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ラグビー コラム 2026年3月2日

理解度で圧倒「コベルコ神戸スティーラーズ」!リーグワン2025-2026D1第10節交流戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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第9節を終えて2位(8勝1敗)につけるコベルコ神戸スティーラーズ。指導3季目のデイブ・レニーHCが挙げた成長の理由の一つは「理解度」だった。

「自分たちはどういうプレーがしたいかという理解度が高まっています」

2月28日(土)、3勝6敗の9位「浦安D-Rocks」と2位「コベルコ神戸スティーラーズ」との一戦は、チーム戦術への理解度の差が如実に表れたようだった。

今季のスティーラーズは敵陣22m侵入時のトライ率がD1トップ(56%)。序盤、D-RocksはPR鍋島秀源やHO藤村琉士主将のしぶといタックルでノックフォワードを誘って先制点を防いでいたが、転機は前半10分だった。

スティーラーズのSOブリン・ガットランドがキック「50:22」を放つ。ここから敵陣ラインアウト。東海大卒のNO8ワイサケ・ララトゥブアラら強いキャリアーを縦に当てると、順目に4本のパスを繋いでFB上ノ坊駿介が右中間へ。(7-0)

さらにスティーラーズはキックの再獲得から2本目。モールでも3本目(前半22分)を奪って波に乗ると、前半23分にはキックの応酬から突然のオープン展開。

左隅の2対1からFLティエナン・コストリーが突破&ショートキック。これがSH上村樹輝の懐に入り、奇襲攻撃は成功。多彩な武器・展開から4連続トライを奪ってみせた。(26-0)

「今日はワイドチャンネルでスペースにボールを運び、自分たちで解決策を見出せたことは良かったです。特に(ティエナン・)コストリーのようにワイドチャンネルで個人の能力を発揮できる選手が走り込んでくれることで、自分たちの強みを生かすことができていました」(スティーラーズ、LOブロディ・レタリック共同キャプテン)

スティーラーズは攻守のポジショニングが終始スムースで効果的に見えた。一方のD-Rocksはディフェンスの連携面で後手に回り、再三の突破を許した。タックルレンジの広いシェーン・ゲイツサム・ケレビの不在も響いたろう。

ジャパンラグビー リーグワン2025-26(2月28日)

【D1 第8節 ハイライト動画】東芝ブレイブルーパス東京 vs. コベルコ神戸スティーラーズ

ここまで風下の影響もあって見せ場をつくれなかったD-Rocksだが、前半28分のスクラムでプッシュ。ペナルティを誘発し、一筋の光明となった。

だがD-Rocksは目下の課題であるプレッシャー下の攻撃精度で苦しむ。直後のアタックで、パスが窮屈になったWTBイズラエル・フォラウがスローフォワード。敵陣でのチャンスを失ってしまう。

さらに2トライを奪われて38点ビハインドとなったD-Rocksだが、前半終了間際に待望の初得点。

安定しているスクラムからSH飯沼蓮、パスを受けたFB山中亮平が2対1をつくってWTB安田卓平が突破。CTBサミソニ・トゥアの確実なゲインから右展開。相手を後手に回らせ、右隅でWTBフォラウが一本目。一矢報いて38-5で前半を終えた。

だがスティーラーズの攻撃精度がD-Rocksの守備精度を上回る展開は変わらなかった。

象徴的なシーンは後半3分。D-Rocksは攻撃中に2連続でパスの受け手がおらず、ボールが転々と転がった。その後、古巣対決となったFB山中亮平がトライを妨害するインテンショナル・ノックフォワード。後半17分頃まで14人となった。

すると風下のスティーラーズは自陣から積極展開。バックス並みの走力を誇るFLコストリーが後半10分にトライエリアに入ってリードを40点(45-5)に広げる。

直後の同11分にはラック周辺に5人が並ぶD-Rocksに対し、パス一本で5人を置き去りにしたスティーラーズが右隅突破。WTBイノケ・ブルアが後半2本目を奪った。

D-RocksもCTBタナ・トゥハカライナの突破からFB山中が古巣相手にチーム2本目を奪うが、ここからスティーラーズが4連続トライ(後半25,30、32、34分)。

D-Rocksは途中出場の快足SH小西泰聖がラック脇を急襲して1トライを返したものの、最終スコアは78-19。D-Rocksにとって78失点は2022年のチーム創設以来ワースト記録となった。

D-Rocksのグラハム・ラウンツリーHCは試合後、選手たちに「質の高いチーム相手にこういった結果もあり得る。自分たちはいま成長段階なので、ここで大事なのは学ぶこと。こういう試合を経験して、自分たちのことをもっと知ることが大事だ」と伝えたという。

「ディビジョン1に昇格して2年目です。今日はキーとなる選手も欠いていたので、こういう結果になり得る可能性はあったと思います。ただ、大事なのはここから学んでいくことであり、自分たちのやってきたプロセスに対して、忠実に道を外れずにやり続けることが大事です」(D-Rocks、ラウンツリーHC)

一方で、スティーラーズは「点差が離れていても容赦なくやり続けられるか」(スティーラーズ、LOレタリック共同キャプテン)にもフォーカスしていたという。

そのフォーカスを体現し、見事に今季最多得点(78点)を奪ったチームに対して、レニーHCは精度は満足のいくものではなかったとしながらも及第点を与えた。

「必要なときに丁寧にフィニッシュまでもっていくことができたと思います。しっかりとスキルを使いながら、ハードワークし、フィニッシュできる状況にもっていけることが多かったです」

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「チャンスは本当に多く作れたと思いますが、普段のパフォーマンスを考えればエラーの数もかなり多かったです。それでも、必要なときにしっかりとフィニッシュはできましたし、全体を通してディフェンスも良かった。ターンオーバーから自分たちのポゼッションに変えることもできていました」

これでチームの連勝記録を「9」に更新。次節は休養週を挟んで3月14日(土)、11位(2勝7敗)の三菱重工相模原ダイナボアーズを神戸で迎え撃つ。これで6連敗となったD-Rocksは、2連勝で8位(3勝7敗)に浮上したトヨタヴェルブリッツと激突する。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

1980年2月1日生まれ、神奈川県出身。法政大学第二高校、法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻修了。スポーツジャーナリストとして『ラグビーマガジン』『Number』『J SPORTS』などに寄稿する傍ら、ユーモアコラムの執筆も行なっている。スポーツにおけるハラスメント防止を目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」理事。共著に『子どもがラグビーを始めたら読む本』(ベースボール・マガジン社)がある

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