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フィギュア スケート コラム 2010年1月6日

【フィギュアスケート】欧州からバンクーバーに来る選手は誰だ?

フィギュアスケートレポート by 宮本 あさか
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バンクーバー五輪の表彰台の行方を占うビッグ大イベント、フィギュアスケート欧州選手権まであと2週間。欧州選手権後に五輪代表が決定する国々……チェコ、ロシア、スイス、スウェーデンの選手などは、気合の入ったトレーニングに明け暮れているころでしょうか。一方で早めに五輪行きを決めたフランス代表メンバーと、そしてベルギーのあの選手は、心静かに最終調整をつんでいるに違いありません。

■ベルギー
五輪枠:男子1(ケヴィン・ヴァンデルペレン)、女子1
ベルギーといったらVDP、つまりケヴィン・ヴァンデルペレン!2007年には母国に50年ぶりの欧州選手権メダルをもたらしたいわば英雄的スケーターは、すでに五輪出場権を手に入れました。もちろん、ベルギー五輪委員会が定める「バンクーバー代表入り基準」をきちんとクリアしています。

<ベルギー五輪委員会の定める基準>
以下の3つの条項のうち最低1つを満たすこと
・2008/09シーズンの世界選手権16位以内
・2009/10シーズンの欧州選手権12位以内
・2008/09・2009/10のグランプリシリーズにおいて6位以内が2回、そのうちの1回は2009/10シーズンであること
(グランプリシリーズに関しては、入賞大会のレベル・出場者顔ぶれ・出場者数など、五輪選考大会としてふさわしいかどうか考慮される)

つまりVDPは昨シーズンの世界選手権で14位に入り、しかもグランプリシリーズで昨季6位1回+今季5位1回ですから、3つの条項のうち2つを満たしています。来るべきエストニア開催での欧州選手権でも12位以内に入る可能性高し(現在5年連続でトップ7入り)。ベルギー代表として、人生3度目の五輪へと向かいます。女子ではイザベル・ピエマンの名前が、ベルギー五輪委員会の選考対象リストに掲載されています。昨世界選手権40位・昨欧州24位・グランプリシリーズ不出場の彼女にとって、基準クリアは少々難しいかもしれませんが……。

■チェコ
五輪枠:男子2、アイスダンス1、(予備女子1)
チェコ国内選手権:男子1位ミハル・ブレジナ、2位トマシュ・ヴェルネル
国内選手権では後輩のブレジナが栄光に輝き、飛び飛びながらも6大会連続優勝してきたヴェルネルは9年ぶりの2位に沈んでしまいました。ただし07/08欧州選手権チャンピオンは「ブレジナに負けたことはよい教訓となった」と、来るべき本番に向けて前向きに捕らえています。年末には母国チェコのTVに五輪メダル期待の星としてゲスト出演し、欧州選手権→五輪→世界選手権への意欲を語っていたようですね。ナショナル後の12月21日、チェコのフィギュアスケート連盟が欧州選手権のメンバーを発表しました(男子はもちろんヴェルネルとブレジナ、補欠カシュカ)。その同じプレスリリースには、五輪メンバー選出はフィギュアスケート連盟とチェコ五輪委員会の代表による話し合いで決定されるだろう、と書かれています。

■ロシア
五輪枠:男子2、女子2、ペア3、アイスダンス3
ロシアフィギュアスケート委員会も、欧州選手権の出場メンバーを発表しました。注目の男子シングルスはナショナルで1位・2位に輝いたプルシェンコとヴォロノフが順当に選出。またペアで優勝した川口&スミルノフ組もロシア代表としてエストニアに向かいます。

男子:エフゲニー・プルシェンコ、セルゲイ・ヴォロノフ(補欠アルチョム・ボロドゥリン、コンスタンチン・メンショフ)
女子:クセニア・マカロワ、アリョーナ・レオノワ、オクサナ・ゴゼワ(補欠ゲルボルト・カタリナ)
ペア:川口&スミルノフ、ムホルトワ&トランコフ、バザロワ&ラリオノフ(補欠ノヴィク&クズネツォフ)
アイスダンス:ドムニナ&シャバリン、ボブロワ&ソロビエフ、ホフロワ&ノビツキー(補欠ルブレワ&シェフェル、リャザーノワ&トカチェンコ)

この欧州代表が、ほぼ五輪代表と言っても間違いないのでしょうか。ただし女子だけが欧州3枠>五輪2枠なので、エストニアでも激しいライバル争いが繰り広げられるのかもしれません。ところで男子補欠のメンショフ選手は、シーズン前にロシアフィギュアスケート連盟が発表した第1ナショナルチーム(いわゆる特別強化メンバーでしょうか)には入っていませんでした。年末のロシア国内選手権で4位に入ったため、補欠とはいえ欧州選手権代表リストに名前が載ったわけですね。

さて、このロシアナショナルチームのメンバー選定方法ですが、ロシア五輪委員会が大まかな骨格を定めています。この骨格を参考に、各競技連盟は独自の方法でナショナルチームを選定してもよいことになっています。

・ロシア国内選手権、欧州・世界選手権、グランプリシリーズでの成績が基準
・成績だけでなく、進歩の程度、健康状態も考慮すること
・オリンピックの4年サイクルを3段階に分けて選定
-第1段階(2006/07シーズン) 将来的にハイレベルな成績が残せるだろうと予想される選手を選出
-第2段階(2007/08~2008/09シーズン) 第1段階で選ばれた選手の中から最も可能性の高い選手を選出
-第3段階(2009/10シーズン) IOCや各競技連盟のルールに則って五輪代表にふさわしい選手を選出

ちなみに今季男子シングルスの第1ナショナルチームはボロドゥリン、ヴォロノフ、グリゴリエフ、ルータイ、プルシェンコ、ウスペンスキーの6人でした。ただしルータイは残念ながらアメリカにおける窃盗&飲酒運転容疑で、2010年11月までナショナルチーム復帰を禁じられています。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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