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ラグビー コラム 2025年12月19日

ともに今季初勝利狙う神奈川ダービー。ダイナボアーズは規律高く、動き回る。イーグルスは、より速い布陣に。

ラグビーレポート by 田村一博
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両チームとも開幕戦を惜しくも落とした。
三菱重工相模原ダイナボアーズ横浜キヤノンイーグルスで争う今シーズン最初の神奈川ダービーは、お互いに負けられない戦いだ。
12月21日(日)の舞台は、相模原ギオンスタジアム。昨季の対戦成績は1勝1敗だった。

 

ホストスタジアムに多くのファンを迎え入れるダイナボアーズは、開幕戦を戦った23人からほとんど変更のないメンバーで第2戦を戦う。

24-27と惜敗した浦安D-Rocksとの試合で前半30分過ぎ、脳震盪の疑いでHIA(ヘッド・インジャリー・アセスメント)により一時退出。そのままベンチに下がった12番、チャーリー・ローレンスが今回の試合には戻れなかった。
その代わり、ハニテリ・ヴァイレアがインサイドCTBとしてピッチに立つ。

ヴァイレアは昨季途中に大東大からアーリーエントリーでチームに加わった。すぐに順応して10試合に出場。今季はさらなる飛躍が期待されている。
ミッドフィールドでコンビを組む13番は、南アフリカ代表42キャップを持つルカニョ・アム。ヴァイレアにだけでなく、周囲へ広く影響を与えそうだ。

最後の最後までリードをしながら、接戦を落とした初戦。その一戦を振り返ってグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(以下、HC)とFL吉田杏主将は、「ミスと反則で流れを失ってしまった」と敗因を口にした。
前半1、後半2と、計3枚のイエローカードを受けた。ディシプリンの見直しは、2戦目で初勝利を手にするためのカギを握る。

地道に強化を積み重ねてきたスクラムなど、昨季より成長した点を示すこともあった前戦。要のポジションに新戦力も少なくない。チームには、試合を追うごとに結束を高めていきそうな予感がある。

高校時代からニュージーランドで暮らし、NPC(国内州対抗選手権)カンタベリー代表にも選ばれたSO三宅駿は、確かなゲームコントロール、キック、タックルと、オールラウンドにプレーできるタイプ。これまで10番でプレーしてきたジェームス・グレイソンはFBでプレーし、三宅とダブルSOのようなコンビネーションも見られている。
LOにはパンチ力のあるエピネリ・ウルイヴァイティもおり、昨季より攻め手は増えている。

 

イーグルスは、前戦の先発メンバーから4人に変更があった。その中でも、9番、13番の顔ぶれが変わり、その影響がどう出るのか注目される。

27-39と敗れた静岡ブルーレヴズ戦の前半途中にピッチを出た(交替)SHファフ・デクラークは、この試合には戻ってこられず。今季から主将を務めるCTBジェシー・クリエルもコンディションが整わず、メンバー外となった。

SHには日本代表活動の中で揉まれ、欧州ツアーにも参加。試合出場こそならなかったが、トレーニングの中でタフさとスキルを身につけ、帰国した土永旭が入った。
特にパス捌きと左足からの精度の高いボックスキックは武器になる。今回の試合が飛躍のきっかけとなるかもしれない(アーリーエントリーでシーズン途中に加わった昨季は1試合のみの出場)。

クリエルの代わりには、叩き上げの田畑凌が入る。体を張ったディフェンスには、チーム全体を盛り上げる力もある。昨季までのキャプテン、12番の梶村祐介とのコンビで攻守に存在感を示したい。

14番には日本代表の活動で逞しさを増した石田吉平が帰ってきた。レベルの高いテストマッチでキッキングゲームへの対応力も高まっている。東芝ブレイブルーバス東京から移籍のFB森勇登はセンス抜群。左の翼、ヴィリアメ・タカヤワも含むバックスリーには得点力がある。

前の試合では後半にイエローカード2枚(SO田村優と途中出場のNO8シオネ・ハラシリ)を受け、数的不利な時間が多く、それも敗戦の一因になった。
逆転負けから得たものを、この試合に生かしたい。

イーグルスにとっては今シーズンの初勝利を得て、チームを勢いに乗せたいといところだが、どうしても勝ちたい理由は他にもある。
イーグルス一筋のHO庭井祐輔がトップリーグ・リーグワン通算100キャップの節目を迎える。長くチームに貢献してきたベテランが、笑顔で試合を終えられるようにしてあげたい。

2季続けていたトップ4入りは、昨季途切れた。レオン・マクドナルドHCのもと、攻撃に新しいシステムも採り入れている。
今季の初勝利には、ただの1勝以上の重みがありそうだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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