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まもなく全米フィギュアスケート選手権が開催される。アメリカスケート連盟が公表したオリンピック代表の選考基準によると、今日から始まるこの大会は、2017年世界選手権および先月行われたグランプリファイナルと並ぶ、選考に最も重要な3大会の一つである。しかし、女子シングルに関しては、今シーズンのグランプリファイナルに進出できたアメリカの選手がいなかったため、全米の結果が代表選考の結果をより大きく影響するであろう。全体的に安定感に欠けるアメリカ女子だが、3つの五輪枠を巡って、ハイレベルな激戦が展開される予想だ。
三人の女王
全米女王のタイトルを手にして、世界選手権で4位に入賞するなど、先シーズン大活躍したカレン・チェンだが、今シーズンはグランプリ2戦でそれぞれ7位と8位に終わり、納得のいく演技ができなかった。技術面で回転不足を取られやすいのがもちろん課題だが、彼女はプログラムとの相性もいい演技をするには必要だと考え、グランプリ2戦目のスケート・アメリカでショート、フリー両方とも先シーズンのプログラムに戻すと決めた。「去年の世界選手権と全米を思い出すと、やはりこの2つのプログラムと感情的につながっているから、輝きの瞬間ができたんだ。戻すことで、輝きの瞬間を再現できると思う」とコメントしたディフェンディング・チャンピオンのこの勝負プロを、ぜひもう一度全米の会場で見たい。
アシュリー・ワグナー
全米選手権を3回優勝したアシュリー・ワグナーは、言うまでもなく今大会の優勝候補だ。懸念は足首のけが。スケート・カナダで銅メダルを取った後、グランプリファイナルの進出をかけたスケート・アメリカで、ワグナーはフリーの演技中で激痛を我慢できず、やむを得ず棄権した。でも本人は先日のインタビューで「スケート・アメリカの時より劇的によくなったわ、精神的にも、心理的にも、そして最も重要に、身体的にも」と明かし、さらに、フリーのプログラムを元々用意していた「ラ・ラ・ランド」に戻すと発表した。「このプログラムは何か特別なものになるポテンシャルがあると信じる。夏に振りつけたものより、もっとスケールが大きく、エキサイティングなものになった」とワグナーが紹介したこの新しいフリーを、絶対に見逃したくない。
長洲未来が全米女王の王座を掴んだのは、もう10年前の2008年だった。その後、彼女は波のような激動なキャリアを送っていたが、消沈せずに戦い続け、意外にも24歳の「高齢」でトリプル・アクセルという武器を手にした。しかし、この武器は諸刃の剣で、うまく完成する時は高得点が狙えるが、他のジャンプより体力消耗も大きく、残りのエレメンツとプログラム全体の完成度に影響が出るのも否定できない。それでも長洲は「ショート、フリー両方にもトリプル・アクセルを入れるつもりだ。3回転-3回転もやる。すべてを出し切りたいんだ」と挑戦の決意を示した。不安要素が残る中、彼女はこの独特な武器で全米選手権を勝ち抜き、二度目の五輪出場を果たせるのか、本当にワクワクだ。
王座を狙うダークホース
金髪で長身、しかもスイートな笑顔を持つブレイディ・テネルは、見た目からまるでディズニー映画のプリンセスみたいだ。それだけでなく、今シーズン彼女の経歴も、自身が選んだフリープログラムの曲「シンデレラ」と似たようなものだ。あまりにも注目されていなかったから、9月のロンバルディア・トロフィーで196.70の高得点を叩き出した時でさえ、彼女は五輪代表の議論対象にならなかった。ついに11月のスケート・アメリカで、テネルはショート、フリー両方ともノーミスな演技で銅メダルを獲得し、204.10の得点も2016-17シーズン以来、アメリカ女子選手が国際大会での最高得点となった。緊張感溢れる全米選手権の舞台で、シンデレラのストーリーが上演されるのか、楽しみである。
先シーズンのスケート・アメリカで銀メダルを取り、全米選手権の表彰台にも登った時、マライア・ベルは「次のサーシャ・コーエン」とアメリカのスケート界から期待を寄せられた。だが、今シーズン彼女はなかなか会心の演技が出来なかった。重圧に負けず、自身が持つ技術力をすべて発揮し、美しいボディーラインを活かした表現で魅せれば、二度目の全米表彰台も五輪代表選出も射程内なので、彼女のベストを尽くしたパフォーマンスを期待したい。
ウェイ・ション
中国広東省出身、早稲田大学アジア太平洋研究科を卒業。 コンサルタントを勤めながら、フリーランスのジャーナリスト・通訳として活動。数々のフィギュアスケート国際大会で記者会見の通訳を担当する経験があり、昨シーズンから国際スケート連盟ホームページの選手フィーチャーインタビュー・記事も執筆。趣味はフィギュアスケートの各種記録、データを覚えること。
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