【フィギュア欧州選手権レポート】 女子ショートプログラム公式練習

欧州選手権は1月28日、いよいよ女子シングルが開幕する。28日朝の公式練習では、マイナス3度の気温のなか、選手たちが引き締まった表情でジャンプやステップの練習をこなした。

第4グループは、カロリーナ・コストナー（イタリア）、アレナ・レオノワ（ロシア）、エレーネ・ゲデバニシビリ（グルジア）、マエ・ベレニース・メッテ（フランス）、クセニア・マカロワ（ロシア）、バレンティーナ・マルシェイ（イタリア）の6人。

今季好調のコストナーは、曲かけ1番手で登場。ジャンプは入れずに、「ガリシアフラメンコ」の力強く妖艶な踊りを披露した。開始後20分後くらいから3回転ジャンプを次々ときめる。スピードと飛距離のある3回転トウループ＋3回転トウループを決めると、手ごたえを感じた様子。その後はステップやスピンの練習に専念していた。オリンピック前はアメリカに渡り新境地を開拓したが、今季からドイツのミハエル・フース先生のもとに戻り、滑りの良さを基礎にした演技を追求している彼女の滑りに注目だ。

レオノワは、「ポルカ」に合わせた軽快なステップや踊りを確認。ジャンプは、15分すぎから、3回転トウループ＋3回転トウループを何度も確認していた。転ぶことはないが着氷でバランスを崩す時も。寒さで身体が温まらないのか、いつもよりスピードのない様子だった。ゲデバニシビリは、強くプッシュするキレのあるスケーティングで、最初からひときわ目立つ動きを見せる。3回転＋3回転のジャンプ練習はあまり入れずに、スピンやステップを入念に確認した。

メッテは黒人ならではのバネのある筋肉を生かした、力強さとキレのある動きが魅力。この朝も、ブレードが氷を削る「ゴーッ」という音をさせながら、男子顔負けのスピードと高さのあるジャンプを成功させていた。マカロワは、早くからウォーミングアップを済ませると3回転トウループ＋3回転トウループを次々と成功。10分以上の練習時間を残して、リンクを後にした。マルシェイは、ひととおりのジャンプをミス無く決めると、ステップやつなぎの要素など、演技面の練習に専念していた。

第5グループは、キーラ・コルピ（フィンランド）、サラ・マイヤー（スイス）、ビクトリア・ヘルゲソン（スゥエーデン）、サラ・ヘッケン（ドイツ）、ソニア・ラフエンテ（スペイン）、ジェナ・マッコーケル（イギリス）の6人が登場。

コルピは、柔らかいスケーティングと華麗な表現力を存分にアピール。20分すぎくらいまでは3回転ループの練習を繰り返していたが、最後に身体が温まってくると3回転トウループ＋3回転トウループに取り組み、そのほとんどを成功させる好調ぶりだった。

マイヤーは今大会が引退試合。オリンピック後の引退の予定だったが、地元スイスでの欧州選手権開催で「応援してきたくれた方々の前で滑りたい」といい出場を決めた。練習では3回転ルッツ＋2回転トウループも難なく決め、腰痛などの故障の影響を感じさせない仕上がり。今は練習量を減らしているという彼女は、公式練習も10分ほど残して早めに切り上げた。

ヘルゲソンは、スピードを生かした高さのあるジャンプが魅力。この朝も、誰よりも高い3回転ループで宙を舞い、好調をアピールした。ヘッケンは3回転フリップ＋2回転トウループを中心に練習。スピードのあるスケーティングにさらに磨きがかかった様子だ。

ラフエンテは、本番に向けて体力を温存しているのかジャンプの練習はほとんど入れず、スピンやステップを入念に確認していた。

最終スケーターは、ケビン・バン・デル・ペレンの妻であるマッコーケル。ペレンは前夜の男子ショートプログラムで、4回転+3回転ジャンプを成功し4位スタートと波に乗っている。マッコーケルも「死の舞踏」の激しい音楽に合わせて、パッション全開の演技を披露。本番へと意欲を高めていた。

女子ショートプログラムは、現地時間の28日14：00から行われる。