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女子のメンバーについては、もはや"銀河系軍団"と言うしかないでしょう。
盤石の優勝候補は間違いなくエフゲニア・メドヴェーデワです。"ジェーニャはロボットではなく人間です"とテレビで解説者が真面目に発言することがあるほどの驚異的な技術力、またリリカルな芸術性に加え、素直で大らか、生来の賢さがあり、"雪の女王"とも呼ばれる美しく聡明なエテリ・トゥトベリーゼコーチとの相性と信頼関係も抜群で、その牙城は崩れないだろうという見方が大方を占めています。
アリョーナ・レオノワの「現在メドヴェーデワは皆より遥かに優れています。彼女自身がミスをしなければ、世界選手権までに彼女に追いつくことは難しいでしょう。技術的にも芸術的にも、今彼女は誰の手にも届かないところにいます。」という話からもそれは強く伺えます。
表彰台にはアンナ・ポゴリラヤ、エレーナ・ラジオノワ、マリア・ソツコワが最も近いと予想されています。同じく活躍が期待されていたポリーナ・ツルスカヤ、ユリア・リプニツカヤが怪我で出場出来ないのは大変残念ですが、ベテラン勢から新進気鋭の若手の選手たちまで全く侮れないのが、現在の驚くべきロシア女子のレベルの高さ。それは選手たちのロシア選手権への意気込みからもひしひしと伝わってきます。
一時のアップダウンの激しい時期を乗り越えたことが称賛されているアンナ・ポゴリラヤは「自分の持つすべての力を出したい。ロシア選手権は常に激しい競争になるので、最もハードな試合になると思う。」、また今季シニアデビューの初々しいマリア・ソツコワも「ロシア選手権では必ずハイレベルなスケートをして、3位以内、いいえ、やはり2位以内に入りたい。エレメンツは皆同じなので、トップに追いつくためには滑りの質を上げてコンポーネンツで高得点を取る必要がありますが、それは不可能ではありません。」と虎視眈々。体型の変化からの不調と戸惑いを克服しつつあるエレーナ・ラジオノワ、コンディション如何によって結果が左右されるかもしれませんが元世界女王のトゥクタミシェワ。14歳のアリーナ・ザギトワは、トゥトベリーゼの門下生で、チームメートのメドヴェーデワとツルスカヤに日々刺激を受けながらの練習が実り、今季のジュニアグランプリファイナルチャンピオンとなり、国内選手権に初挑戦します。
以上のように、ロシア女子フィギュアの未来は現在のところ非常に輝かしく、平昌へ誰が行くのかもまだまだ全くわからないという、"嬉しい悩み"で頭を抱えています。私たちは今回の選手権でも、美しい氷上の妖精たちのデッドヒートに、ただただ魅了されることになるでしょう。
セルゲイ・ヴォルコフスキー
1967年ロシア生まれ。モスクワ大学日本語学科を卒業。
日本人と結婚し、ソ連崩壊を機に日本に移住。フリーランスの通訳・ジャーナリストとして活動。日本文化への関心が高じ、ロシア語で俳句を紹介するブログも執筆。ソチ五輪を始めとするフィギュアスケートの国際大会で、記者・通訳としても活躍している。
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