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3位と4位の戦いは予想通り最後まで手に汗握る好ゲームになった。2月15日(日)、暖かな日差しが降り注ぐ秩父宮ラグビー場(東京都港区)には、13,156人の観衆が集った。試合前のキャプテン同士のコイントスではコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)が勝ってキックオフを選択。午後2時30分、SO李承信がボールを蹴り上げ、激闘の幕が上がった。
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開始早々、東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)が攻め込むが、神戸S陣22mライン付近のマイボールのラインアウトを神戸Sに奪われ、チャンスを生かせない。その後、SOリッチー・モウンガが相手陣深く蹴り込んだボールが、トライゾーンの中でタッチラインから外へ。キックを蹴った位置での神戸Sのスクラムとなる。その後もBL東京は地域獲得のキックにミスが続き、神戸S陣深く攻め込むことができなかった。
先制したのは神戸Sだった。BL東京陣22mライン付近の左中間スクラムからNO8の位置に入っていたFLアーディ・サベアがサイドアタック。続いてCTBタリ・イオアサが縦に突進し、ラックからパスをつないでFB上ノ坊駿介がトライラインに迫り、NO8ワイサケ・ララトゥブアがトライ。李がゴールを決めて、7-0とリードした。12分にも、サベアのサイドアタックからFLティエナン・コストリーが持ち前のスピードで大きくゲインし、最後はWTBイノケ・ブルアがトライ。前半23分にはイオアサがトライを追加し、27分の李のPGで20-0とリードを広げた。
決定力を見せつける神戸Sは、31分にもララトゥブアがトライしたかに見えたが、映像判定で、その前に反則があったとしてトライキャンセル。ここで流れが変わる。その後、攻め込んだBL東京はモウンガの正確なパスを受けたWTB豊島翔平が右タッチライン際を駆け上がり、左オープンに展開すると、FL佐々木剛が突進。BK並みのスピードに神戸Sのディフェンダーが吸い寄せられると、左タッチライン際にいたFLリーチ マイケルへパス。リーチがトライラインを駆け抜け、観客席を埋めたサポーターを沸かせた。モウンガが難しいゴールも決めて、20-7となる。
ジャパンラグビー リーグワン2025-26(2月15日)
【D1 第8節 ハイライト動画】東芝ブレイブルーパス東京 vs. コベルコ神戸スティーラーズ
後半に入ると試合はさらに白熱。6分、李のキックパスをスピードに乗ってキャッチしたWTB松永貫汰がトライすると、2分後、BL東京もSH高橋昴平がラックサイドを抜け出してトライを返し、27-14。神戸Sはスクラムの要であるPR具智元、共同キャプテンのLOブロディ・レタリックなど軽い怪我や疲れのある選手を次々に交代させるが、スクラムでBL東京が優位に立ち始める。19分には神戸Sのラインアウトから出たパスをBL東京のLOマイケル・ストーバーグがカットし、身長202㎝の大きなストライドで約60mを駆け抜けてトライ、モウンガのゴールも決まって、27-21と6点差に迫る。
劣勢に立たされた神戸Sは後半26分、LOジェラード・カウリートゥイオティが相手のラックからのボール出しを妨げたとしてイエローカードを受け14人になる。攻勢に出たBL東京は、27分、CTBロブ・トンプソンのトライ、モウンガのゴールで28-27と逆転する。神戸Sも負けてはいない。交代出場のSOブリン・ガットランドの正確なキックパスを松永貫汰がタイミングを合わせてキャッチしてトライ。34-28と逆転する。
残り時間は10分。両チームのサポーターが声をからし、スタジアムは異様な熱気に包まれる。先発の選手たちは疲労困憊の体力を振り絞り、交代出場の選手たちはチームを勢いづけるために全力でプレーした。34分、BL東京のチャンスにつながるパスを故意のノックフォワードで妨げたとして、神戸SのCTBアントン・レイナートブラウンがイエローカードを受け、13人になってしまう。流れはBL東京に完全に傾き、WTB石岡玲英が左コーナーに飛び込んで34-33と1点差に詰める。モウンガのゴールが決まれば逆転というシーン。しかし、ここまですべてのゴールを決めていたモウンガのキックはゴールを逸れた。BL東京はなおも攻めたが、タッチラインを割って万事休す。神戸Sはリーグワンが始まって以降、初のBL東京戦勝利をものにした。
試合後、BL東京のリーチ マイケルキャプテンは言った。「ファンからすればとても良い試合だったと思います。連敗してしまいましたが、この負けをどう生かすかが後半戦の成績に関わってくると思います」。そして、課題として何度も「エクスキューション」という言葉を使った。「遂行」、「実行」という意味だ。ただ、シャノン・フリゼル、ジョネ・ナイカブラら主力に負傷者が多い中で、最後まであきらめない姿は多くのラグビーファンの胸を打ったはずだ。
神戸Sはこれで7連勝。イエローカードを受けてしまったアントン・レイナートブラウンは、「退場してしまったのは悔しいですが、外から試合を見ていて、後から出てきた選手たちの活躍が嬉しかった」と語った。BL東京の最後のトライについては、なぜ、ゴールが決まりやすい中央にトライをしようとしなかったのかという疑問の声があるが、神戸Sは内側のディフェンスに注力しており、松永貫汰は「長いパスをしてくれて助かりました」と、最後のトライだけでなく、試合を通じて外側(タッチライン方向)にロングパスをさせるディフェンスは上手く機能していたと説明した。プレーヤー・オブ・ザ・マッチはその松永貫汰。リーグワン通算50キャップ目の記念試合で決定力を見せつけ、改めてチームに欠かせぬ存在であることを証明した。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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