フィギュアスケートコラム 2014年12月23日

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋【織田信成エピソード4】

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部

振付師の宮本賢二さん（KENJI）が、日本を代表するトップスケーターを毎月1名、ゲストに迎えてお送りする30分のトーク番組「KENJIの部屋」。今月のゲストは、織田信成さんです。第4回では皆さまから募集した質問にお答えします！

お気に入りのプログラム

織田：KENJI先生のプログラムはすごく滑りやすくて、感情を込めやすいです。その選手の動かしやすい体の使い方があるじゃないですか、それを瞬時に判断して、これよりこっちの方がいいなって変えていって、出来上がりはのびのび滑れる。でもちゃんと曲の要所要所でピッタリと合って、しかもかっこよくて。

――たまには文句言っていいねんで（笑）

織田：あははは。いや本当に、すごく滑りやすい。お気に入りは"Around The World"です。足をエアギターにして滑るという。

――それは、自分が「俺、エアギターでやりたいっす」って言ったやん（笑）

織田：今でも覚えてるし、またやりたいな、あの感じ。

――途中から「なんでこんなしんどいことさせるの？」ってちょっと怒ってたもんね

織田：怒ってないです（笑）。良い曲ですよね。

――あれは良かった。ファンの人じゃなくて普通の全然知らん人が「レッチリ使うとはすごいよね、信成くん」って言ってて、しかもそれを滑りこなせるのがすごいよ

織田：最終的に担ぎ上げてもらって（笑）。

――担ぎ上げる時は、俺と岳斗先生と武史先生で持ち上げとくわ

練習中は不機嫌！？

織田：何かあります？僕に教えててやりづらいこと。

――ずっと不機嫌なこと

織田：不機嫌じゃないんですって。多分明子ちゃんも同じ悩みを抱えてると思いますけど。

――明子ちゃんとノブがちがうのは、明子ちゃんはずっと目見据えてて、パッと向こう行くねん。ノブの時は、目あちこち見てるねん

織田：僕ね、ジッと聞いてたら集中できないんですよ。集中する時って、人の目を見たらダメなんです。目を見てると目に意識がいっちゃうじゃないですか。だからあんまり話が入らないって聞いて。人の話を集中して聞きたい時は、話を聞いてから目を合わせるって言われたんですよ。

――ああ、そうしてるわ。それが機嫌悪いとずっと思てた

織田：聞く時はもしかしたら失礼で不快な思いさせてるかもしれないですけど（笑）、頷いてたらきっちり話聞いてるんだなって思ってくれたら。選手との相性とかってあります？僕のこと嫌いみたいですけど（笑）。

――おまえのこと大好きってさっきから言ってるやん

織田：全然不機嫌じゃないですもん。

――相性は特にないよ。みんな真剣やし、俺が言うてるの大体冗談やし

織田：相性ないですか？

――合わなければ俺が合わす

織田：やっぱりじゃあ合わない人もいるってこと？

――うまくいかない時に、怒ってできる人と褒めてできる人がいるやん。それはその時に変える

織田：僕はちなみにどっちですか？

――結構叩いて叩いて、の方かな

織田：ムチ系？僕、結構Mなんで。

――Mなんですか？

織田：そうなんですよ。だからムチ系結構好きです。しっかりした意見がほしいので、イエスマンみたいなのが怖いんですよ、周りが「いいよいいよ」って言ってくれると。KENJI先生はすごくアドバイスくれるから、先生の考えとかアイデアをいつも聞いてます。そのアイディアってどこから出てくるんですか？

――選手を見て。レッチリの時なんかはノブすごく元気やったやん。それをどれだけ疲れさせてやろう、とかさ。振りの一部は絵画であったり色々やるけど、その人にとって一番似合う形がこれかなみたいなやつとか。あの時パンチ力あったやん、だからそれに似合うような感じ

今聞きたい3つの質問！

織田：「コーチと選手のちがい」。選手の時は、やっぱり選手が一番大変だなって。先生ももちろん大変だけど、やっぱりプレッシャーのかかる舞台で戦う選手たちが大変なんだなって思ってたんですけど。コーチも、同じかそれ以上に大変だなってすごく思います。というのも、忍耐力の種類がちがうんですよ。選手は肉体的なことの方が多くて、精神的には本当に好きなことをやっているって意味では開放的なところもあるんですけど。コーチたちは、選手のことを一番に思わないといけないから、時には厳しくしたり優しくしたり、ここは我慢しなあかんっていうところはグッとこらえたり、コントロールが全然できてないから難しい。怒っちゃいけないタイミングで怒って、全然練習しなくなっちゃったりとか。

――まあ、それも経験やね

織田：それをいつもすごく反省します。もうちょっと言い方あったんやろな、とか。でも最近、小さい子たちからお手紙もらって。「すごい楽しいです、これからも教えてください」って。今の宝物にしてます、初めてそう言ってもらえたから。コーチは忍耐、包容力が必要かな。先生はどうですか？

――俺は振付師やし、コーチが一番大変やからさ。それを横で見てて俺も入りたいなとは思うけど。次の質問いこ（笑）。「肌がとてもキレイですが、何か特別なことはしていますか？」

織田：モッチモチぷるるん肌じゃないですか。

――ちゃんと顔を洗って、化粧水をつけて寝るくらい

織田：パックとかもするんですか？

――せえへんわ。肌が弱いからそういうのをしてるだけ。なんやねんそれ（笑）。じゃあ次。ツイッターで、織田信成さんに質問というのを募集したの。それを聞いていきたいと思います。「織田さんがもしアイスショーを企画するとしたら、こんなアイスショーをやってみたいとかイメージはありますか？」

織田："コメディオンアイス"。ずっと喜劇。もちろん選手たちの個々の演技は真面目なの物もあるんですけど、ストーリーとしてはおもしろい、笑える、子供たちも喜べる、そんなコメディオンアイスがあったら楽しいやろうなって。

――「もしも織田くんがKENJI先生のために振り付けをするとしたら、どんな曲が浮かびますか？何かイメージがあれば教えてください」

織田："座頭市"！タップの曲とか、KENJI先生にやってもらいたいと思う。

――じゃあ次。「こだわりとは？」

織田：振付師としてのこだわり、人生のこだわり、なんでもいいんですけど。先生がこだわりを持ってこういうことをしているっていうお話があれば。

――まず選手をものすごく見てからじゃないと振り付けはしない。その人のクセとか、得意なジャンプであったりとかスピンであったり

織田：じゃあ初めて振り付けするってなったら、練習をしっかり見るんですか？

――まずスケーティングからやってもらって、バッククロス、バレージャンプ、イナバウアー、イーグル全部やってもらってからやる。その人の良いものはどれなのか、不得意なのはどれなのかというのをわかるようにしてやってる。それにすごくこだわってる。全然知らない人の曲だけ渡されてっていうのは、ちょっとできひん。時間をくださいって言う