:リンク内には鏡のついた室内トレーニング場もあるので、バレエやトレーニングの先生のスケジュールを抑えたり、氷上以外の面も含めたスケジュール調整が増えました(笑)。アカデミーの中でも年代やレベルに合わせたメニューやスケジュールを考えなければいけません。これで試合が始まったら、また状況は変わってくるかもしれませんが…。

 

J SPORTS:ステファン・ランビエールさん、ジスラン・ブリアンさんが特別コーチとして名前がありますが?

田村:先程やりたかったことができていない点で言うと、ステファン先生、ジスラン先生ともまだ来日することができず、指導をお願いできていない点もありますね。ステファン先生は、スピン、スケーティング技術や表現力など総合的な面で優れたスケーターです。また、世界のトップで戦ってきた実績と経験もありますから、選手たちにとっても心強いでしょう。ジスラン先生は、羽生選手のジャンプ指導を行ない、オリンピック、世界選手権やGPファイナルなど大舞台での経験も多いので、選手の力になってくれるでしょう。両先生とも選手と気楽にコミュニケーションが図れるキャラクターで、リンクの雰囲気が明るくなるのもいいですね。

(※インタビュー時は、詳細な大会スケジュールが決定前のものです)

木下アカデミー 京都アリーナ

木下アカデミー 京都アリーナ

2019年 京都府宇治市に完成したアイスアリーナ。2つのリンクがあり、第2リンクはスケートだけでなく、カーリングにも対応。

一般営業やスケート教室(スケジュールについてはHPでご確認ください)も開催。
(※一般営業は、コロナ感染拡大防止のため営業日を限定しています。営業日程については、リンクへのご確認をお願いいたします)

木下アカデミー 京都アリーナ
京都府宇治市宇治折居24.
電話:0774-24-6101
https://kyotouji-ice.jp/

文:J SPORTS 編集部

J SPORTS編集部

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