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スポーツテレビ局J SPORTSの人気番組「フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋」2016-2017シーズンがいよいよスタート!日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、ゲストを迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!
今回のゲストは、2008~2009シーズンにオンドレイネペラトロフィーで優勝を果たし、現在はコーチを務める中庭健介先生。現役時代のお話しや、コーチとしての難しさまで、ここでしか聞けない対談をお届けします!
同世代の2人
――今回のゲストは中庭健介先生です中庭:よろしくお願いします。
――さっき若手コーチって言ったけど、何歳?中庭:僕、意外に34です、もう。
――意外に34?どっちに意外かわかんない
中庭:若そうって言われるんですけど、年言っちゃうと「そんなにいってたんだ」って言われちゃうんで。――俺の4つ下か
中庭:そうですね。
――じゃあ、世代は一緒みたいなもんやな
中庭:先生とは長いお付き合いで(笑)。
――現役引退は?何年前になるんかな
中庭:今コーチを始めて6年目ですね。今34なんですけど今年35なので。
スケートを始めたきっかけ
――まあそんな健ちゃんですが。そもそもフィギュアスケートを始めたきっかけっていうのは?
中庭:そもそも一番最初は、同じ施設のスイミングクラブに通ってたんですよ。隣がスケート場で隣がスイミングって形で、僕最初水泳やってて。いつからか隣にあるということで、近所のお友達同士でスケート教室に週1くらい通うようになってからですね。一年間くらい通って、今の自分の恩師である石原美和先生にお声掛けをしていただいて、そこからですね。
――やっぱり楽しくてやり始めたの?
中庭:そうですね、やっぱり楽しかったんでしょうね、今思えば。
――滑ることが?
中庭:いや、ジャンプですね。ジャンプが好きでしたね。
――現役時代にさ、4回転相当こだわってたよね
中庭:そうですね。
――すごかったよね。あれはなんでまた、そんなに?
中庭:シニアになった時に、自分の売り出す武器として、ちょうどジュニアからシニアに上がる時に成功し、そして自分が成功できるようになったっていうタイミングもあったので。あとは跳べる人があまりその当時国内で少なかったので、そういった意味で自分の武器として今後これを磨いていくんだ、っていう気持ちはすごくこだわりとしてありました。
――すごかったよね、見直しも何回も何回も。あれさ、跳んだ瞬間に「あ、降りる」ってわかんの?中庭:わかりますね。
――健ちゃんは空中では目はつぶるの?
中庭:あんまりつぶってないと思います。結構跳んでる選手に聞くんですけど、成功のランディングの前、一瞬で成功するかしないかって空中でわかるっていうか。これいけるってタイミングが来る時はありましたね。
――じゃあみんなに聞いてんねんけど、ダブルアクセルって最初の壁やん。それはいつごろ跳べた?
中庭:今言うと恥ずかしいですけど、小学校6年生ですね。
――小6って今で言うと、普通?
中庭:やはりノービス世代は、当たり前に今跳んでますね。
――そのあと、トリプルアクセルまでは結構時間はあいた?
中庭:これおもしろいことで、一年に1個ずつ跳べるようになっていったんですよ。
――ダブルアクセル、トリプルトウ、サルコウ、ルッツ、フリップ、ループ。ループが最後やったんや
中庭:そうなんですよ。ループすごい苦手で。
――そうなんや
中庭:はい、で、トリプルアクセル。
――じゃあもう7年目だ
中庭:はい。で、4回転。試合で成功させるのが1年ずつ増えてったので、そういった意味ではひとつずつがコツコツと。
――4回転サルコウも跳んでたよね?
中庭:あります。過去に二度成功させたことあります。――それ試合で?
中庭:ちがいます(笑)。非公式です。
人生を変えたKENJIとの出会い
――まあまあ現役時代も一緒だったから、いろいろ話はあるだろうけど。今だからあれ勘弁してほしかったな、ってある?
中庭:最初は、やっぱりお兄さんで、関西の言葉をしゃべってる人ってちょっと恐かった印象がある。だから最初は、宮本先生と会った時は選手同士だったんですけど、その時はちょっと恐いなっていう印象がありました。
――まじで?でも、あんまり俺人前でしゃべってる方じゃなかったでしょ?しゃべってたかな?
中庭:威圧感っていうと失礼かもしれないですけど、ちょっとこう。
――一番最初に会ったのが?ジュニア?
中庭:そうですね。でも、実は最初にこうやって、宮本賢二先生とお会いしたっていう時じゃない時に、宮本賢二という名を知らされた事件がありまして。僕が今ここにいるのも、その宮本賢二という名前に出会ったからかもしれないんですよ。
――言い過ぎでしょ(笑)
中庭:ほんとですって。
――何?何したん?
中庭:僕らの世代ってノービスがなくて、小6からジュニアだったんですよ。で、中学校1年生の時に、初めてジュニアカテゴリーに出て、ブロック大会、西日本大会、全日本ジュニアを目指してる段階だったんですよ。その時西日本ジュニアで落ちてしまいまして、全日本ジュニアに行けなかったですよ。やはりその時に、全日本ジュニアというものに行きたいと思って、そこが僕のスケートを続けるターニングポイントになったんですけど。その時僕、7位だったんですよ。で、全日本ジュニア出場枠が6位までだったんです。そうして順位表を見た時に、ここにいれなかったから負けた、と思って見た1個上が宮本賢二だったんですよ。
――俺か
中庭:そうなんですよ。6位宮本賢二で、「あ、僕はこの人に負けたから行けなかったんだ」ということで、この宮本賢二という活字をものすごく覚えてました。
――なんか、光栄なのか、今更なんでそんなこと言うのかな(笑)
中庭:僕が下で、先生が上で。
――なんか、ごめん(笑)。
中庭:でもそれがきっかけで、次の年がんばれたというのがあったので。先生はその頃くらいからアイスダンスで。だから、実際に宮本先生とちゃんとお会いした時はもうダンスで活躍されている形でお会いしましたね。
一番印象に残っている試合
――現役時代で一番印象に残っている試合っていうのは?
中庭:僕、全日本選手権は相性が良くてですね。初めて4回転を全日本選手権で降りた試合が、自分の中でも印象的に残ってますね。降りた瞬間に興奮しすぎてガッツポーズを3、4回やっちゃってるんですよ。
――プログラム中に?
中庭:プログラム中に。何が印象に残ってるかというと、それでもちろん成績も良かったし、初めて自分が、4回転というものが、自分のアピールとしてみなさんに披露できたものプラス、「あんだけガッツポーズを本番中演技そっちのけでやってるやつ初めて見た」ってお叱りを受けまして。
――俺その時に、健ちゃんの振付師じゃなくて良かったかなって思った
中庭:ですよね。普通だったら、降りてちょっとだけガッツポーズならまだわかるんですけど、降りて一発、降りてチェックをしてフォアのクロスで1、2、3やってるんです。今やったらいけませんよね。
――今、良くないかなあ
中庭:自分でその時の映像をこないだ見た時に、すごい恥ずかしかったです。なんで俺こんなことやっちゃったんだろう?って。
――俺も多分そこにいたよね?
中庭:いました。
――その時、黒のコスチュームやったっけ?
中庭:濃紺ですね。「ゲティスバーグ」という曲です。
――覚えてる!ゲティスバーグ。俺よく知ってる
中庭:ゲティスバーグは、歴代いろんな方々が使っていただいて。
――何、そのゲティスバーグと言えば俺、みたいなかんじ
中庭:ごめんなさい、調子こきました(笑)。
コーチの難しさ
――そういえば、健ちゃんテクニカル・スペシャリストの資格持ってるやん。なんでそれを取ろうと思ったの?
中庭:今の時代、レベルであったりジャンプの回転であったりというものは勝つためには必要不可欠なので、そういう知識をより深く知りたいというのと、今スペシャリストは人材が日本スケート連盟の中でも足りなくて。ひとつはすごく日本スケート連盟にはお世話になって長く現役させてもらったので、そのちょっとした恩返しというか。
――すばらしい。どうしよう俺(笑)。コーチとしてのどんなところが難しいですか?
中庭:選手の時は自分ひとりで悩んで、自分ひとりのために工夫すればよかったんですけど、コーチになったら多数の選手を見る、多数のカテゴリーで男女を問わず。それぞれの悩みをどう解決したり、こういうパターンでうまくいった子に、同じパターンあてはめたらうまくいかないとか、そういうのは結構ありますね。
――試合の時に、選手を送り出す時になんか言ったりするの?
中庭:選手によって変えますね。ついつい「いってらっしゃい」って言っちゃうのは、自分の中では良くないって思うんですけど言っちゃいますね。
――いいんじゃない?いってらっしゃいって
中庭:もっと力強い、その選手が勇気をもらうような一言を探してるんですけど、なかなかないなあと思って。――そう思うってことは、選手ももしかしたら「いってらっしゃいって…」って
中庭:そう思ってる可能性大ですね(笑)。
――そりゃ言ってきますよ時間なんだから、って(笑)
中庭:30秒しかないんですよ(笑)。
――そうか、そういう言葉は難しいよね
中庭:その時の選手の状況もあるじゃないですか。
――その6分間の時は何してんの?
中庭:時間が短いので、なるべく言葉を短めに、時間がなくなるとあせるから、その選手ができるだけわかりやすいように一言二言で修正をしたり、次の指示をしたり心がけてます。
――いつもレッスンしてるからね
中庭:そうです。他の先生方が何言ってんだ?と思うことも、伝わるので。短めに。
――じゃあそのいってらっしゃいで送り出して、帰ってきてキスクラに座るやん。そういう時はどういう気持ちで待ってんの?
中庭:ほんとに試合中はずっと緊張しっぱなしです。自分が選手の時は、自分一回で終わるじゃないですか。でもコーチだと複数の選手がいるし、ずっと緊張しっぱなしです。キスクラでも何を選手に対して伝えればいいのかとか、今後の課題も含めて。でも結構頭真っ白になってることが多いですね。
――じゃああんまりしゃべったりせえへんのや
中庭:あ、しますします、それは。
――何しゃべんの?
中庭:その時自分が感じたことはまず言いますね。あとは選手の感想をまず、聞いてますね。どっちかというと自分がしゃべるよりも、どう感じたのかとか、あそこで何を考えてた?とか、質問するようにはしてますかね。
――そうなんや。じゃあちょっと実際に、中庭先生に習っている選手をちょっと呼んでみたいと思うんで。星くん、実際どういう先生?
川原:言葉のバリエーションが多くてわかりやすいというか。いろいろな角度から教えてくれるので、例えば軸がズレてるにしても、「ちょっと腰が引けてる」だとか。ポイントポイントで、体の一部を使って教えてくれるので、ここをこうしたらいいのかというのがわかりやすいというか。
――なるほど。星くんがすごいキレイに言ってくれて良かった(笑)
川原:大まかに軸がズレてるって言われてもどうしたらいいかわかんなかったりするじゃないですか。なので、ポイントを的確に言ってくれるので。
――自分でも直しやすい?
川原:そうですね。
――コーチとしての中庭先生もちょっとなんかわかったかんじがします。せっかくさ、沖縄で合宿してて、星くんもせっかくやしKENJIの部屋出てよ
川原:お願いします。
――まあもう出てるけど(笑)、ちゃんと星くんの選手としての。先生いいですか?
中庭:ぜひ、よろしくお願いします。
川原:お願いします。
――じゃあ、よろしくお願いします。いやあ、今までみんなおもしろかったからなあ
川原:プレッシャー(笑)。
J SPORTS 編集部
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