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ラグビー コラム 2026年3月23日

【ハイライト動画あり】ラストプレーで逆転PG。ヒート、ブレイブルーパスとのドッグファイトを制す。

ラグビーレポート by 田村一博
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自分で「蹴る」意思を示したことが画面越しにも分かる。
試合終了直前の数分間、ゴールキッカーにかかる重圧と心の動き、そしてヒーローになったときの開放感を見ることができる。

3月22日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた東芝ブレイブルーパス東京×三重ホンダヒートはキックオフから80分が経ったことを伝えるホーンが鳴った後に勝負が決まる好ゲームとなった。
後半42分に逆転のPGを決めたのはヒートのCTBダーウィッド・ケラーマン。24-22のスコアだった。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれた殊勲者は、自身のリーグ通算50キャップ目だった試合に自らのプレーで勝利を呼んだ。
後半39分にはラストシーンと同じスコアの中で、似たような距離のPG機があった。それを外したときにはスタジアムを落胆の空気が包んだ。

しかしその直後、リスタートのドロップアウトで蹴り上げられたボールを受けたヒートの選手たちは力強く前に出続けた。
自陣10メートルラインあたりから一人ひとりのボールキャリアーが激しく前に出る。ブレイブルーパス側の反則を誘った。

数分前にヒーローになれなかったケラーマンの、そのときの表情に決意が浮かぶ。ベンチに下がっていたHOテビタ・イカニヴェレはキックのシーンを直視できず、祈るように芝の上に伏していた。
すべての人の目が集まる中で、ケラーマンが右足を振り抜いた。

そのシーンを振り返って、キアラン・クローリーヘッドコーチは「もちろん(ケラーマンを)信じていましたよ。疑ったことはありません」と話し、ゲームキャプテンを務めたLOフランコ・モスタートは、「彼はとても良い友人です。冷静なことを知っています。一方でスタンドオフとしては経験が浅いので(この試合、途中からその位置に入った)、キックを狙うといった判断で迷う部分もあったかもしれません。でも決めてくれると信じていましたし、決まって本当に良かった」。
信頼を一身に背負う中で、40メートル超のキックをよく決めた。

ジャパンラグビー リーグワン2025-26(3月22日)

【D1 第12節 ハイライト】東芝ブレイブルーパス東京 vs. 三重ホンダヒート|ジャパンラグビー リーグワン2025-26(3月22日)#leagueone

前半はお互いのチームが1トライずつを取り合った。ブレイブルーパス5点、ヒート7点と、競った展開のまま後半に入った。
後半8分、ブレイブルーパスのHOアンドリュー・マカリオの強烈なボールキャリーからのトライ、SOリッチー・モウンガのコンバージョンキックで7点を得て12-7とリードを奪う。そして、残り20分となった頃からの攻防が一層激しくなった。

J SPORTS 放送情報

後半19分に山下楽平、23分にテビタ・リーと両WTBがトライを挙げたヒートに対しブレイブルーパスは、12-21で迎えた後半33分にFLアフ・オフィナのトライ、モウンガのGで19-21と迫る。そして37分には、PGで22-21とスコアをひっくり返した。

このPGを得るまでのブレイブルーパスの一連のプレーを見てほしい。
自陣から激走してボールを大きく前へ進めたNO8リーチ マイケル主将の気迫。その後のラックから判断よく蹴り、50/22キックで敵陣深くへチームを運んだSH小川高廣の広い視野。37歳と35歳の高い経験値を感じられる。

お互いが死力を尽くした試合を振り返り、敗れたブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHCは、終盤に相手にプレッシャーをかけ、逆転したことについては選手たちの奮闘を称えるも、「最後のところは規律の乱れ、敗戦に結びついてしまいました。今日だけではなく、チームとして相手に対して自分たちらしくラグビーをしていくというシンプルなことになかなか一貫性を持てない。それが自分たちの現状」と話した。

2月7日に宇都宮で44-38と勝利したのに続き、ブレイブルーパスに連勝したことについてゲームキャプテンのモスタートは、敵陣22メートル内に入った時の決定力を課題としながらも、「素晴らしい80分間だった」と総括して続けた。
「勝利に飢えているタフなチームが相手でした。ディフェンスに関しては、最高の一日でした。グラウンド上ではまさにドッグファイト(泥臭い死闘)が繰り広げられました」
体を張り続けて勝利をつかんだ仲間たちを誇りに思う気持ちが溢れ出していた。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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