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ラグビー コラム 2026年10月26日

【ハイライト動画あり】男子日本代表、100周年記念試合を勝利で飾れず フィジー代表の気迫に痛恨のミス続く

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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無念の敗北だった。「ブレイクダウンで何度もターンオーバーを許したのは残念。教訓として受け止めたい」。エディ・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチは悔しさをかみ殺すように語った。9月19日のパシフィックネーションズカップ(PNC)決勝戦では、フィジー代表を破った日本代表が、7年ぶりの優勝を飾った。しかし、フィジー代表はその悔しさを糧に見違えるような動きを見せた。

10月24日(土)、「日本ラグビーフットボール協会創立100周年記念試合」として開催された「リポビタンDチャレンジカップ2026」は、秩父宮ラグビー場に15,711人の観客を集めて行われた。午後2時50分、日本代表のキックオフで試合は始まった。朝からの雨は一時的に止んでいた。いきなりLOジャック・コーネルセンがフィジー代表SHテリオ・タマニのキックをチャージし、大きな歓声があがる。直後のフィジー代表ボールのラインアウトでもコーネルセンが相手ボールを奪った。以降も日本代表はフィジー代表のラインアウトに圧力をかけ続けた。

先制したのは日本代表だった。前半6分、ラインアウトからのモールを押し込み、最後尾についたSH齋藤直人がトライをあげる。FB松永拓朗のゴールも決まって、7-0。しかし、直後のキックオフでNO8マキシ ファウルアが痛恨のノックフォワード。このスクラムから連続アタックを許し、前半10分、FLキティオネ・サラワにトライを奪われる。

その後は点の取り合いとなる。15分、フィジー代表のHOテヴィタ・イカニヴェレがトライすると、22分、日本代表LOワーナー・ディアンズがSH齋藤のパスを受けてトライし、14-14に追いつく。しかし、25分、自陣からSO伊藤龍之介が仕掛けたところでパスミスが起こり、フィジー代表CTBツイドラキ・サムサムヴォドレにトライされ、再び14-21と突き放される。フィジー代表のタックルの強度はPNC決勝時よりも高く、激しいように見えた。そのプレッシャーのなかで、日本代表はハンドリングエラーが多くなり、持ち込んだボールを何度もスチール(ジャッカル)された。

ラグビー日本代表強化試合 リポビタンDチャレンジカップ2026(10月24日)

【ハイライト】日本 vs. フィジー

前半35分、モールからマキシがトライして、21-21に追いつくも、後半4分、フィジー代表陣に深く攻め込んだところで、CTBチャーリー・ローレンスが激しいタックルを食らってボールを奪われ、そこから一気にボールを繋がれてWTBナザニ・ボンギニソコに大きなゲインを許す。SHテリオ・タマニにトライされ、21-28。13分、この試合で初めて日本代表の連続攻撃がつながり、ワーナーのトライで28-28としたが、日本代表の得点はこれが最後だった。14分、フィジー代表はベテランのSOベン・ヴォラヴォラを投入。21分にはSHフランク・ロマニを投入し、ベテランのHB団が試合をまとめていく。ヴォラヴォラがPGを2本決め、キックで陣地を進めながら試合をコントロール。ノーサイド直前に日本代表も逆転トライのチャンスを作ったが、ミスで万事休す。28-34で敗れた。

ラインアウトでは優位に立ったが、スクラムはPNCのときのようにはプレッシャーをかけられなかった。この件について、先発PR紙森陽太は「9月の試合の分析よりも、フィジーのスクラムが低かった」と証言している。ブレイクダウンでも徹底的にプレッシャーを受け、超速アタックも不発だった。「簡単なミスが多かったです。ブレイクダウンに入る選手が一歩遅かったりした。修正したいです」と、ワーナー共同キャプテン。HO原田衛は「サポートが遅れていたのと、ボールキャリアーがいいゲインを切れなかった。相手の方がハングリーだった気はする」と体感を語った。

ジョーンズヘッドコーチは攻撃面についても不満だったようで、「外にあるスペースをすぐに攻めず、コンタクトしてはボールを失っていた。経験を積むしかない」と険しい表情で話した。記念試合を勝利で飾れなかったのは痛恨だが、忘れられない悔しさが成長につながると信じたい。

ジェイク・ホワイト新ヘッドコーチのもと雪辱を果たしたフィジー代表には笑顔がはじけた。HOテヴィタ・イカニヴェレキャプテンは次のように話した。「1カ月前、PNCの優勝を奪われました。勝利を取り返そうと、ここに戻ってきました。100周年の記念試合は100年に一度のことです。こうした記念の試合で勝つことができて、プレーヤーのエフォートを誇りに思います」。

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ジェイク・ホワイトヘッドコーチは安堵の表情で語った。「国代表のヘッドコーチを務めるのは20年ぶりのことで、お菓子屋さんにいる小さな子供のころのような気持ちで本日を迎えました。就任から短い時間しかなかったのですが、一番大切にしたのはゲームのコントロールです。フィジーがトライを取る力があるのは皆さんご存じのとおりです。本日の試合の最後の10分、15分に見せたコントロールの力はこれまでのフィジーにはなかったことです。そこをお見せできてよかったと思います。この勝利は自信につながります」。2007年のラグビーワールドカップで南アフリカ代表を優勝に導くなど、世界の名将の一人であるホワイトヘッドコーチの面目躍如の結果でもあった。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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