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ヨーロッパ選手権がモスクワで開幕した。平昌五輪前の前哨戦であり、またロシアのようにオリンピック代表を決定する大会でもあるため、現地モスクワも大いに盛り上がっているようだ。
優勝候補ナンバーワンは、やはりエフゲニア・メドベージェワだろう。怪我によりグランプリファイナルと国内選手権を欠場したが、絶対女王の実力と意地で、その座を明け渡すことはないだろう。貫禄の「アンナ・カレーニナ」での復活を願いたい。
メドベージェワと同じく、名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼの門下生、アリーナ・ザギトワは、メドベージェワ不在のグランプリファイナルとロシア選手権を制し、現在最も勢いのある選手だ。メドベージェワに追いつき追い越せと、破竹の勢いで進撃して来るだろう。
唯一不安があるとすれば、本人も難しいと話す今季なかなかノーミスで決められないショートプログラムだろうか。しかしエテリコーチの指導のもと準備は万端のはず。舞台に立ち「ブラック・スワン」に容赦なく変身する姿を期待したい。
ロシアの三番手、デビュー時「氷上のスーパーモデル」と言われたマリア・ソツコワは、エレーナ・ボドレゾワコーチの熱意と期待に応え、強く正しく美しく、順調に成長を遂げ、グランプリファイナル2位、銀河系ロシア女子軍団がひしめく国内選手権でも銀メダルを獲得した。
今大会でも勿論表彰台候補だ。
173㎝と長身のソツコワは、これまで身長についてあらぬことを言われる度、ずっとカロリーナ・コストナーを模範にしてきた。そのコストナーはバッチリ健在だ。ミヒャエル・フースコーチのもとに戻り、心身ともに安定して試合に臨むことができるだろう。
その他にも、ロリーヌ・ルカヴァリエ(フランス)、マエ・ベニレス・メイテ(フランス)、ルナ・ヘンドリックス(ベルギー)等、魅力的なヨーロッパの妖精達がモスクワの氷の上に舞い降りる。
それにしても、花の命は結構長いどころか、とっても長かった。30歳のカロリーナ・コストナーの現在の活躍は、フィギュア女子選手に希望と勇気を与えている。スケートファンだけでなく、フィギュア関係者にもコストナーのファンは多い。
現在のフィギュアスケートの在り方は、ヴィンス・ロンバルディ(アメリカン・フットボールの伝説的ヘッドコーチ)の言う「勝利はすべてではなく、唯一のものである」、「勝利に代わる物はただ一つ嫌悪」というスローガンそのものを感じさせるが、コストナーの演技を観ていると、それを超越したものを感じる。「これぞフィギュアスケート」という言葉が相応しいのではないだろうか。
今回のヨーロッパ選手権は、メドベージェワ、ザギトワ、ソツコワ、コストナーによる四強の闘いがハイライトだが、素晴らしいスケートに感動することが出来たときには、ウォッカで乾杯したい。
セルゲイ・ヴォルコフスキー
1967年ロシア生まれ。モスクワ大学日本語学科を卒業。
日本人と結婚し、ソ連崩壊を機に日本に移住。フリーランスの通訳・ジャーナリストとして活動。日本文化への関心が高じ、ロシア語で俳句を紹介するブログも執筆。ソチ五輪を始めとするフィギュアスケートの国際大会で、記者・通訳としても活躍している。
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