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両チームが挙げたトライは2つずつ。最後は1点差で決着がついた。
2月21日にヤンマースタジアム長居でおこなわれたレッドハリケーンズ大阪×日本製鉄釜石シーウェイブスは15-14。後半20分以降に面白さが凝縮された。
開幕から4連敗した後、前戦の九州電力キューデンヴォルテクスとの試合で今季初勝利(7-3)を手にしたレッドハリケーンズ。ここまでの5戦中3戦は荒天だった。穏やかな一日となったこの日は、ホストスタジアムで薄着のファンの声援を受けてプレーした。
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2月8日に予定されていたNECグリーンロケッツ東葛との一戦が雪のため延期されたシーウェイブスにとっては、1月17日の豊田自動織機シャトルズ愛知戦以来の試合。チームを率いるトウタイ・ケフ ヘッドコーチ(以下、HC)は、ゲーム感覚を失わぬよう、この日に向けて、延期試合の翌週に強度の高いトレーニングを実施し、その後に通常の日々を過ごして準備を重ねた。
先制点を挙げたのはシーウェイブスだった。トライへと続く攻撃は、ハーフウェイライン付近でのラインアウトから始まった。
前半19分過ぎ、右に展開したボールを受けたCTBヘルダス・ファンデルヴォルトがディフェンスを突破して前へ出る。そこから左に振り戻したボールが、FLアンガス・フレッチャーを介して7番の河野良太主将に渡る。そこからキャプテンが疾走、そして40メートル近くを走り切った。相手タックラーを低い姿勢で下に落として振り切った後、崩れかけた体勢を元に戻して一気に加速した。追ってくるディフェンダーを振り切った。
この試合がシーウェイブスでの50キャップ目だった同主将は、大東大卒業後、一度は中部電力に進む。しかし、高いレベルでプレーする夢を諦め切れず北へ向かい、現在に至る。試合に出られない時期を乗り越えて節目の日を迎えた。
「多くの人たちの支えがあった」との思いを胸に迎えた一戦で、その思いが詰まった走りが見られた。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(2月21日)
【D2 第6節 ハイライト動画】レッドハリケーンズ大阪 vs. 釜石シーウェイブス
SOミッチェル・ハントのコンバージョンキックも決まり、7-0とリードしたシーウェイブス。しかし、前半からペナルティが多く(前半だけで1つのフリーキックを含め11)、高めてきた攻撃力を存分に発揮するには至らなかった。
結果、レッドハリケーンズに何度もボールを渡す。前半37分にはFB山口泰輝にPGを決められ、7-3と4点リードでハーフタイムを迎えた。
そのスコアのまま進んだ試合が動いたのは後半20分過ぎだった。レッドハリケーンズのフィニッシャーたちが、僅差でゲームを進めた先発陣からバトンを受けて輝きを放った。
特にいい仕事をしたのが後半17分からピッチに立った深澤翔祐、佐藤耀、指田宗孝のフロントローだ。スクラムを押し込み、試合の流れをグイッとつかむ。後半20分には、主導権を握ったスクラムの横をSH山内俊央が走り、トライを挙げる。FB山口のGも決まり、10-7とレッドハリケーンズが逆転した。
赤いジャージーのホストチームは勢いづいた。逆転した後の時間帯の多くを敵陣深いエリアで過ごす。その中で後半30分、ゴール前左でのラインアウトが巡ってきた。
モールから右へ展開して攻め立てた後、左へ。そこで縦へ走ったのが途中出場の背番号22、呉嶺太だった。テンポアップを得意とする呉は自分の前にできたスペースを突いて走り、ゴール前へ。FL五十野海大へオフロードパスをつないでトライを呼び、15-7と差を広げた。
シーウェイブスも粘り、残り2分となったところでモールを押し切り(トライスコアラーは河野主将)、Gも成功。1点差に迫るも、15-14でレッドハリケーンズが逃げ切った。
4連敗後の2連勝。今季ホストゲーム初勝利に、スタジアムは幸せな空気に包まれた。
前半の多くの反則を悔やんだのは敗れたシーウェイブスの河野主将。勝ったレッドハリケーンズの松川功HCは、「うまくいかない時間帯もありましたが、よく粘って勝ち切った」と選手たちを称えた。
先発のHOとしてゲームを作った島田久満主将は、「エリアを大事にしようと言って臨んだ試合。前半はミスもありなかなかスコアできなかったが、ディフェンスで相手を1トライに抑えられたのが最終的に勝利に結びついた」と話し、終盤の逆転劇について「23人全員で戦えた」と表情を崩した。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたレッドハリケーンズのFB、山口のパフォーマンスは要チェックだ。ボールタッチも多く、何度もチャンスメイク。走るだけでなく、多彩なキックも盛り込んでスタンドを沸かせた。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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