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オリンピックのプレシーズンとなる今シーズンのペアスケーティング勢力図に、大きな変化が見えた。現世界王者のデュハメル/ラドフォード組が少し不振を見せた中、タラソワ/モロゾフ組が機会を掴み、グランプリファイナルに続き欧州選手権を制覇したことで、世界選手権の金メダル候補に挙がった。一方、先シーズンのメダリスト、ウェンジン・スイ/ツォン・ハン組及びアリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ組も最近の試合でペア歴代6位と5位のトータルスコアを叩き出し、絶好調を見せた。シーズン終盤となる世界選手権の大舞台で、熾烈な戦いがいよいよ始まる。
王座を守る メーガン・デュハメル/エリック・ラドフォード(カナダ)
世界選手権二連覇中のデュハラド組は、今シーズンの国際試合において二人にとって納得のいく演技がなかなかできなかった。しかしよく思えば、昨シーズンの世界選手権においても、調子が疑われつつもほぼ完璧な演技を披露し、金メダルを獲得した。ソロジャンプもスロージャンプも世界一の難易度を持ち、リフトなども常に安定しているので、ヘルシンキでデュハラドらしくプログラムの完成度を上げたら、三連覇は十分狙えるはずだ。
新欧州王者 エフゲーニャ・タラソワ/ウラジーミル・モロゾフ
今シーズンのタラモロ組は、想像以上な飛躍的な進歩を遂げた。得点源となる四回転ツイストリフトを封印しながらも、質の高いエレメンツと本当のカップルならではのケミストリー溢れる表現力で、グランプリファイナルに続き欧州選手権の新王者として君臨した。三回目に挑む世界選手権では、今度こそ勢いに乗って、会心な演技で金メダルを狙いたい。
王座奪還へ アリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ
ロビン・ゾルコーヴィとパートナーを組んでいた時期、サフチェンコは世界選手権を5回も制覇した。去年の大会においても、パートナーを組んだばかりのマッソと三位につき、06-07シーズン以来参加した全ての世界選手権でメダルを獲得という偉業を遂げた。直近の欧州選手権では、ショートでミスしながらもフリーにおいては歴代4位の好演技を見せたなど、結成して3年も経たないペアでありながらも、すでに威脅的な存在となった。今大会で二人が最高な演技ができたら、サフチェンコのメダル伝説もまだまだ続くかもしれない。
四大陸覇者 ウェンジン・スイ/ツォン・ハン(中国)
スイハン組は先月の四大陸選手権で圧巻な演技を見せ、大会を四回目制覇した。ウェンジン・スイは去年の5月に両足に大きな手術を受け、一時期車椅子生活を送り、今年の年明けにようやくプログラムの練習を再開できるようになった。その分、オフアイスの練習で表現力を磨き、10ヶ月ぶりに試合に出た時、より成熟した演技が見えた。技術面においては、持ち味である四回転ツイストをすでに復活させ、四回転スロージャンプの調子も徐々に取り戻している。過去二シーズンの世界選手権とも銀メダルを獲得したが、今年はより洗練されたプログラムで更なる上へ目指したい。
挑戦者たち
上述した四組以外、他にも高い実力を持つ挑戦者がいる。ロシア選手権でタラモロ組を倒した五輪銀メダリストクセニア・ストルボワ/フョードル・クリモフ組、欧州選手権銅メダリストヴァネッサ・ジェームズ/モルガン・シプレ組、グランプリファイナル銀メダリストシャオユイ・ユイ/ハオ・ジャン組、四大陸銅メダリストリューボフィ・イリュシェチキナ/ディラン・モスコヴィッチ組、そしてアメリカのアレクサ・シメカ・ケネリム/クリス・ケネリム組なども、覇者たちの隙間を狙って、ヘルシンキの地で完璧な演技ができたら、表彰台に上がるのも不可能ではない。
表彰台をめぐる争い以外にも注目しておきたいのは、日本代表で結成二年目の須藤澄玲/フランシス・ブードロ オデ組の活躍ぶりだ。去年の大会にショートで大きなミスをしてしまい、フリーに進めなかった悔しい思いをしたが、今シーズンはショートが60点台近くまで迫り、フリーも3試合連続100点を超えたなど、演技の安定感が徐々に増し、去年の悔しさを一掃し、満足できるような演技を見せると期待される。
リスキーなエレメンツが詰め込むペアスケーティングだからこそ、何が起こるかが予想できないし、楽しみである。
J SPORTS 編集部
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