【フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋】山本草太＜エピソード3＞

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい！”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」2018/2019シーズン！日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん（KENJI）が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます！

今シーズン最初のゲストは、昨シーズン、大きなけがを乗り越えて復帰した山本草太選手が登場！今回のエピソード3でも、前回に続き山本選手の素顔が明らかに。今シーズンのプログラムについてや、試合前のルーティンについても説明してくれています。

今シーズンのSP『G線上のアリア』

——今年のショートとフリーはどんなプログラムになってんの？

山本：ショートとフリーでだいぶ曲調も違いますし、先シーズンとも違います。自分にとっても新しい曲調というか、特にショートはやったことがないような感じなので、難しいかもしれないですけれど、レベルアップできるように、しっかり綺麗に見せることができるようにやっていかなきゃな～と思っています。ショートは『G線上のアリア』です。

——『G線上のアリア』はなんで選曲したん？

山本：自分もいろいろ選んできたんですけど、母とも相談しながら決めました。最初に曲だけ聞いたら「盛り上がるところがないし難しいな」と思ったんですけど、振り付けしてもらって、きれいに見せることができる部分がたくさんあると思いました。盛り上がる曲調ではないですし、曲が助けてくれないので、ひとつひとつの所作やスケートをほんとにきれいにしないと演技が映えないから、そういうところを意識してやらなきゃなと思っています。

——盛り上がるっていうときにはやっぱり拍手も出るだろうし気持ちも高ぶるけど、この曲は結構平坦だよね。だから、観客を惹き込むような演技をしてもらいたいなと思って

山本：はい。

——わ～って一緒に盛り上がるんじゃなくて、じ～っと見入るような演技を意識して作ったんで。また見直して頑張ろうね。でもこの前もすごくきれいにできたしね

山本：ああ、はい。

今シーズンのFS『信長協奏曲』

——フリーは？

山本：フリーは『信長協奏曲』っていう曲です。後半の曲がメインというか、ほんとにいいなと思ったので、「後半の曲はこれでお願いします」って先生に伝えて。前半はもう先生にお任せというか。

——もともと戦国武将が好きとかいう理由で、その曲を聞いてたの？

山本：いや、ほんとにいろいろ探した結果、「いい曲だなあ」って単純に最初思ったので。

今シーズンのプログラム 注目してほしいポイント

——ショートとフリーで、ここはちょっと注目してほしいっていうポイントはある？

山本：今回の2曲は結構ギャップがあって曲調も違うと思っているので、表現の仕方だったりスケートとかも変えて頑張らなきゃなと思っています。

——でも、スケーティングのプッシュの仕方とスケートの置き方は、曲で変えてるよね？ずいぶん違うと思う

山本：そうですね。

——ショートで、自分の中で印象に残っているというか、これはちょっと見せたいな～という動きは？

山本：う～ん…。

——ないんかいっ！？（笑）

山本：いや、きれいな振りというかポーズが多いので（笑）。

——俺はちゃんとあるけどね。作ったときから「あ、これきれいやな」って思って、今もぱっと思い浮かぶけどね（笑）

山本：ステップの最後のほうで、曲がちょっと地味に盛り上がるんですけど、そこで祈るようなポーズがあって。

——あ～、そこか

山本：まあ最後のほうですし、そこが見せる部分のひとつなのかなと、勝手に思っているんですけど。

——俺も一緒！そこだけじゃないけどね、そこがやっぱり印象的よね。じゃあちょっとやってみてもらえる？

山本：ええっ？！（立ち上がりながら）まぁイナバウアーしてやるんで…。

——イーグルやけどなっ（笑）

山本：イーグルか。こういう…振りです…よね？

——お～！じゃ、フリーの印象的な動きは？

山本：えっ？！（座りながら）ちょっと考えます。

——あるでしょうよ（笑）

山本：うーん、印象的な動き…。

——俺的にはこれかな？（刀を抜くような動き）

山本：ああ、最初に頭に出てきました、それ。

——じゃあ言ってよ（笑）

山本：（立ち上がって）和風な曲で、刀をイメージした振りが多いので、ステップの途中の刀を抜くようなしぐさというか。この振りがかっこいいなと思います。

かばんの中身

——突然なんやけど、かばんの中身を見せてもらっていい？ちょっと重いな

山本：はい、普通のかばんの中身なんですけど。これは練習着。今日はちょっと練習があったので。財布、ボディー用汗拭きシート、充電器。

——（USBケーブルについている動物のアクセサリーを見て）なんなん？これ。ちょっとかわいい感じの

山本：ああ、いただきものです、ファンからの。あとはヘッドホン、イヤホン、携帯。

——じゃあ、ヘッドホン見ていいですか？あ、これ、えーやつや

山本：はい、Bluetoothでも聴けるヘッドホンです。Bluetoothヘッドホンは充電しなきゃいけないんですけど、コードも付いているので、充電がなくなったときはコードでも使えます。

——これに似たやつ、俺も持ってるな。あれ？ヘッドホン落としたって言ってなかったっけ？

山本：あ、イヤホンです。イヤホン落としちゃって。

——なるほどね。じゃ、このイヤホンケースに入っているのは？

山本：ほんとはこのケースと同じブランドのイヤホンだったんですけど、失くしたので今は違うのが入っています（笑）。

——これ、普通のやつやん（笑）。イヤホンにはそんなにこだわりはなく？

山本：まあ一応買うときは、その店のイヤホンをいろいろ聴いて、いいなあと思ったやつを買うようにしています。

——なるほど。こういうイヤホンとかヘッドホンとかでは何を聴くの？

山本：何を聴く？うーん、音楽というよりは…。

——落語？（笑）

山本：いや（笑）。Youtubeとか動画を見るときにつける感じです。

——あ、音楽じゃないんだ、動画見てるんだ。音楽を聴くとしたらどんなジャンル？

山本：変なものしか聴かないからなぁ（笑）。

——変なものしか聴かないの？

山本：えっと、ほんとなんか、こういうミュージシャンのこういう曲とかではなくて、スケートで使えそうな曲とかをいろいろ聴くのが好きです。

——ふーん、わかるわかる

山本：あ、ほんとですか。

——うん。じゃ、この中でお気に入りのものは？

山本：結構ファンの方々からもらったものが多くて。（ボディ用汗拭きシートを触りながら）こんなのも僕は買わないですし。

——「こんなん使うんや」と思ってびっくりしたもん

山本：もらったらほんとに助かるんで。汗かいたらすぐ拭けるし。これももらったし、これももらったし、これももらったし…。

——いただいたものを大事にするって感じ？

山本：そうですね。

——ええやん、いい心がけやん

得意・苦手なエレメンツ

——得意なエレメンツは？

山本：なんか、これっていうのがなくて。たまに褒めてくださるときは「オールラウンダーだね」とか言ってくださる方もいて。

——でもスピンとかめっちゃうまいやん

山本：でも、もっとうまい人がいると思うと、別に得意じゃないのかなあとか。なので、これっていうのはないかもしれないです。

——「全部できまっせ」ってことか

山本：うーん、全部って言いたいんですけど（笑）。

——じゃあ逆に、苦手なのは？

山本：もともと表現するのが苦手だったので。最近は意識して頑張ろうとはしているんですけど、最初は苦手でした。

——今はそうでもない、と

山本：今は、まあ、意識してなんとか頑張ればマシかなって感じですけど。

——いや、ちゃんとできてるよ（笑）。じゃ、目標にしている選手とか、憧れの選手とかいるの？

山本：ほんとに上手な選手はたくさんいるので、「かっこいいな」とか「上手だな」と思うところは吸収したいですし、見習うことばかりですけど。ま、ちょっと前から羽生選手って言っているので、一応目標の選手には入ります。

——すごいもんね、国民栄誉賞だもんね

山本：すごいですね。

フィギュアスケート中継 どこにカメラがほしい？

——テレビとかでさ、フィギュアスケートの試合を中継してるやん。カメラがこう撮ってて、それをテレビで見るときあるでしょ？そのときに「俺だったらここにカメラ置きたいな」とか「この目線で見たいな」っていうのはある？

山本：この前の僕の全日本の動画を撮ってくださったテレビ映像で、ちょっと斜め上からとか、客席が広く見えるシーンとかがあって、そういうのは「きれいだな～」って僕は思ったんですけど。

——なるほど。結構遠く、上のほうから撮ってもらいたい？

山本：撮ってもらいたいというか、そのときに僕だけじゃなくてまわりの雰囲気とか会場の雰囲気とかも見れたので、そのシーンが「きれいだな～」って思いました。

——そうなんや、なんか人それぞれ違うね。ジャッジの両目の脇にカメラを付けてほしいっていう人もいたよ。「ジャッジが今、選手のどこを見てるんや？」っていうのがテレビに出てたらおもしろいかなあって

山本：ああ、確かに。

——「あの人、見てへんやん！」とか「コーヒー見てる！」とかさ、そういうことはないやろうけど（笑）。でも、ジャッジ目線が気になるんかな～って

試合前のルーティーン

——試合前に何かしたりとかするの？ジンクスみたいな

山本：試合に出発する1時間前に、ちょっと熱めのシャワーをばーって浴びます。

——朝練とかあるやん？公式練習。で、一回ホテルに戻ってきて、今度試合へ行くときにってこと？

山本：そうですね。練習の前は別にしないです。

——1時間前にシャワー浴びるんや。そうするとどうなんの？

山本：なんか、あったまった気になります（笑）。

——あったまった気？いや、ウォームアップしてよ、ウォームアップ（笑）。ウォームアップ代わりにシャワー浴びんの？

山本：いやあの、良かった試合があって、その時初めて試合に行く前にシャワーを浴びていて、それからそういう風にするようになりました。

——その時はまたなんでシャワーを浴びようと思ったの？すごく汗をかいてしまったとか？

山本：あー、なんででしたっけ…。たぶん、練習が終わって時間がありすぎて（笑）。

——暇やったんや（笑）

——でも、いろんな人いるよね。熱いシャワーを浴びる人もいるし、ぬるい湯船に30分つかる人もいるし。体を刺激して、血流をどうのこうのとかってね。じゃ、今もそれを続けてるんだ？

山本：そうですね、試合の前は。

——海外行ったときに、なかなかお湯が出なかったらどうする？

山本：まあ、あきらめるしかないですね（笑）。

——あきらめるんや、そっか（笑）

KENJI測定

——シーズン初めてのゲストなので、僕すごく体が柔らかくなったから、見てもらおうかなと。スケート選手って柔軟性が必要やし、僕も振付師としては…ね。ちょっと前屈を測ってもらってもいい？ （山本選手に定規を渡す）

山本：はい。

——いきます！（台に乗り、膝を大きく曲げるという不正をしながら前屈する）

山本：（不正に気付き）うおおっ、びっくりした！。めっちゃ柔らかいと思った！

——ははは（正しくやり直す）

山本：えっと、マイナス0.3cmぐらいでしたね。

——0.3cm！やった、記録更新ですよ。見て！前はプラス2cmでした。今はマイナス0.3cmになりました。そういうことです！

山本：あ、じゃあ、マイナスが大きければいいのか。

——そうそう。これまでの1位は…31、31やで。村本哉中ちゃんのマイナス31cm。男子では友野一希くんのマイナス18cm。どうぞ。うおおーっ、マイナス31cm！

山本：よしっ！

——やばくない？靴脱いだらもっと行けそうでしょ

山本：えー。（靴を脱ぎ始める）

——さっき膝曲がってやろ！

山本：ええっ？！

——膝曲げてたやろ！俺、確認してなかったぞ

山本：いや（笑）。

——どうぞ

山本：はい。（再度前屈する）

——30cm地点から2cmぐらいあったでしょ！マイナス32cmぐらいありましたね。すげえ！

今後の目標

——では最後に、今後の目標を聞かせてください

山本：シーズンが始まっていくので、ひとつひとつの試合でレベルアップというか、いい演技ができるように。ほんとに、スピンやスケーティング、表現、ジャンプ、すべてレベルアップしないといい結果が出てこないと思うので、すべてに気を配りながら、全力でやれることはやっていきたいと思います。

——頑張ってください、みんな応援してます！

山本：頑張ります、ありがとうございます。

——これ、番組からのプレゼントです（『KENJIの部屋』特製エコバックを渡す）

山本：ありがとうございます。

——肩にかけてみ？似合うわ～、めっちゃ似合うわ～。それ持って、試合とか行ってね

山本：はい（笑）。

——はいって言ったな（笑）

山本：助かります。ありがとうございます。

——助かったんや、良かった、助けられて良かった（笑）。山本草太選手でした。今日はありがとうございました

山本：ありがとうございました。

収録の感想

山本：まあスケートの話は今までも、振り付けのときだったり、たくさんしたことはあるんですけど、プライベートのことだったり、いろいろ聞いてくださったので、いろいろ話せて良かったかな～と思います。これまでたくさん話したことはなかったんですけど、KENJI先生とたくさん話せる部屋で、ほんとに楽しかったです。

【次回エピソード放送予定】
10月2日 (火) 午後10:00～午後10:30
フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 【with フィギュアスケート・ラボ ～18/19シーズン予習SP～】前編
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