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フィギュア スケート コラム 2015年9月22日

【フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋】羽生結弦選手エピソード4(前編)

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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宮本賢二さん、羽生結弦選手

スポーツテレビ局J SPORTSの人気番組「フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋」2015-2016シーズンがいよいよスタート!日本選手はもちろん、海外選手のプログラムも多数手掛ける振付師・宮本賢二さん(KENJI)が、トップスケーターをゲストに迎えて、楽しく、真剣にトークを繰り広げます!
記念すべき新シーズン最初のゲストはソチ五輪・金メダリストの羽生結弦選手。第4回では昨シーズンの中国GPでのアクシデントなどについて語っていただきました。

飛躍の12/13シーズン

――(コーチを)ブライアンにやってもらっていて、どんどんいろんな試合がありました。まずは四大陸があって、全日本は初優勝でした。そこからのグランプリでしたね

羽生:グランプリの年にブライアンに変わって、その年のグランプリ一戦目でショートで世界最高得点を出してるんですね。それが大きかった。それで名前が売れた。
補足)SP世界最高得点(当時)
95.07@GPカナダ 95.32@NHK杯

――いや、名前はもう売れてたけどね(笑)

羽生:自分でもびっくりしました。衝撃的でした。ショートでジャンプの内容は完璧だったかもしれないけど、うまくできてないこともけっこうありました。納得もしてない状態で「90って、え?!95って?!85じゃないの?」って。すごいびっくりしました。
90っていうと当時、パトリック選手がノーミスで92、3の時代でした。90なんて出したら異次元だったんですが、出ちゃったのでびっくりしました。

――出ちゃったんだ

羽生:出ちゃいました。そしたらフリーがボロボロになりましたけど(笑)。

――前と逆に

羽生:そうなんです。その年からショート得意、フリーボロボロのパターンになってきました。

――でも、先シーズンのショートが一番良かったのは、最後の最後のエキシビションの時だったでしょ?

羽生:そうですね。エキシビションで初めてノーミスでした。そのシーズン、エキシビション以外ノーミスがなかったんですよ。

――(笑)

羽生:グランプリファイナルのフリーもあともうちょっとだったのに、ルッツの前にめっちゃ疲れてて、跳べる気がしなかったですもん。

とりあえず基礎点

――跳べる気がしない時はテンション的にどう持っていくの?

羽生:とりあえず跳ぼうみたいな。とりあえず基礎点もらおうみたいな(笑)。

――基礎点大事だよね

羽生:中国杯の時もアクシデントがあって、パンクしたらダメだから、とりあえず回ろうみたいな。コケてもいいやと。コケてもとりあえず回って、マイナス3されようが、ディダクションつこうが、マイナス3でディダクションが一つついても、マイナス4点くらいですよね。
4回転サルコウを跳べば10.5なので6はもらえるわけです。じゃあそれを跳び続けるしかないなみたいな。

――基礎点大事だね

羽生:大事です。

14年GP中国 6分練習での激突

――聞いていいかわからないけど、ぶつかってしまった時は大丈夫だったの?

羽生:車椅子で帰らないといけなかったくらい、足が動かなかったですし。自分でも不思議なんです。あの時なんで4回転回れたのか。なんで4分半あれだけ滑れたのか不思議でしょうがないんです。

――どこかで基礎点と思ってたんじゃない?

羽生:(笑)。基礎点はしっかり考えてました。絶対回れば点数は取れるから。回るだけ回ろうと思って。アクセル一本くらい決めようと思ってました。

14年GP中国 衝突後の状況

――(切ったのはあご下を指して)ここ?

羽生:こっちが一番(切って)大量出血しました。ここが一番パカーっと開いて出血してました。こっちも(頭側部)出血してたんです。頭の横のところを、相手とぶつかった時にさっくりいったのか何なのかわからないですが。

――血はすごかったけど、こっちはそこまで

羽生:そうです、後ろとかは切ってないんです。(あごは)氷に打ってしまいましたが。それだけですみました。(切った頭は)カッといってしまっただけなんで。

――頭は大丈夫だったと

羽生:脳みそが揺れた感覚はなかったです。揺れたことは過去に何度かあると思うんですが。そういう経験が。

14年GP中国 あの激突の真相

――気をつけてね。じゃあ中国杯でぶつかった時は

羽生:頭は大丈夫でした。とにかくあの時スリーターンしてたので、左足でフォアのスリーターンでした。左足でバックに差し掛かる時に、ちょうど相手選手のまっすぐきた膝が(僕の内側に)ここに入ったんです。
そのまま左足で滑ったので、抜けたんです。だからどうしようもなくて。このまま抜けたから、(右足は)ついてないですし、「あ、どうしよう」って。頭も痛かったし、ああヤバイと思って(お腹から)いきました。
一番最初はお腹に入って、お腹が痛くて痛くて仕方なかった。スケーターはみんな誰しもが経験することなんですが。 前にいっちゃうんです。ちっちゃい頃に絶対あります。しかもトップスピードで。ガンっていって、みぞおちが痛くて息ができない状態。アレの20倍増しくらいの痛さでした。

羽生結弦選手

――想像できないわ!だから動けなかったんや

羽生:最初は意識があって立とうとしているんですよ。立とうとしたんですが、みぞおちが痛すぎて、筋肉も収縮しちゃって背中を起こせなくて、ずっと屈んだ状態で。この状態もしんどかったので、とりあえず横になって。
レフェリー笛ならしてくれないなあって思いながら、みんな練習してるなあ、でも痛いなあとか思ってたのを覚えてます。中国のドクターチームが来て、担架を持ってきてくれたんです。大丈夫?歩ける?って言われて。「いいよ、そんなんいらんし、普通に出るし」ってやってました。

――頭じゃなくてよかったね

羽生:頭じゃなくてよかったですね。あれはみんなに出血がこっちからこっちまであったんですが、(頭部の方は)出血はあったんですがそれほどでもなかったので。こっち(あご下)の方の出血がひどかったので。

一番辛かったのはシットスピン

――(相手とぶつかって)筋肉にあたった

羽生:筋肉が持って行かれた感じだったので、肉離れみたいな痛みでした。ここって痛いじゃないですか。なんでも使うので、ジャンプよりもシットスピンが地獄でした。

――(笑)

羽生:結構意識ありますね。あの試合。

――そうやね。シットスピン痛そうやね、もも痛いのに

羽生:シットスピンって我慢しなきゃいけないじゃないですか。

――降りる時の足がね

羽生:シットスピンは地獄でしたね。だから覚えているのは、サルコウで転倒して、トリプルで転倒して、フリップを降りて、コンビネーション・スピンに入るんです。その時にシットスピンやりたくねー、シットスピンやったら立てるのかな?って思ったのは覚えてます。

――シットスピンのままシットという

羽生:座っちゃう的な

――俺はウケを狙って言ったわけではなくて

一同:(苦笑)

【フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋】羽生結弦選手エピソード
◆エピソード1
»前編の記事はこちら »後編の記事はこちら
◆エピソード2
»前編の記事はこちら »後編の記事はこちら
◆エピソード3
»前編の記事はこちら »後編の記事はこちら
◆エピソード4
»後編の記事はこちら

J SPORTS編集部

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