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欧州フィギュアスケート選手権が、1月19日、エストニアのタリンで開幕します。ヨーロッパの選手にとっては、バンクーバー五輪前の最後の戦いです。
ファンや関係者にとって、最も注目したいのはやはり男子シングルス。なにしろ来るべきバンクーバー五輪のメダル候補はライサチェク(アメリカ)、チャン(カナダ)、高橋・織田・小塚(日本)とヨーロッパ外にも大勢存在する上に、ヨーロッパにもジュベール(フランス)、ランビエール(スイス)、プルシェンコ(ロシア)、ヴェルネル(チェコ)etc.と強豪がひしめいているのですから。
ところでメダル争い過熱化の一因は、元世界チャンピオンのランビエールと、元五輪金メダリストのプルシェンコの復帰であることは間違いありません。しかしこの2人、果たして五輪メダルをさらえるレベルに復活しているのかどうか。欧州選手権の2人の演技には世界中からの視線が注がれるでしょう。それでは、2人の大会直前の状況は……?
■ランビエール、新フリープログラムで挑む
今季出場した2つの公式戦で、ランビエールはSP「ウィリアム・テル」、FS「ブエノスアイレスの秋」を披露しました。ところがピアソラの奏でるタンゴの「哀愁や悲劇的なイメージは、今現在の心境にそぐわない」と、約2年前に作られたフリープログラムとの別離を発表。欧州選手権には全く新しいプログラムで挑みます。
「ボクにはフレッシュさが必要」と選んだ曲はヴェルディのラ・トラヴィアータ(椿姫)。理由は「お祭りのような陽気な雰囲気が気に入った。それにワルツの3拍子が、ボクの気持ちを引き上げてくれる。この曲には魔法があるよ」とのこと。明るく軽やかなランビエールの心境が伺えるようです。さらに「(欧州選手権は)テストなんだ。もしもプログラムで何か変えたり、改良したりする必要があるなら、五輪までまだ3週間も時間が残されているから」と、かなり割り切って考えているようですね。
痛みを抱えながらも、大好きなフィギュアスケートの世界に戻ってきたランビエールですが……、ファンが気になるのは五輪後の動向でしょうか?本人は「続けるという選択肢も除外しない」というあいまいなニュアンスのセリフを口にしていますが、つまりは続行の意思があるということ。続行するかどうかの決め手は、五輪の成績ではなく、肉体的に持つかどうかにかかっています。
■プルシェンコ、内容重視
復帰後初の直接対決とあってメディアは「プルシェンコvs.ランビエール」をかなり煽っているようですが、プルシェンコ本人は「欧州でメダルが取れるかどうかはそれほど気にしていない」とのこと。むしろ五輪を見据えて、満足の行く、内容の濃いスケーティングを見せたいと発言しています。ランビエールと同じく、やはり本番は五輪。
ちなみにロシアメディアには「夫人ヤナ・ルドコフスカヤもバンクーバー五輪に完全帯同」とか、「五輪中は選手村ではなくホテルに滞在したいとか言っていたが、考えを変えて選手村で滞在するらしい」とかの周辺話題が多く、肝心のプルシェンコの調子に関しては漏れ聞えてきません。むしろライバルのスイスメディアが、プルシェンコの最近の調子をリポートしているんです。
1月中旬にプルシェンコと接触を図った人物の証言によると――
・腰とヒザが痛いらしい
・ジャンプ、ステップ、スピンなどはすこぶる調子が良いらしい
・スケーティングはまだ十分なスピードを取り戻せていないようだ
・しかし欧州選手権はまだ100%の状態ではないだろう
あくまで曖昧な情報なのですが。スケーティングスピードが以前より遅いのではないか?という問題に関しては、ファンやメディアの間でも少し話題になっていますね。辛らつなコメントが売りの欧州のTV解説者&元選手フィリップ・ペリシエ氏が「プルシェンコは『たるい』スケーターになっちゃったね」と言っているほど。でもペリシエ氏が「それでもプルシェンコは優勝できる」と断言していますから、心配は無用なのかもしれません。
※後編に続く…
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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