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1位 河辺愛菜
「去年のこの大会で、ショートが良くてフリーが駄目だったので、今年もそうなっちゃうんじゃないかと不安がありましたが、一応全てのジャンプを降りられたので、世界ジュニアにつながる試合になったと思います」。
この大会の前に出場したユースオリンピックで満足な演技ができなかったことも不安要因となったようだが、それを払拭し、世界ジュニアの前哨戦として素晴らしい試合とすることができた。今回は靴を変更した影響でトリプルアクセルを回避したのだが、それについても手応えを得ることができた。
「靴を替えてからエッジの位置が合わなくて2日間ぐらい練習できなかったんですけど、最近は馴染んできたので、(トリプルアクセルが)世界ジュニアに間に合えばと思います。アクセルがなくても他のところをまとめれば点数が出ることが分かりました。アクセルを失敗しても点数が出るように練習していきたいです」。
今回の試合、後半のサルコウの前に躓くシーンがあった。スケーティングの上手な河辺選手には珍しいミスだ。ただそんな状態でもサルコウをしっかりと決めることができた。
「フライングシットで足がパンパンになって、ふらふらになってこけちゃいました。でもここでサルコウを失敗したらもっと悔しいな、と思ったので、集中してできました」。
苦手意識があったという全国中学校大会で会心の演技を披露し、一つの壁を乗り越えた河辺選手。世界ジュニアでの活躍を期待したい。
2位 田中梓沙
「練習では調子は悪くなかったので、そのまま行けたらこんなことにはなりませんでした」。
練習通りにできなかったことが、悔しさを感じる要因となったようだ。決して悪い演技ではなかったのだが、もっとやれる、との思いが強いのだろう。ただ、そんな中でも前を向いてポジティブに捉えようとしていた。
「ジャンプの軸が不安定でしたが、ステップアウトとかしても、落ち着いてジャンプが跳べたのが良かったです」。
ところで田中選手は、構成上、高難度のジャンプが入っていないことを気にしており、それを打開するためにトリプルアクセルへの挑戦を視野に入れているそうだ。
「トリプルアクセルを跳びたいんですけど、去年は怪我があったので、怪我をしないように練習したいです」。
慎重に取り組んでいる様子で、完成まではまだしばらくかかりそうだ。昨年の全国中学校大会ですい星のごとく活躍するまでは、さほど大会で上位に来る選手ではなかったのだが、今季はジュニアのトップ選手入りを果たし、ジュニアグランプリにも派遣された。持ち前の美しい滑り、表現力に大技が加わる日を楽しみに待ちたい。
3位 横井きな結
「最終滑走という大役で、緊張したんですけど、いい経験になりました。自分がここまで行けるとは信じられなかったし、結果が出せずに自信を失っていたんですけど、ショートで良い演技ができて、自分はできるんだな、という自信を取り戻せたし、素晴らしい結果をいただけて嬉しいです」。
目を潤ませながら取材に答えてくれた。今季、トリプルアクセルという武器をほぼ手中に収めるまでに至りながら、演技全体をまとめられずに苦戦することが多かった。最後の出場となる全国中学校大会で、ようやく表彰台という結果を出せたのだ。
「中学校3年間、色んなことがあったんですけど、ここに来ていい結果が出せて嬉しいです。もうすぐ高校生になるんですが、今の演技ではまだ子供っぽいと思うので、大人っぽい演技ができるようになりたいです。来季はジュニアグランプリ、全日本選手権に出られるように、一つ一つの試合を大事にしたいです」。
トリプルアクセルには今後も挑み続けるという。武器となるジャンプを更に磨いて、来季の活躍につなげてほしいものだ。
4位 吉田陽菜
「ジャンプではたくさんミスが出て悔しいんですけど、思ったよりも点数が出ました。120点を出せるように頑張りたいです。表彰台を目指していたので悔しいんですけど、来年頑張りたいです」。
彼女の代名詞となりつつあるトリプルアクセル。今季は果敢に挑み続けたが、試合での成功率は5割に少し届かなかった。まだ安定しているとは言えない。
「トリプルアクセルはタイミングが合わないと跳べない、難しいジャンプだと感じていますけど、早く他のジャンプと同じように、簡単と思えるジャンプにしたいです」。
来季の課題として、トリプルアクセルの確率を上げること、スケーティングで点数が出るようにすること、さらには4回転ジャンプの習得も挙げた。
「4回転はまだ全然試合に入れられるどころじゃなくて、トウループを練習しているんですけど、降りられる感じはまだないです。少しずつ成功に近づけるようにしたいです」。
昨年はジュニアグランプリの選考会に呼ばれなかったが、今年は5月の選考会でアピールを目指すこととなる。ジュニアグランプリデビューを果たし、世界を驚かせる演技を是非見せてもらいたい。
中村康一(Image Works)
フィギュアスケートを中心に活躍するスポーツフォトグラファー。日本全国の大会を飛び回り、選手の最高の瞬間を撮影するために、日夜シャッターを押し続ける。Image Works代表。
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