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ラグビー コラム 2026年1月30日

4強のうち日本一経験クラブが3つ。全国クラブ大会準決勝は、初出場のおたくさクラブ(長崎)ら個性派ばかり

ラグビーレポート by 田村一博
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勝ち残っている4強のうち3クラブには優勝経験がある。おたくさクラブ(長崎)は初出場で4強入り。勢いもある。
第33回全国クラブラグビーフットボール大会の準決勝2試合が2月1日、パロマ瑞穂ラグビー場(愛知)でおこなわれる。

12時にキックオフとなる第1試合は、北海道バーバリアンズ×おたくさクラブ。前者は3連覇を成し遂げた2019年大会以来の優勝を目指す。
今季からチームの主将に就いたNO8濱口竜輝も、「全員が今年こそ、というやる気に満ちています」と話す。1回戦では名古屋クラブに40-14と快勝するも、先手を取られたのは反省点。「課題の試合への入りを修正して試合に臨みたい」と最初から全開で戦うつもりだ。

名古屋クラブ戦ではFWがセットプレーで奮闘し、モールでもトライを取り切った。WTB平野雄紀の調子もいい。準決勝でもバランスよく戦う。
HO岡田圭一朗はセットプレーのまとめ役で力強い。LOマキシムス・レストロは188センチ、112キロの巨体を活かしたパワープレーを得意としながらよく走る。ペネトレータ―の濱口主将はチームに勢いを与える。

プレーの選択肢が多いSO如澤海流がスピードのある平野を走らせ、縦にも横にも強いケレブ・コベントリーの持ち味も引き出す。ベンチにはキック力のあるバティヴァカロロ アピサイ拓海、走力がある研修医、神山達哉も控え、選手層は厚い。

多くの雪に見舞われる冬も、雪上、ビニールハウス、ジムで週4回の練習を積んでいるだけに、意思統一はできている。主将は「おたくさクラブには実績があり、勝負所が分かっている選手たちがいる。自分たちの強みを出して戦いたい」と気を引き締める。

宮崎・高鍋出身の濱口主将は関東学院大を経て北の大地にやってきた。トップレベルでプレーを続ける夢は叶わなかった。それなら、地元の強豪、川南クラブの前に壁として立ちはだかっていたバーバリアンズでと考えたからだ。
頂点に立つまで、リーダーシップを発揮し続ける。

おたくさクラブは創部40周年という節目の年に初めて全国の舞台に立った。
1回戦の岡山クラブ戦では風下に立った前半こそ3-17とリードされるも、後半に4トライを重ねて34-24と逆転勝ち。気分良く名古屋へ乗り込む。

LOの村瀬巧主将は「今シーズン目指していたのは全国大会出場でした。目標はすでに達成しているので、バーバリアンズ戦は、いつも通りに戦おう、と。それだけを考えています。自分たちの力がどれだけ通用するのか、みんなわくわくしています」とクラブに漂う空気を伝える。
村瀬主将は京産大卒業後、福岡で働く。そのあと家業(ムラセ自転車商会)を継いだ。長崎に戻ったのを機にクラブに加わって7年。伝統あるクラブの中核が年齢の近い者同士になって活気がある。それが今季の好結果の原点だ。

相手が警戒するのが、FL杉永亮太とCTB山下一だ。杉永は帝京大、横浜キヤノンイーグルスで活躍した仕事人。昔の仲間たちと楕円球を追うため、神奈川から試合に駆けつける。球際の強さは相変わらずだ。
筑波大、豊田自動織機で鋭いランニングを見せていた山下は、長崎南山高校で指導にあたりながら自分も走り続けている。
「ふたりは経験上、相手の外国人選手は任せろ、と言ってくれています」と主将が笑う。

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HO相田祥平、NO8伊藤拓海は突破力があり、SO岩満亮は巧みにゲームをコントロールする。
そして、試合終盤の見どころは毎度ボコボコになるキャプテンの顔だ。黒いヘッドギアを被ったリーダーに注目を。体を張り続けることが信条だ。

2試合目(14時キックオフ)は、2020年から2024年までの5大会で4度頂点に立ったハーキュリーズ(東京)が、2020年に愛知教員クラブと優勝を分け合って以来優勝から遠ざかっている神奈川タマリバクラブと戦う。

慶大ラグビー部OBがメンバーのハーキュリーズは(全クラブメンバーのうち他大学出身は1人だけ)、2024年度の同大学主将だったHO中山大暉を筆頭に、若い選手が多い。38-31と接戦だった1回戦、日本製鉄九州大分リサイクロンズとの試合には、仕事の関係で19人しかメンバーが集まらなかったが、準決勝には23人が揃う。

前戦を振り返り、「戦術の徹底ができていなかった」と話すのはチームをまとめる林雅人代表だ。選手たちは仕事が多忙で、学生時代と違って練習量は多くない。全員が同じ考えのもと、スマートに戦うことができるかがカギだ。

その領域で期待がかかるのがSO堀越貴晴だ。ゲームコントロールに長け、エリアによってのプレー選択もいい。そして「チームを下げない」(林氏)。
スキルの高い選手は多い。個々が噛み合うと攻撃力は高い。スクラムにも不安はなく、ディフェンスは体に染み付いたものが残っている。

渋い働きを見せるのは両LOか。篠原孝太主将は真面目。そしてボールキャリーで前に出る。
西川大樹は37歳とチーム最年長。ラグビーをよく理解し、献身的に働く。ラインアウトでも頼りになる。

神奈川タマリバクラブは、ハーキュリーズに対して運動量で上回って勝ちたいと考えている。
「根性の部分、フィットネス勝負に持ち込みたいですね」と話すのは、後半にベンチから出て、相手をさらに疲れさせる役を担う菱川亮佑主将。東海大相模出身も、高校時代はレギュラーになれず、大学体育会への入部が叶わなかった。しかし、10代で加わったタマリバでコツコツと努力を重ねる姿勢を11年間貫いて信頼を得る。
「練習を大事にしているクラブです。(個人でも)トレーニングしていないと、集まった時にすぐ分かる」と話し、日々鍛錬を続けているのは自分だけではないと強調する。

ゲームキャプテンはCTBの迫田泰英が務める。SO竹山将史は関東学院大時代、セブンズの神様と世界に尊敬されたワイサレ・セレビを引き合いに、「奄美のセレビ」と呼ばれた人。46歳になったいまも、その動きに衰えはない。

LO平岡知浩は以前、六甲ファイティングブルでプレーしたが、東京転勤をきっかけにタマリバへ。硬いところに頭から突っ込めるハードな心と体躯を持ち、モメンタムを作り出すことができる。同志社大出身。職場が大阪に戻った後もタマリバで頂点を目指している。

昨年は全国大会出場を逃したチームは、その分、今季に向けての活動を早く始められた。大学体育会のラグビー部と練習試合を組むこともできた。それが新しい戦力を得ることにもつながり、フレッシュな選手たちがチームを走らせてくれている。
WTB林二刀流も、その一人。ランとキックを使い分けてチームに貢献する。その名は「むさし」と読む。

ベンチスタートのPR岩下剛史は53歳。若い選手が増えたチームの中でも押し、走り続ける。
20代が並ぶであろう相手のフロントローと組み合うところを凝視してほしい。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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