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フィギュア スケート コラム 2020年2月19日

第69回全国高等学校フィギュアスケート競技選手権大会【男子シングル】レビュー

フィギュアスケートレポート by 中村康一(Image Works)
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1位 佐藤駿

今年のインターハイ、一番の注目選手はこの佐藤駿だ。12月のジュニアGPFで優勝。続く全日本選手権でも活躍を見せた。高校1年生、初めてのインターハイとなったのだが、その感想はどうだったのだろうか。

「学校のためにも頑張ろうと思って滑りました。プレッシャーにはなりませんでした。」

演技では冒頭に挑戦した大技、4回転ルッツで転倒したが、その後は見事に立て直した。
「(4回転ルッツの失敗は)回転不足で降りてきて、結構痛いこけ方をしたんですが、それでもその後、立て直しができたので良かったです。いい感じに立て直せたんですけど、ルッツでこけた分失速してしまって、そこは課題が残ったと思います。滑りに関しては満足していません」。

と、理想は高く持っている。この後は世界ジュニア選手権に挑むが、

「日本代表として行くので、ノーミスの演技ができるように頑張って、見劣りしないように全力で臨みたいです。優勝したいなと思ってますし、(鍵山)優真と二人で表彰台に上って、いい形で試合を終えたいと思っています」。

残念ながらこの舞台での鍵山優真との対決は観られなかったが、佐藤駿にとっては常に意識している選手だ。世界ジュニア選手権で活躍をし、そして来年も是非このインターハイの舞台に帰ってきてもらいたいものだ。

2位 本田ルーカス剛史

今季、夏場から故障に悩まされ、決して順調にシーズン入りできたわけではなかった本田ルーカス剛史。それが西日本ジュニア以降、急速に調子を上げ、一躍この世代のトップ選手の仲間入りをした。今回は堂々たる2位入賞だ。

「200点を超えられなかったことが悔しいです。フリップのミスや、他にアンダーがあったかもしれません。この数週間、トリプルアクセルが2本揃った練習ができていませんでした。何かかかった試合でもないので、弱気にならずに思い切っていこうと思っていました。それなりにまとめられたのが良かったと思います」。

と、なかなか自分に厳しいコメントをしてくれた。

「今季はアクセル以外の部分を強化してきたので、それが試合でできていることも嬉しいですし、結果が思っていた以上についてきました。自信になりますし、今後に生かしていきたいです」。

全日本選手権では新人賞をもらった。このことに触れると、
「めっちゃ嬉しいです。」
と笑顔で答えてくれた。トリプルアクセルが安定してきて、次は4回転も視野に入っているそうだ。

「4回転トウループを主に練習していますけど、かなりいいところまで来ていて、コーチからも時間の問題と言われています。今季はどうか分からないんですけど、来季はジュニアグランプリの選考会までには跳んで、他のジャンプも安定するようなシーズンにしたいです」。

3位 長谷川一輝

フリーではトリプルアクセルを回避したものの、ノーミスの演技で3位入賞。

「ショート6位発進で、一つ一つ要素をこなしたうえで、周りのミスもあって3位になりました。周りがトリプルアクセルを成功させていく中で、自分はダブルアクセルで綺麗にまとめて、周りに勝つことができたのは素直に嬉しいです」。

昨季は怪我のために試合に出られず、インターハイで復帰した。今季は復活を期してのシーズンとなった。 「一度、全日本ジュニアの前にトリプルアクセルを成功させることができたので、自分の中では順調に戻すことはできたんじゃないかなと思います。ただここではトリプルアクセルを入れられる状態ではなかったので、それは悔しい気持ちはあります。やはり半回転増えるトリプルアクセルは難しくて、跳べない日の方が多いんです」。

今年が最後のインターハイだ。3年間を振り返ってもらった。

「1年目は驚きというか、急に2位という結果になって、2年目は怪我をしてしまって、ブランクがあった中で一応参加することができて、最後の年には地元、北海道で3位になれたことは、心に残る結果になったかなと思います」。

進学先はこの時点ではまだ決まっていないと語っていた。とても真面目な性格の選手なので、進学後も活躍してくれることだろう。

4位 三宅星南

彼のフリー演技は、最後にジャンプを跳んで終わる構成なのだが、そこでミスをしてしまい、本人も苦笑いの演技となった 。

「練習では決まっていたんですが、失敗してしまって…あー、悔しかったです」。

冒頭のトリプルアクセルの失敗からリズムを崩してしまったように見えた。コンビネーションも、付ける予定のところで付けられず、もったいない演技となった。

「コンビネーションを1本しかつけられなくて、終わってみれば、あそこで付けておけば、というのはあったんですが、後半のルッツでトウループを付けられたのは練習してきたことが出せた点なので、そこは良かったと思います。自分でもよし、と思って、気持ちの切り替えも早くなったかな、と思います」。

今季は高い理想を持ってシーズンに入りながら、思うような結果が出せなかった。

「そうですね。目標に比べたらなかなか結果も残せなかったんですが、そのおかげで練習の仕方を見直したり、気持ちの面でも変化があったので、自分にとって必要なシーズンになったかな、と思います。自分も変化して、新しい自分になれるように頑張ります」。

彼も今年が最後のインターハイだ。

「インターハイは最初の年に優勝できて、去年はあんまりいい結果を残せなくて、今回、どうなるかな?という感じでした。終わってみて悔しい気持ちは大きいんですけど、楽しく滑れたんで良かったと思います」。

来季は4回転を安定させることを目標に掲げ、その種類も増やす予定だという。大学進学後も更なる活躍を期待したい。

5位 吉岡希

冒頭の4回転トウループは見事な出来栄えだった。

「トウループだけ良かったです。その後は体力が足りなくて、しんどかったです」。

しかし3アクセル+3トウループで、ファーストジャンプの着氷があまり良くない中、無理にトウループをつけて転んだところからリズムを崩したように見えた。

「あそこらへんで、頭が回らなくなりました。後半に3ルッツ+3トウをやるのもしんどいし、前半でやっておこう、と思ったんですけど、転んでしまって痛かったです」。

成績についてはどう感じているのだろうか?

「まあ十分な感じです。フリーを次の試合までに通してやれるようにしたいです」。

インターハイに参加してみた感想は?

「楽しかったです。学校からも来てもらっているので、ちゃんとやらないといけないな、という思いはありました。まだみんなとご飯にも行けてないので、これから楽しみます」。

彼は以前から高難度のジャンプに挑む選手だったのだが、その後に崩れることが多かった。それが最近は演技全体をまとめられるようになってきたと感じる。

「今までは高難度のジャンプをやっても他で失敗していたんですけど、最近は他のジャンプでのパンクが減りました。体が何も考えなくても勝手に締まるようになりました。パンクすると怒られるので、締めるだけでもいいので締めてます」。

文面では多少伝わりづらいが、独特の飄々とした雰囲気で話す選手だ。是非放送で、彼のインタビューを聞いてもらいたい。演技だけでは分からない、新たな魅力を感じてもらえることだろう。

代替画像

中村康一(Image Works)

フィギュアスケートを中心に活躍するスポーツフォトグラファー。日本全国の大会を飛び回り、選手の最高の瞬間を撮影するために、日夜シャッターを押し続ける。Image Works代表。

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