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フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」2018/2019シーズン!日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!
今回のゲストは、2017年全日本選手権2位、2018年四大陸選手権10位、グランプリシリーズNHK杯8位、グランプリシリーズロステレコム杯8位の、アイスダンス 小松原美里&ティム・コレト選手が登場!
リズムダンス「タンゴロマンチカ」
小松原:タンゴというのが基点にあって、タンゴと何かを選べるんですけど、私たちはタンゴオンリーで「タンゴ」の世界観をわかりやすく出そうと思って。強く。
——そのタンゴの見せどころは?
小松原:「タンゴロマンチカ」というパターンダンスがあるんですけど、やってみて、めっちゃ難しいです(笑)。
——なんかその、タンゴの決めのポーズとかないの?俺は結構、タンゴロマンチカの、ヘリコプターの後の…
小松原:ここ?わかる~!
——そこ!でも俺は、しゃがんだ後の立つところが好き
小松原:私も好きです。
コレト:こっちでこう…。
小松原:(コレト選手は)女性のツイズルの前のところが好きらしいです。
——そのポーズ、ちょっとやってみて!…あ、そこが好きなんだ。でもわかる。これ、タンゴロマンチカのかっこいいところだよね。ちょっと見どころというか。じゃあフリーダンスは?
小松原:『ある愛の詩』の主題歌なんですけど、フランスの歌手の方が歌ったやつを踊ります。
——その選曲の理由は?
小松原:私たちの関係を上手く見せられるプログラムっていうので、物語性の強い、ドラマティックなものにしたいねって言って決めました。
——見どころは?
小松原:ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組の演技だったりとか、テッサ・バーチュー/スコット・モイヤー組のオリンピックシーズンの演技が大好きで、同じ振り付けの先生なんですけど、自分がアプローチしたことのない動きとかニーアクション(膝の動き)とかを最大に使える曲だなと思います。見て欲しいです。
——じゃ、決めのポーズとかある?
コレト:最初のポーズとかどう?
——いいですか?じゃあ、ちょっとやっていただいて。いや、かっこいい!最初のポーズからかっこいい!また繰り返すようやけど、(コレト選手が小松原選手を)抱きしめる形に行くまでの動作がきれい
小松原・コレト:ありがとうございます。
ルール改正
——今シーズン、ルールが大きく変わったんだけど、どうですか?
小松原:今年はステップシークェンスが1つ無い代わりに、3個コレオムーブメントを入れなきゃいけなくって。で、去年までだと例えば両膝つけちゃうとコケたってみなされてたんですけど、それがムーブメントになって点になって…ってことなので、もっと幅が広がって「フリーダンス」だなって思います。
——そうだよね。結局フリーダンスって、フリーって言ってる割に規定とかが多かったから。それが結構自由になった感じで、やりやすいといえばやりやすいの?
小松原:自分たちは曲に合った個性的な動きができるので、私は好きですね。
コレト:変更の大部分はよかったと思っています。特に挙げるならGOEの段階が-5から+5になりました。選手の演技にふさわしい評価が与えられる余地が増えました。よりバランスの取れた採点になると思います。
カップルを組んでから一番思い出に残っている大会
——カップルを組んでから、一番思い出に残っている大会は?
小松原:去年のNHK杯です。っていうのも、初めてのグランプリシリーズで、私の大好きなテッサ・バーチュー/スコット・モイヤー組が偶然にも復帰してくださって、練習も一緒に滑る機会とかアップをしっかり勉強する機会があって。自分たちの緊張もMAXだったんですけど、嬉しいのもMAXで。ノーミスで一応終えられたので、すごく嬉しくて覚えていますね。
——ツイズルのやつ、めっちゃきれいやったの、覚えてるもん。NHKの時でしょ?見てたもん、リンクサイドで
小松原:ツイズルの後に踊るところがあるんですけど、KENJI先生を普通に見つけてたんで、ちょっと見ながら踊っていました。
——知ってたよ!「目線合ってるな」と思いながら見てたもん(笑)
小松原:「目を合わせよう!」と思って踊っていました。
——ああ、そうなんや。ジャッジを見なさい!(笑)ティムさん、どう?
コレト:同じです。NHK杯でした。
——じゃあさ、逆にめっちゃ悔しかった大会は?
コレト:去年の西日本の前、イタリアで、練習を終えてから急いで空港へ向かっていたのですが、バスで移動中に全身からさ~っと血の気が引くのを感じました。そして彼女にこう言いました「僕パスポート持ってない」。現実感がなさすぎて、もう一度同じセリフを口にしたんですよ(笑)。それで、すぐバスを降りて、電話を借りてタクシーを呼ぼうと思ってカフェを探しました。
小松原:「電話貸してくださ~い」って駆け込んで、タクシー呼んで、いったん家に帰って探して…みたいなことをしたんですけど見つからず、飛行機はもうあったので私だけ日本に帰りました(笑)。
コレト:「先に行って」と言いました。
——せやけど、アイスダンスやから1人いてもしゃーないもんね。どうしたの?結局
小松原:次の日の飛行機で(コレト選手が)来て、速攻で滑ったんですけど(笑)。公式練習、私1人で踊りました。
——いやあ、強いなあ。結局パスポートはどこにあったの?
コレト:ソファの脇に挟まっていました。忘れないようにここ(ソファーの肘掛け)に置いたら、スルッと落ちたのです。
——それは見つからへんわ。さすがにそのときはケンカになった?
小松原:それはさすがに怒りました。ケンカというか、もう心の中がわ~ってなってるので。でも見つからないとどうしようもないので、飛行機の中で深呼吸して抑えていました。
——さすがにそのときは岡山弁が出た?
小松原:岡山弁、出たかな~?(笑)結構怒ってましたけどね。
——でも試合に間に合ってよかったよね
小松原:ギリギリでした。
夫婦ならではの注目ポイント
——じゃあさ、夫婦ならではの、私たちだけにできるような演技とか、ここ見てもらいたいっていうのはある?
小松原:それこそ氷の上だけじゃなくてずっとやりたい演技の話をしちゃうんで、ん~っと、細かいところまで意味を持たせて滑っていたりとかしますね。あとは、愛の表現みたいなことをしたいときは、フェイクじゃなくて、本当に入り込んでやっています。
——それを客に見せつけるじゃないけど、前面に出して?
小松原:なんか、わかってもらえたらいいかなって思います。
——なるほどね。目線であったり、指先であったり、2人の角度であったり
小松原:まだまだですけど、まあそれがちょっとずつね。——アイスダンスの魅力っていうのは?
小松原:2人だからこそ、シングルでは表現しきれないことができたりとか、もっと例えば女性と男性のキャラクターになりきって見せることができたりするところは、わかりやすいかなと思います。
コレト:毎年、違ったキャラクターや曲やスタイルを披露することができます。細部へのこだわりも好きです。アイスダンスでは指の動作の1つ1つや髪の毛の位置まですべて頭に入れます。1年間それを練習します。考えない日はありません。
——じゃあそのアイスダンスならではの楽しいところと難しいところは?
小松原:もちろん体型であったりとか国とか歳とかパートナーを見つけること…まず始めることは難しいかなと思いますけど、楽しいのは、だからこそ一緒に滑るパートナーや目標を見つけて、嬉しいときは2倍です。
——そうね~、なかなか難しいもんね、パートナー見つけられるのね
コレト:アイスダンスの難しさは、自分の心の状態を確認すること、そして2人が共通の考えを持つことがとても大事です。氷の上では互いのアプローチ、考え方や選択をできる限り合わせたい。滑りだけでなく心も1つにすることです。一番の利点はパートナーの存在です。いろんな経験を分かち合えます。調子の悪い日は「今日は助けてほしい」とか「苦労してる」と言える分、気が楽になります。
——そうなんだ。なんかでも、アイスダンスする人はそういう感じで言うよね。じゃあさ、普通にテレビ中継で選手の演技とか見たりするんやけども、自分の好きなところにカメラを1台置きたいとすれば、どこに置きたい?
小松原:結構難しいと思うんですけど、選手のおでこや胸につけて、どういうホールドとか、どの交差で滑ってるとか、選手目線のやつを選手が見たいんです。
——でもさ、美里ちゃんがもしおでこに付けててワルツホールドしてたらさ、ずっとティムの顎のあたりを映してるってことになるで?
小松原:でも結構変わると思う。リフトとかしちゃうと。
——ああそうか。ティムさんは?
コレト:手首。
——ここ?それは何で?
コレト:できるだけ動きを止めずに、流れるように演じたいです。
——絶対止まらへんと。いつも動かしてると。手首か…(笑)。他のところでも良さそうな気がするけど
コレト:彼女と私が持っていれば、すべて見えます。
——膝にも付けて、足首にも付けて、背中にも付けてね(笑)
意思疎通チェック
——続いては「意思疎通できてるかチェック」でございます。あの、お互い2人のパートナーですから、お互いのことがわかっているのかっていうチェックをしていただきたいです。では第1問「演じてきたプログラムで一番のお気に入りは?」いっぱいあると思うんですけど。あ、ティム、書き終わりました?めっちゃ漢字で書いた?
コレト:(無言で頷く)
——ほんま?
コレト:(無言で首を横に振る)
——書いてないか(笑)。せーの、はいどうぞ!おっ、すごい、一緒だ!「ショートダンス」。去年のショートか。なんでまた?好きな理由は?
小松原:フリーは結構しっとりした曲を滑ってきているんですけど、ノリノリで踊るのがほんとは2人とも大好きで(笑)。滑っていて楽しかったです。
コレト:軽やかな曲ですごく楽しかったです。音楽からパワーをもらって、毎日の練習も楽でした。少しなら羽目を外せて気に入っています。
——なるほど。すごい、正解です。では第2問「得意なエレメンツは?」書けましたか?せーの、はい!2人とも「ツイズル」。さすがです。ちなみに一番苦手なエレメンツは?
小松原:スピンです。身長差が大きすぎて、バランスを取るのが難しい。
——でも、身長差があったときに、キャメルをこうするやん?逆回転でできへんのかなってたまに考えるのよね。無理なんかな?
小松原:え~っ!?やってみた~い(笑)。
——こう回ってるやん。一緒やったら絶対当たるけど、逆やったらこう回らへんかなあ。キャメルと左シットやったらできるのかなと思って。まあ軸が難しいか
小松原:先生めっちゃアイディアありますよね。
——ないです!
小松原:振り付けをしてもらえませんか?
——しますよ、いつでも
小松原:やった~!
——でも2問正解、意思疎通できてますやん。じゃあ最後「アイスダンスで一番大切なことは?」せーの、はい!小松原選手は「コミュニケーション」コレト選手は「ニーアクション」
小松原:技術的~(笑)。
——技術か。でもそうかもしれへんよね。もしかしたら、コミュニケーションはもう取れてるから大丈夫っていう意味なのかもしれないね
小松原:そういうことにしましょう(笑)。
コレト:でも、それが一番大事なことです。ヒザと相談しています(笑)。
——あ~、なるほどね。まあ当たらずとも…遠からずか?遠いような気もするけど
小松原:割とキャラクターが出ましたね。
——そうだね。(小松原選手は)ハートまで書いたもんね。こっち(コレト選手)は膝の絵まで描いてあったもんね。これちょっと不正解っていうことで(笑)
番組からの質問コーナー!!
小松原:「小松原選手の手料理で一番好きなものは?」。
——じゃ、これはティムさんやね
コレト:う~ん。
——バレるよ、料理してないのが(笑)
小松原:まず、私はビーガンで、彼はお肉を食べる人だから。
——え、そうなん?どの料理が好き?
コレト:お雑煮。めっちゃおいしいです。
——お雑煮、めっちゃおいしい?!ティム、めっちゃ面白い(笑)
コレト:小松原の。
——小松原雑煮?ミサティーニ、コマツバラゾーニ、みたいな(笑)。なんかちょっとイタリア語っぽい感じやね。コマツバラゾーニがおいしいんだ。お餅と何が入ってんの?
小松原:お餅とミンチと…。
——ミンチ…ミンチ?!
小松原:ん~ちょっと変なんですよ(笑)。それと、甘辛い感じです。
——甘辛い?雑煮やんね?今度機会があれば食べてみたい。あの、なんか、水筒に入れて持ってきて?全日本のときとか(笑)
小松原:恥ずかしい(笑)。
——お雑煮ね。はい、どうぞ
小松原:「ティム選手に直してもらいたい事は?」えっと、朝、めっちゃテンションが低い。たぶん普段がめっちゃテンションが高いので、温度差が激しくて、戸惑います。
——でも、わからへんで?朝めっちゃテンション高かったら、めっちゃめんどくさい気せーへん?でもそれぐらいなんだ。はい、じゃあ次行きましょう
小松原:「1日だけティム選手に入れ替われたら何をする?」どうしようかな…身長が高いのを楽しみたいので、街をさっそうと歩いてですね、んっと、上から見たいです。それと、日本で歩いていたら結構みんな「あ~」みたいな感じなので、それを楽しみたい(笑)。
——ああ、ちょっと「見られてるな」みたいな。そうやね、モデルさんみたいやもんね、普通にいたらね。よし、じゃあ次
小松原:「スケートの選手じゃなかったら何をしていた?」
コレト:小説家です。書くことがすごく好きだし。
——え?小説?
コレト:ファンタジーやSF、ミステリーなんかも好きですし。実は今も、自分のオリジナル小説を書こうとしています。僕が2番目に情熱を注いでいることです。
——それ出来たら読ませて!読みたい!すごいね、多趣味というか。よし、じゃあ次、最後
小松原:「私だけが知っている小松原選手の意外な一面は?」
——難しい?
コレト:(小松原選手に向かって)わからないなあ。
——じゃああれだ、いつも一緒で、別にまあ裏表がないというか、そのままで付き合ってるって感じか。逆にティムの意外な一面は?
小松原:大会前に、気持ちが高まって嬉しくなって、いつも泣いています。
——泣いてんの?ラグビー選手みたいやな(笑)
小松原:そうなんですか?いつも音楽聴いて、ちょっと端っこのほうにきて、「ぐすんぐすん」ってしています。
——でも、それは気持ちはすごくわかる
小松原:なんかすごく感謝の気持ちでいっぱいになるらしいです。「良かった~」って。
——そうなんだ、でも全然意外な感じはせえへんけど。なんかあれやん、実はヘビーメタルしか聴きませんとか
コレト:あはは(笑)。
小松原:どうかなあ。日本語学校に通っています。
——あ、日本語学校に通ってるの?あ、そうなんだ、じゃ字も書けるの?
小松原:漢字も。
コレト:頑張っています。
——すごいね、そうなんや
今後の目標
——今日はいろいろお話しいただいてありがとうございました。最後にこれからの目標を聞かせてください
小松原:拠点をモントリオールに移したんですけど、新しい先生の元でまた新たに学んだ基礎技術をプログラムに生かして点数に反映させる、世界選手権に出られるように頑張りたいです。
コレト:頑張っています。僕自身は、日本語の勉強を続けていくつもりです。そうすれば日本でより快適に暮らせるはずです。日本の方に敬意を払って日本語で話したいのです。
——素晴らしい。ぜひケガと体調だけには気を付けて、頑張ってください。ちょっとこれ、番組からのプレゼントなんですけど、どうぞ。
小松原:やったー、ありがとうございます!めっちゃかわいいですね。
——ちょっとかけてみて?あら~、黒のレースのドレスにもにも花柄のシャツにも似合う!すごい、似合いますね!
コレト:ニーアクション(笑)。
——そうね(笑)。ぜひ使ってね!今日はありがとうございました
収録の感想
小松原:ずっと観てきたKENJI先生の番組に出させていただいて嬉しいです。あとは、振り付けをしてくださるということで約束していただいたので、本当に振り付けしてもらえるようにもう一回話したいと思います。
コレト: 2人の相性チェックはとても楽しめました。あと柔軟性のチェックもすごく面白かったです。
小松原:(KENJIの印象は)あんまり変わらなかったです(笑)。いつも面白いし、かっこいいな~と思って横で見ていました。皆さんめちゃくちゃ笑ってて、ほんわかした良い部屋だなって思いました。また来たいです。
コレト:他のスケーターの出演回をたくさん見ていたので、僕も出演することができてすごく楽しかったです。
J SPORTS 編集部
12月に町田樹のエピソードを放送!オンデマンド配信も!
【町田樹 前編】12月11日(火)午後10:00 -
【町田樹 後編】12月18日(火)午後10:00 -
フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋
フィギュアスケートを”文化”にまで昇華したいと真摯に語る町田さんは、宮本さんからの「フィギュアスケーターにとって最も必要な素質は?」という質問に対して、「技術を磨き続けることのできる職人気質、あくなき探求心とともに、表現力を磨くための知的感性、そして一発勝負に臨む勝負師としての心構え」と答え、宮本さんと熱いフィギュアスケート論を交わします。
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