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フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」2018/2019シーズン!日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!
今回のゲストは、2014年の全日本選手権で競技からの引退を発表し、2018年秋のアイスショーをもってフィギュアスケート「実演家」から引退。現在は2つの大学で非常勤講師を務めるとともに、早稲田大学大学院にてスポーツマネジメントについて研究を重ねる町田樹さんが登場!
四回転を跳んだのはいつ?
——トリプルアクセルはいつ跳んだの?
町田:トリプルアクセルは、高1…高校入学してすぐのころだったと思います。
——あ、そうなんや。アクセルはじゃあ結構得意なほうなの?
町田:どちらかというと、得意ですね。
——四回転は?
町田:四回転は、高校2年生のときです。
——じゃあでも、すぐなんだ
町田:そうなんですよ。メキシコの大会…ジュニアグランプリがメキシコで開催されたことがあって、すごく標高が高いんですよ。で、そこでも4位だったんですね。でも4位だからエキシビジョンには招待されていて、「悔しいなあ」って思いながら練習してたら、ポーンと跳べて。
——サルコウ?トウ?
町田:トウループです。そのときに初めて成功したんですけど、そこから1年くらい家出をしていまして。
——どっか行っちゃったんや(笑)
町田:どっか行っちゃって、はい(笑)。で、また取り戻すのに苦労したんですけど。
——電話して「もうそろそろ帰ってきて」って?(笑)
町田:そう、はい(笑)。
——帰ってきたときは、コツとかあったの?
町田:かといって戻ってきたとしても、1か月に1本とかなんですよ、成功できる確率が。ほんとに苦しんで、でも何回も練習して、ようやく実践の場でちゃんとハマるようになったのは2013年ですかね。
——結構経ってからなんや
町田:結局、競技者としては最後の方までかかりましたね。
——なんかないの?こう立ったときに右手がどうとか、顔がどうとか
町田:とにかくもう緊張しますから、競技会のときは。押さえるべきポイントが多すぎると、守れないんですよね。緊張でコントロールを失うので。私はとにかく、氷と腰と肩がずっと平行関係のまま跳んでいくんです。そうするとジャンプが歪まないので。
——まあね
町田:で、プラス、左に跳んで回転していきますから、一回右のほうにためてから跳んでいくっていう感じで。あとトウループは、右足アウトサイドで跳んでいくんですけど、最終的に。だけれども、アウトに振り切れすぎるとやっぱり軸が曲がっていってしまうので、実は着氷の瞬間までフラットで乗るんですよ。フラットで乗って、感覚としてはフラットのまま跳んでいくっていう感じですかね。
——あ、そうなんや。結構みんな、こう、流していくとか捕まえるとかさ。町田くんはフラットのままなんや
町田:フラットのまま、でも右にたまってますから、力は。それを一気に爆発させるっていう。でも足はフラット。
——なるほど。これちょっと、選手も1回いろいろ試してみたらいいね
町田:あくまでも私のノウハウなので、応用ができるかどうかはわからないですけど。
——いや、できるでしょ、いろんな人がいるから
町田:はい。
ソチ五輪代表に選ばれて
——その後は、2006年に全日本ジュニアで優勝。結果を残して、次のシーズンにシニアデビュー。全日本で4位になって、バンクーバー五輪は選考に落ちたんやんね。そのときはどういう気持ちだったの?
町田:もちろん自分がバンクーバー五輪に行けるとは1ミリも思っていませんでしたし、あのときは狙ってもいませんでした。バンクーバー五輪の第1次補欠に選ばれたんですけど、私としてはそれでもう大満足で、とても光栄なことだと思っていました。
——「いや~行きたかった」っていうあれではないんだ
町田:一切なかったですね。もう、行くべき方はあの3人だったと思います。
——なんかすっきりしてるね
町田:そうですね。
——で、その後、四大陸で表彰台に登ったんやったっけ?
町田:そうなんです。自分の能力では歯が立たないような高い壁を次々に目の当たりにして、絶望に陥ってたんですよね。「このままスケートをやっていけるんだろうか」っていうくらい、シニアに参戦し始めて葛藤というか悩みを抱え続けていただけに、四大陸初出場で銀メダルを獲れたっていうことはほんとに嬉しかったですね。
——でもその後どんどん国際試合でトップに行ったりしてたやん?
町田:そうですね。2012年あたりのグランプリシリーズからは「やるか、やられるか」の文字通り真剣勝負だと思って。
——怖いな(笑)
町田:そうなんです。一戦一戦、自分の運命を決めていくような大会だと思って命がけで取り組んでいたんですよ。で、まあ2013年のソチ五輪代表選考のシーズンに、実は私近畿ブロックから出場していまして。ローカル試合も全部こなして、グランプリシリーズも出ていて、そういうプロセスの中でどんどん自分の勢力を増していきながら全日本に臨みましたね。で、そこで準優勝以上の成績を収めれば、かなり高い確率でソチ五輪には行けると考えていました。
——高い壁と思ってたのが、ソチ五輪までどんどん上に行ったやん?そのときはなんか自分の中でつかんだ感じがあったの?
町田:今度は自分の番だということを考えていましたから、どう上の人たちに追いついて、かつ勝負の世界ですからその方々に勝って自分がソチ五輪の代表のチケットを手に入れられるか、ということを考えながら競技をしていましたね。
——もう、ちょっとずつ。ここでこうして、こうして、こうして…みたいな感じやったんや
町田:はい。だけれども、自分はそういう方々からしたら経験値が浅いので、一戦一戦無駄にできないんですよね。一戦一戦確実に成績を残して「町田ここにあり」っていうのをスケート界にも世間にも印象付けながら一歩一歩歩んでいかないと、やっぱり先輩の方々には勝てないと考えていたので、そういう意味で一戦一戦が真剣勝負だったというのはあります。
——そうなんや。全日本で2位に入って、ソチ五輪の代表に選ばれたやん?そのときはどうやったの?
町田:自分の目標や目的が1つ果たせたので、それはもう嬉しかったですね。ただ、いざ選出されてみると、その当時の日本のトップ6っていうのは誰がソチ五輪に行ってもおかしくないほどの猛者が揃っていましたから、そういう方々を差し置いて自分が行くわけですから、それなりの結果が求められるという覚悟はありました。
——やっぱりちょっと緊張するわけ?そこで
町田:「町田じゃなくて他の人が行けばよかったじゃないか」って思われたくは絶対になかったので、そういう意味で結果が求められると思っていました。
——その初出場の五輪、改めて振り返ってみてどう?
町田:ショートはやっぱりあの…もちろん自信を持って臨んだんですけど、最後トリプルルッツジャンプを予定していたんですが、なんか力んだのか、それがダブルになってしまって。たぶん潜在的にものすごい緊張だったので、うまく身体がコントロールできなかったと思うんですけど(笑)。
——ポーンとなってしまったんや(笑)
町田:そうなんです。「あっ」という感じで、もうそのときは時すでに遅しみたいな感じだったんですけど。まあでもショート終わって11位で。11位という数字だけ見たら「ああ結構下だな」と思うんですけれども、そのときのショートプログラムの成績は11位から3位までの間がほんとわずかだったんですよね。だからこれはもうフリー次第だと思っていたので、冷静に気持ちを切り替えて頑張ろうと思っていました。
——じゃあほんとにちゃんと切り替えて、4位。そのときはどうやったの?
町田:その当時フリースケーティングは「火の鳥」を踊っていたんですけれども、2シーズン間通して踊っていたプログラムだったので、なんとかこのソチ五輪の舞台で自分の納得いく「火の鳥」を演じたいという思いだけでした。もうそのときにはあんまり成績っていうのは考えていなくて。まあ成績のことを考えるとまた余計な緊張とか邪念が入りますから、とにかくこのロシアという地でストラヴィンスキーの「火の鳥」を完成させるという思いでやっていましたね。うん。
——やっぱり五輪は他とは違う感じやった?
町田:ま、いざ競技会になってみると、他の競技会と変わらないと思います。グランプリシリーズや世界選手権といったトップクラスに位置付けられるような競技会とは変わらないと思うんですけど。問題は日常で、そういった普通のフィギュアスケートの競技会では感じなくてもいいようなストレスに常にさらされる、というのが五輪の難しさだなと感じました。
——ソチの選手村とかどうやったの?
町田:選手村が1つネックで。
——ネックなの?(笑)
町田:ネックというか、あれがあることで選手は生活ができるわけですけれども。一方で、普通の競技会だったら、ホテルに泊まって普通に競技会の時間帯に練習場に行ったり本番会場に行ったり、自分のテンポでっていうかペースで競技会に臨んでいけるんですけれども、まずやっぱりプライベートが極端に少ないですね。
——ああ、他の選手と…
町田:他の選手もいますし、やっぱり部屋は個室ではなくて誰かと同室になることもありますから。チーム日本の計らいで、男子個人は個人戦までは個室を与えてもらったんですけれども、それ以降は例えば高橋さんと同じ部屋だったりっていう。別にいいんですよ?いいんですけど、やっぱり。もちろんいいんですよ?(笑)
——うんうん、わかってるよ(笑)
町田:いいんですけど、やっぱり気を使うし、でも競技にも集中しなきゃいけないしっていう感じで、プライベート空間が少ないので。
——たぶん向こうも気を使うだろうし、お互いがね。嫌とかそういうんじゃなくて(笑)
町田:じゃないんですけど、やっぱり。ただでさえ1人で集中したいときもあるので。お互いそう思ってるんだけど、でも仲良くやんなきゃいけないっていう、そのプライベート空間の少なさっていうのは大変でした。
——試合前がやっぱりちょっと違ったんだね。氷に立ってしまえばね
町田:そうですね。
ゾーンに入る
——じゃあそのソチ五輪が終わって、世界選手権。そのときに堂々の銀メダル。この結果についてはどう思う?
町田:自分も、ショートプログラムの「エデンの東」とフリースケーティングの「火の鳥」ともに、自分の能力を余すことなく発揮できたと思っています。なおかつ、そこに準優勝という成績もついてきましたから、これ以上幸せなことはないと思っています。それに、「エデンの東」ショートプログラムに限って言うと、まあスモールメダルですけれども世界選手権の金メダルが獲れたっていうのは、自分の1つの大きな誇りです。
——誰もが獲れるわけじゃないからね。それはやっぱりすごいよ。結果としてもすごいし
町田:でも、世界選手権は私はあの1度きりしか出場していないので。
——あ、そうなんや、1回だけなんや。だって次のシーズンも全日本で4位に入って…
町田:(世界選手権の代表に)選んでいただいたんですけど、そこで引退を決意したので。あの1回だけだったんですよ。非常に思い出深い大会でしたね。
——あの1回か。じゃあ、緊張した?
町田:落ち着いてたんですよね。
——あ、そうなの?
町田:はい。「絶対いける」っていう変な自信が…というか、不思議な感覚でした。
——あれだ、ゾーンだ
町田:ゾーンに入ってたと思いますね。2回しか経験したことがなくて、いわゆるゾーンみたいなことは。1つがさっきKENJI先生がおっしゃってくださった韓国で開催された四大陸のときと、あとはその世界選手権のとき、だけなんですよね。25年間で2回しか味わえませんでした。
——俺1回もないわ、40年間生きてて(笑)
町田:あら、そうですか?(笑)
——なんかあれなんでしょ?声は聞こえるけど(耳から)すり抜けていくとかっていうね
町田:いや、というよりも、演技中何の不安もないんですよね。絶対いけるっていう自信と、絶対にそうなるっていう。
——なんでそれ、できたと思うんやろうね
町田:何なんでしょうね~。まあほんとにソチ五輪のパフォーマンスも成績もものすごく満足していたんですけれども、それでも「エデンの東」「火の鳥」ともにミスはありましたから、これを何としてでもシーズンの最後の世界選手権大会で完成させたいという思いからほんとに猛特訓をしていたので、その練習の成果っていうのはあったと思いますね。
——まあでもそうやろうね。やっぱり、練習してきたことをできる強い気持ちと確かな練習量で、ゾーンに入るんやろうね。やっぱり自信なんやろうね
町田:そうなんです。普段の競技会だと、例えば次のジャンプへ行くときには「次のジャンプはここと、ここと、ここを気を付けたら大丈夫」ってある意味言い聞かせながらやっているんですけれども、そういうときは私の場合は何も考えていない。「絶対大丈夫」っていう感じで落ち着いていくっていう。だから全く疲れないんですよ。
——っていうよね!なんか
町田:はい。呼吸も乱れないし、終わっても全然疲れないっていうような感じでしたね、私は。
——いいね、そんな経験できて
町田:そうですね~。
現役引退のタイミング
——でもさ、次の年に、急に引退ってなったやん?あれはいつ考えてたの?タイミングは
町田:いや、あのシーズンはもう大学院進学を目指していたので、引退の準備は進めていました。で実際、代表選考がある朝には「もし今日世界選手権に選出していただいたら、その世界選手権をもって現役の選手を引退しよう」と決意していました。
——朝?
町田:朝。でも、世界選手権に選ばれたらそこに出てから終わる、つまりシーズンを全うしてから終わろうっていう決意を固めたところだったんです。で、その夕方に代表発表があって、幸いというかありがたいことに私を選んでいただきました。そして、その内々の発表から10~15分後に今度は氷上で代表発表会をするってなったときに、まあ衣装着てスケート靴履いて行くわけじゃないですか、その15分の間にね。で、衣装着てスケート靴履いてるときに「ん~、やっぱりここが終わりのときだな」ってこうスンッと悟ったんですよね(笑)。
——そこで?あんなに決めてたのに?(笑)
町田:はい、そうなんです。で、まあ発表会があるからってことで氷に向かって舞台裏の廊下を歩いているときに「うん、ここで終わろう」っていうふうに自分で決意をしていたので、引退発表になってしまいました。
——みんなめっちゃびっくりしたよ!
町田:びっくりされたと思うんですけれども。
——そうなんや(笑)。ここで、なんや(スケート靴を履く仕草をする)
町田:ほんとにまあ普通に履いて、会場に向かうまでの廊下で、なんかそう悟ったんですよね。突発的な引退ではないんですけれども。決意の瞬間が突発的だっただけで、準備は進めていたので。
——緻密に準備してたって言うけれども、それはいつ頃から準備してたの?
町田:それは2年間くらいはかけて準備していました。
——あ、結構長い
町田:というのは、大学院進学に向けて勉強したり、いろいろ自分のキャリア設計をしたりっていうことで、考えていました。
——なるほどね。じゃその後プロスケーターに転向するんですけれども、プロとして演技することで何か変わっていった?
町田:根幹は変わっていない気がしますね。現役選手のときの最後のほうは、私は「フィギュアスケートは総合芸術であるべき」というモットーを掲げてやっていたので、その思いは変わらずプロ活動をしていたんですけれども。まあアイスショーの世界ですと、そこに照明とかも演出として取り入れられるので、総合芸術としてのフィギュアスケートというものをより深く追求するようになりましたね。
——競技だと滑る時間も決まってるし、エレメンツも決まってるし。じゃあもっとやりやすくなったの?衣装も秒数もそうだし、照明も使えるし
町田:そうですね。プログラムの振り付けから衣装、照明までいろいろ考えながら、自分だったり制作陣で考えたアイディアっていうのを自由にアウトプットできるっていう快感ですかね。
——快感ですか(笑)。振り付けも自分でするようになったんよね?そのころからか
町田:いや実は選手のころからやっていて。2013年だったと思うんですけれども、「白夜行」というエキシビジョンナンバーを振り付けて以降、自分で振り付けし始めましたね。
——覚えてる!それ、横浜かなんかでやらへんかった?
町田:結構たくさんパフォーマンスしました、そのプログラムは。
——そっか、なんか覚えてる。じゃその振り付けもして、プロとして活動して、まああのやっぱり大学…院?
町田:そうです。2015年から大学院に進学しています。
——元々引退も考えて、勉強のこともやってたんや。そのとき勉強もちゃんとしてたの?
町田:大学を卒業すべく頑張っていました。
——何の勉強をしてたの?
町田:大学は関西大学の文学部だったので、自分の興味ある分野をいろいろと。芸術学だとか、もちろん文学もそうですけど、勉強して卒業したんですけれども。早稲田大学では結構幅広く勉強していて、スポーツや舞台芸術に特化した経済学だとか、著作権法学だとか法律学ですね、後は芸術学みたいなところを今は学んでいます。
町田さんの授業をKENJIが体験!!
——非常勤講師もやってるんでしょ?
町田:そうなんです。実はこの4月から、慶應義塾大学と法政大学で、体育科目の中のダンスの授業を教えています。
——ダンスの授業?それ、誰でもできるやつ?
町田:誰でもできると思います。
——ちょっと教えてもらってもいい?
町田:教えるほどのことでもないでしょ、KENJI先生はもう…だって振り付けをする人ですから(笑)。
——いやいや、非常勤講師の授業を受けてみたい!
町田:受けてみたいですか?(笑)いやいやもう、大したことでは。基本的にバレエの基礎を学んだ後に、私が振り付けたものを受講者の方に踊っていただいて、1人1人発表をしていくっていうような授業を展開してるんですけど。
——じゃあ基本バレエしてないとあかんの?
町田:いや、それはゼロから、その授業の中でやっていくようにしています。
——実は僕、バレエやってたので。小学生からやってたので(笑)
町田:おお、素晴らしい(笑)。いやほんとにゼロからだったら、アームス(腕)のポジション、アン・バー、アン・ナヴァン、アン・オー、ア・ラ・スゴンドを覚えてもらって。脚も1番から6番というものを全部最初に提示したうえで、アームスの動かしだとか。
——え、ちょっと教えてよ
町田:プリエとかから普通にやってます。バーが左手にあったとしたら、プレパレーションして、まずドゥミ・プリエ、ドゥミ・プリエ、アン・ナヴァンからア・ラ・スゴンドで鼻高くグラン・プリエやりました、大きくストレッチしていきます、みたいなことから入っていきます。
——なるほど。バレエの先生やん
町田:基本的にはそうです。
——それ、でもみんな受講生とか喜ぶでしょ?
町田:結構意欲的に情熱的にやってくれるので、私もやっていて楽しいです。
——そうなんや、1回見に行かせてよ
町田:なんか結構ダンスをやられている方が多くて。ジャズダンスとかヒップホップ、ハウスとかいろんなジャンルを踊られている方が、ダンスの基礎であるバレエも学びたいっていうことでよく来てくださいます。もちろんバレエ経験者もいらっしゃいますけど。ま、バレエの基本をずっとやっていくので、その基本の動作だけで構成していく振り付けなんですよね。
——なるほどね。組み替えたりとかね。今やってみたら、だいたい基本は(昔やってたころと)一緒やもんね
町田:そうです。
今後の目標
——いろいろと聞いてきましたけども、実はこれが年内最後の「KENJIの部屋」ということで、ちょっと最後に年末っぽい試みをやってみたいなと思います。自身のスケーターとしてのキャリアを漢字一文字で表現してもらおうということで、書いてもらいました。
町田:なかなか難しいんですけれども、うん、まああえて言うなら、この字「樹」ですかね。自分の名前です。まあ…漢字1字でその年を表現しようとすることは横暴だと思っていて(笑)。
——横暴ではないでしょ?(笑)
町田:いや、1年もよく表せたことがないと思ってるんですよ。まあでも、だから自分の25年のキャリアを1字に表すのは難しいんですけれども、頑張って表現しようとするならこの字になると思います。
——どんな思いがあるの?
町田:名前の話になっちゃいますけれども、両親が大きな樹に育つようにと付けてくれた名前なので、その思いでこれまでも頑張ってきたし、これからも第2のキャリアを、この樹をどんどん大きくしていくべく頑張っていきたいと思っています。
——おお、いいんじゃないですか?締めくくりっていう感じがして。ということで、たっぷりと話していただきましたが、最後に町田くんの今後の目標を聞かせてください
町田:引退セレモニーの場でもお話ししたんですけれども、今後は研究活動を通じて、フィギュアスケートをブームではなく文化に変えていくことのできる人材になっていきたいと思います。そのために、大学院で頑張っていきたいと思っています。
——ありがとうございました。ちょっとプレゼントがありますので
町田:はい、楽しみです。何でしょう?
——楽しみって言わんといて(笑)。これ、はい(と番組特製トートバッグを渡す)
町田:これ、気になってました。
——ほんと?
町田:どういうことなんですか?これは
——これは、こういうことなんです。JSPORTS「KENJIの部屋」のバッグ。かけてみて?いやあ、渋い色のスーツにもやっぱり合うね!
町田:合いますか?この技のチョイスは何なんですか?KENJI先生のチョイスなんですか?
——わかんない。知らない
町田:あら、一切その…(笑)
——いや、ちゃんと相談して(笑)。それでちょっともう1つ。引退おめでとうございますと言ったらあれですけれども、お疲れ様でした。素晴らしいステージでした(と花束を渡す)
町田:ああすみません、ありがとうございます。ほんとにお世話になりました。(花束を見て)素敵ですね。
——こんなに大きな感動を送るスケーターもね、ほんと素晴らしい。さみしい気もありますけれども、お疲れ様でした
町田:KENJI先生にもお世話になりました。ありがとうございました。今後とも違う立場でお世話になると思いますけど、よろしくお願いします。
——よろしくお願いします。町田樹くんでした。ありがとうございました
町田:ありがとうございました。
J SPORTS 編集部
12月に町田樹のエピソードを放送!オンデマンド配信も!
【町田樹 前編】12月11日(火)午後10:00 -
【町田樹 後編】12月18日(火)午後10:00 -
フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋
フィギュアスケートを”文化”にまで昇華したいと真摯に語る町田さんは、宮本さんからの「フィギュアスケーターにとって最も必要な素質は?」という質問に対して、「技術を磨き続けることのできる職人気質、あくなき探求心とともに、表現力を磨くための知的感性、そして一発勝負に臨む勝負師としての心構え」と答え、宮本さんと熱いフィギュアスケート論を交わします。
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