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アイスダンスは名前の通り、氷上の舞踏である。優雅で美しいパフォーマンスが見られる一方、今シーズンのパターンダンスの課題はミッドナイトブルースに選定されたため、躍動感溢れるモダンダンスもなかなか見応えがある。しかも、フィギュアスケートの他の競技と違って、アイスダンスのプログラムには予め規定された要素が多く、難易度の差が大きいソロジャンプもないため、一個一個の要素のレベルと出来栄えで勝負が決まる。トップ選手においてパーソナルベストが続出した今シーズン、最後の大舞台となる世界選手権は、ミスが少しでも許されない激しい試合になるであろう。
テッサ・ヴァーチュ/スコット・モイア組(カナダ)
元世界王者の二人が帰ってきた。帰ってきただけでなく、二年半の休憩時間を全く感じさせず、会心な演技でトータルスコアの世界記録を二回も更新した。技術面においては弱点なし、芸術面においては20年にも渡ったパートナーシップから生まれるケミストリーも別格なものである。今シーズン負け知らずの二人は、四年ぶりに出場した世界選手権に再び最高な演技を見せられるか、とても楽しみだ。
ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組(フランス)
世界選手権二連覇中のパパダキス/シゼロン組は、決して王座を譲りたくない。22歳の若さにしては、氷上での演技はとても成熟で洗練されたもので、観客を二人の世界に引き込む力がある。今シーズンの試合では所々に細かなミスが見られ、ショートダンスも若干不安定を見せたが、修正して世界選手権に臨んで、フリーダンスの世界記録ホルダーかつ現世界王者たる実力を発揮できたら、三連覇を十分狙えるのだ。
マイア・シブタニ/アレックス・シブタニ(アメリカ)
シブタニ兄妹の演技の安定感は、トップ選手の中でも特に抜群だ。今シーズン全ての試合において大きなミスを全くせず、安定した演技でパーソナルベストを何回も更新した。特に注目したいのは、世界一と言っても過言ではない、二人の動きがピッタリ合っているツイズルシーケンス。また、フリーダンスの「エボリューション」は繊細で力強く、兄妹ならではの表現でこの世界観を観客に届けるのが楽しみである。
現役選手においてトータルスコアが190点を超えたのは上記3組のみで、彼らは間違いなく今大会のメダル最有力候補だが、他にも180点以上の高得点を叩き出した先シーズンの大会銅メダリストマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)、欧州選手権銅メダリストエカテリーナ・ボブロワ/ドミトリー・ソロヴィヨフ(ロシア)、2013-14シーズンの元世界王者アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ(イタリア)とケイトリン・ウィーバー/アンドルー・ポジェ(カナダ)などが表彰台を狙っている。
また、来年のオリンピックに出場できるのは僅か24組、その内19枠が今大会の順位で決まる。枠取りの緊張感の中、日本代表の村元哉中/クリス・リード組がどんな演技を見せてくれるのかも楽しみだ。シーズン中一時期ケガに悩まされたが、復帰してから調子を取り戻し、先月の冬季アジア大会では160点近くの良い成績を収めた。今大会で実力を発揮し、最高な演技ができれば、オリンピックの出場枠はもちろん、目標としていた世界のトップ10入りを達成、チームジャパンに2枠を獲得するのも決して夢ではない。
J SPORTS 編集部
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