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フィギュア スケート コラム 2020年1月23日

全米フィギュアスケート選手権2020 ペアのみどころ

フィギュアスケートレポート by ウェイ・ション
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まもなく全米フィギュアスケート選手権が開催される。最初に幕を開けるのは、ペアスケーティングの試合だ。ロシアや中国、そして隣のカナダと比べて、アメリカはまだペア大国とは言いがたいが、選手たちが近年着実に国際大会で実績を重ね、世界のトップレベルに近づいてきた。

去年の世界選手権でアシュリー・ケイン=グリベル/ティモシー・ルデュク組の健闘により、今年の出場枠が2つに増えた。それにしても、過去4シーズンの全米を優勝したのは、なんとそれぞれ違う4組で、しかも4組とも今大会に出場するので、王者の座だけでなく、世界選手権への出場権を巡って熾烈な戦いが展開されるに違いない。

去年の全米大会で初めて戴冠したケイン=グリベル/ルデュク組は、今シーズンも上昇傾向を見せ、チャレンジャー・シリーズのUSインターナショナル・クラシック及びゴールデン・スピン2大会とも金メダルを収め、実績を残している。結成四年目に入った今シーズン、二人はペア・エレメンツの完成度やユニゾンを改善しただけでなく、ペアとしての一体感が増し、表現力をも向上させた。力強いショートプログラムも、映画「ムーンライト」のサウンドトラックに基づくストーリー性が高いフリースケーティングも必見だ。



2017年の全米王者たるヘイヴン・デニー/ブランドン・フレイジャー組は、今シーズンのグランプリ・シリーズの2戦とも銅メダルを獲得し、シーズンベストも200点台まで近づき、まさに勢いに乗っているのだ。元世界ジュニア王者たる二人は、ペアとしての基盤が強く、技術力も表現力も優れている。特筆すべきなのは、今年のショートプログラム「キダム」。女性の小柄体型と柔軟性を巧妙に利用したアクロバティックな振り付けがシルク・ドゥ・ソレイユのスタイルにピッタリで、とても印象的だ。フリーの「ライオンキング」もペアスケーティングにおいてはなかなかユニークなプログラムで、ぜひ楽しみにしたい。



2015かつ2018年の全米王者たるアレクサ・シメカ・ケネリム/クリス・ケネリム組も、もちろん王座奪還を目指している。2019年にはコーチ陣の変更やクリスの手首の手術などの影響で、調子の「波」が激して、各大会でなかなか安定感が欠けていたが、やはり難易度の高いエレメンツを高い質で完成でき、しかもパフォーマンスにとても迫力がある選手なので、今大会でしっかりと実力を発揮できれば、高得点が期待できる。また、プログラムでバラード曲を滑る二人だが、リアル・カップルならではの表現もぜひ見てみたい。



2016年王者であるタラ・ケイン/ダニエル・オシェイ組を忘れてはならない。今シーズン今までの大会では不調が続き、なかなか会心の演技ができなかったが、今大会の公式プログラムによると、ショートプログラムをポップダンスからドビュッシー「月の光」に変えるそうだ。まさにケインの美しいボディーラインにふさわしいプログラムだと思うので、この新プロがとても楽しみだ。



実力が非常に近いトップ4組、さらに後ろにジェシカ・カララン/ブライアン・ジョンソン組のようなポテンシャルがある若手もいる中、今年のペア大会は、一つのミスでも許されない白熱した戦いになるであろう。

代替画像

ウェイ・ション

中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。

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