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【ロシアフィギュアスケート選手権2017 女子シングル プレビュー】絶対女王メドヴェーデワは完璧なる勝利を目指す 残す2枠を巡る争いはかつてないほど美しく熾烈に
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部2016/2017シーズンのロシアフィギュアスケート選手権が、12月22日から25日にかけてロシア・南ウラルのチェリャビンスクにて開催される。
「私は今よりも、さらに良い演技ができると思う」。今季グランプリファイナルのSPで、79.21という世界歴代最高得点を記録した直後の記者会見で、エフゲーニャ・メドヴェーデワはさらりと発言した。FSにおける世界歴代最高得点(150.10)も、昨季の世界選手権ですでに手にしてしまった17歳は、あくまでも完璧を追い求める。「だって完璧さの追求をやめてしまったら、そこで成長が止まってしまうから」。本人によると、表現力はまだまだ向上できるし、スピンの速度も上げていきたいとのこと。
昨シーズンのグランプリファイナル以来、個人戦では7大会連続で負けなし。しかも今季参加した3大会はSPもFSもすべて1位で終えてきた。パーフェクトな世界を目指して邁進するメドベーデワは、もちろん2年連続のナショナルタイトル(ジュニア時代を含めると3年連続)を、完璧な滑りでつかみとりたいと熱望しているはず。
つまり、新しい才能が急速に台頭してきては、トップが入れ替わる……という冬をいくつも過ごしてきたロシアだが、今年に限っては、メドヴェーデワが頂点を簡単に譲り渡すことはないだろう。
2番手争いでも、どうやら今季は、アンナ・ポゴリラヤが一歩抜けだした感がある。常に高い技術力を誇りながらも、これまでは肝心なところでのミスや転倒に泣かされることが多かった。昨季NHK杯SPの転倒3回の悪夢が、単に強烈に印象付けられていただけかもしれないが…。今シーズンは無事に、日本のファンたちの脳裏に、優美な姿を「上書き」(NHK杯優勝)した。
むしろ本人にとっては、知人がたくさん応援にかけつけ、しかも優勝を期待されていたロシア杯を、とてつもないプレッシャーの中で勝ち取れたことが大きかった。精神的に強くなったともっぱらの評判だ。自信を身にまとい、表情は凛々しく、生来の艶やかさに磨きがかかった。
すると熾烈になってくるのが、世界選手権行きをかけた、残り1枠を巡る戦いだ。候補者はグランプリファイナル進出組の2人、エレーナ・ラジオノワとマリア・ソツコワだけではない。グランプリシーズンは体調不良に苦しんだものの、本気で復活してきたら怖い存在となる元世界女王のエリザヴェータ・トゥクタミシェワもいる。世界戦出場枠が3つでは、本当に足りないくらいだ。
しかもロシアの大地では、美しき花が次から次へと開花し続けている。ジュニアグランプリシリーズを席巻した14歳の2人、アリーナ・ザギトワとアナスタシア・グバノワも、驚くべきスピードで成長を遂げている。特にファイナル時のザギトワは全てのスピン・ステップでレベル4をマークし、SPでは3回転ルッツー3回転トーループを完璧に決めた。ジュニア女子の世界歴代最高得点をSPでもFSでもトータルでも記録し、しかもジュニア女子としては史上初めてトータル200点超えを実現させた(207.43)。五輪金メダリストにして世界選手権9冠の新体操選手アリーナ・カバエワにちなんで、アリーナと名付けられた少女にとっては、初めてのシニアナショナル挑戦となる。
大会数日前に、残念なニュースも飛び込んできた。2014年欧州チャンピオンにして、ソチ五輪チーム金メダルに大きく貢献したユリア・リプニツカヤが、負傷のため出場辞退を発表した。またこの2シーズン、ジュニアでは負け知らずの15歳ポリーナ・ツルスカヤも、右膝の手術のため、ジュニアグランプリファイナルに続き欠場することとなった。
女子 出場選手
1:アナスタシア・グラチョフ
2:アナスタシア・グバノワ
3:アリーナ・ザギトワ
4:アナスタシア・コロミーエツ
5:スタニスラフ・コンスタンティノフ
6:アリョーナ・レオノワ
7:アリサ・ロスコ
8:エフゲーニャ・メドヴェーデワ
9:ワレリヤ・ミハイロワ
10:エリザベータ・ヌグマノワ
11:ナタリア・オゴレルツェワ
12:アンナ・ポゴリラヤ
13:エレーナ・ラジオノワ
14:セラフィマ・サハノヴィチ
15:マリア・ソツコワ
16:エリザヴェータ・トゥクタミシェワ
17:アリサ・フェディチキナ
R:アナスタシア
R:ソフィア
R:エカテリーナ・グセバ
J SPORTS 編集部
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