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【ハイライト動画あり】デクラーク、前半3トライで横浜イーグルスをけん引 12位が1位神戸スティーラーズを破る革命的勝利
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
首位に立つコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)が、地元神戸でディビジョン1最下位の横浜キヤノンイーグルス(横浜E)を迎え撃つ。ファフ・デクラークの復帰で上り調子の横浜Eとはいえ、負けることはないだろう。多くの神戸サポーターがそう思っていたはずだが、内容は大方の予想を覆すものだった。3月20日(金)、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場には、今季最多の11,416人の観衆が集った。「兵庫県民応援デー」と銘打ち、抽選で県民に150円の優待価格で観戦してもらう企画も功を奏した。150という数字は、兵庫・神戸で初めてラグビーが行われたとされる1876年から150年の節目にちなんでいる。
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現在12位に甘んじる横浜Eとはいえ、第1節以来負傷欠場していたSHファフ・デクラークが前節から復帰。三重ホンダヒートから勝利をあげている。そんな横浜Eを警戒してか、神戸Sは今季のベストメンバーでこの試合に臨んだ。午後2時30分、SO李承信のキックオフで試合は始まった。
開始早々に神戸Sが横浜Eのトライライン直前のラインアウトからモールを押し込み、先制トライを狙ったが、ここは横浜Eが食い止める。反撃に転じた横浜Eは、SO田村優がハイパントを蹴り上げ、神戸SのFB上ノ坊駿介がキャッチしたところにCTBリーバイ・アウムアが猛然とタックルしてノックフォワードを誘った。立ち上がり数分の激しいファイトで横浜Eの勝利へのどん欲な姿勢が明確に示された。
神戸Sもハイパントからの連続攻撃で上ノ坊、WTB松永寛汰がボールを繋いで攻め込み、前半9分、トライライン直前の密集からFLアーディ・サベアが先制トライをあげる。しかし、李のゴールキックはキックモーションに入った瞬間にデクラークが猛然とプレッシャーをかけてコントロールを乱し不成功。直後にチャンスをつかんだ横浜Eは、ラックサイドでデクラークのパスを受けたFLシオネ・ハラシリが抜け出し、デクラークが素早くサポートについてハラシリからパスを受けてトライエリアにボールを持ち込む。田村優のゴールが決まって、スコアは、7-5となる。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(3月20日)
【D1 第12節 ハイライト】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 横浜キヤノンイーグルス|ジャパンラグビー リーグワン2025-26(3月20日)#leagueone
前半26分、田村がPGを追加した横浜Eは、31分、神戸Sのトライラインドロップアウトをキャッチして攻め、WTBヴィリアメ・タカヤワ、SO田村優らがボールキャリーしてディフェンスを破った。ラックから次々にパスを出すのはデクラークだ。LOコルマック・ダリー、FLシオネ・ハラシリの突進でトライラインに迫り、スティールされそうになったところではデクラークが頭から突っ込んでボールを確保。さらにFLビリー・ハーモンがラックサイドをついたところで、素早く反応したデクラークがボールをトライエリアに持ち込んだ。デクラークが一人で何役もこなしてのトライは圧巻だった。田村のゴールで17-5となる。
その後、神戸Sはブロディー・レタリックが今季13トライ目をあげて17-10とするが、前半終了間際にも横浜Eは神戸Sの反則によるPKからトライライン直前のラインアウトを得てモールを押し込む。止められた瞬間にHO中村駿太が右方向にサイドアタック、モールのディフェンスで労力を使って神戸Sの選手たちがあわてて左側のディフェンスに並んだところをデクラークが駆け抜けて24-10とする。デクラークは超人的な活躍で前半だけで3トライ。試合の流れは横浜Eに大きく傾いた。
「横浜Eが(ディフェンスの)ラインスピードを上げてくるのは分かっていた。わかっていたのにプランの遂行力があまりに低かった」と、神戸Sのデイブ・レニーヘッドコーチ。もっとも気になったこととして、「(チームが)あまりに静かだったこと」とも話した。気迫をみなぎらせて戦った横浜Eに対して、神戸Sは完全に受けに回っていたということだ。
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【45分ハイライト】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 第12節-1 コベルコ神戸スティーラーズ vs. 横浜キヤノンイーグルス
放送日時:2026年3月23日(月)午後 5:30 ~ J SPORTS 1
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放送日時:2026年3月23日(月)午後 10:00 ~ J SPORTS 1
後半4分、自陣からサベアが防御裏にショートパントを蹴ってチャンスを作り、最後はWTBイノケ・ブルアがトライ。12分、CTBアントン・レイナートブラウン、27分、PR前田翔と神戸Sが3連続トライで24-29と逆転に成功。やはり波乱は起きないのかと誰もが思ったが、直後に神戸Sが自陣のスクラムで痛恨の反則を犯す。
後半29分、自陣22mライン付近のスクラムでレフリーの声に合わせず組んでしまうアーリーエンゲージの反則。右中間のフリーキックから横浜Eは左に攻め、ほぼ全員が左方向に攻めると見せて、一人だけ右タッチライン際に残っていたビリー・ハーモンにデクラークがロングパスを送ってトライ。再逆転に成功した。35分にも交代出場のCTB田畑凌が右コーナーにトライし、田村がこの日のトライ後のゴールを100%成功させて、スコアは、38-29。横浜Eは12位が1位を破るという最大のアップセットを実現させた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチは、ファフ・デクラークが受賞。FB猿田湧が加入5年目にしてリーグワン初先発を飾ったほか、アーリーエントリーで出場のFB武藤航生(関西学院大)もリーグワンデビューとなったうえ、好フィールディングでチームのピンチを救うなど、ベテランから若手までが力を出し切った勝利だった。
試合後の円陣でレオン・マクドナルドヘッドコーチは「今週、トップチームをアウェイで破って革命を起こそうと言ってきた。良いチームだと証明できた」と選手たちを称賛した。攻守にプレッシャーをかけ続けた戦いは、最下位脱出、入替戦回避、さらに上位をうかがう自信になるだろう。神戸Sのレニーヘッドコーチは、「とても残念です。19回のターンオーバーでボールを与えるなど、プレーの精度が悪すぎました。キヤノンは全員が必死だったが、神戸は必死にやらなくても勝てると思っていた選手がいたかもしれない」と、マインドセットが勝敗を分けた一因だと憮然とした表情だった。神戸Sは次節(3月28日)、IAIスタジアム日本平に乗り込み、静岡ブルーレヴズと対戦。横浜Eは日産スタジアムでトヨタヴェルブリッツを迎え撃つ。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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