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いいシステムだ。
2022-23シーズンから始まったリーグワンのアーリーエントリー制度は、大学4年生の選手たちが、手続きと一定の条件を満たすことにより、卒業前から同リーグの試合に出場できるというもの。毎年全国大学選手権が終わると、リーグに新しい風が吹く。
アーリーエントリー導入から3シーズンを経て迎える2025-26シーズンも、見慣れた大学のジャージーから着替え、装いも新たに国内最高峰リーグの舞台に立つ選手たちがまもなく登場する。日本の大学ラグビーのクオリティの高さを表す点だ。毎シーズン、すぐに活躍の場を与えられ、輝く選手たちがいる。
静岡ブルーレヴズのSO家村健太は、アーリーエントリー導入の年にレヴズに加わり、その才能を大きく咲かせた代表的な存在だ。京都産業大学のCTBとして全国大学選手権でプレーし、準決勝で早稲田大学に33-34と敗れたのが2023年1月2日。同年2月25日にはレヴズのジャージーを着てリーグワンデビューを飾った。
東京サンゴリアス戦で10番のジャージーを着用し、初めてリーグワンの試合に出場した家村は、そこから8戦連続でSOの先発としてプレーし続けた。翌2023-24シーズンも10試合、2024-25シーズンも13試合とピッチに立ち、チームに欠かせぬ選手へと成長した。
2025-26シーズンの開幕戦でも10番を背負って横浜キヤノンイーグルスと対峙し、チームを39-27の勝利に導いている。
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ジャパンラグビー リーグワン2025-26 D1 第2節-6 静岡ブルーレヴズ vs. 東芝ブレイブルーパス東京
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家村と同じ京産大出身者では、2024年度にトヨタヴェルブリッツに加入した三木皓正もはやくからリーグワンのレベルに対応した一人だ。同選手は2023-24シーズン途中にアーリーエントリー登録。同シーズンこそ出番はなかったが、2024-25シーズンは開幕戦で先発起用され、計10試合に出場した。持ち前の低く、ハードなタックルでファンを惹きつけている。
京産大で三木の1年後輩にあたるソロモネ・フナキは、2024-25シーズン途中にアーリーエントリーでコベルコ神戸スティーラーズに加わり、2025年2月22日のトヨタヴェルブリッツ戦に途中出場してリーグワンデビューとなった。学生時代のLOからFLにポジションを移し、同シーズンの13戦でプレーした(プレーオフ3戦を含む)。2025-26シーズンの開幕戦では8番のジャージーを着ている。
スティーラーズには京産大OBが何人もいる。フナキと同期の辻野隼大は、同じように昨季アーリーエントリー加入組で2試合に出場。2学年先輩のFL福西隼杜、1学年先輩のWTB船曳涼太も、プレータイムを増やそうと上を見る。
この秋の日本代表欧州ツアーのメンバーにも選ばれ、大きな期待をかけられているのが、2024-25シーズン途中にアーリーエントリーで横浜キヤノンイーグルス入りとなったSH土永旭だ。昨季は1試合に途中出場しただけも、チームメートで同じポジションのファフ・デクラーク(南アフリカ代表キャップ60)は土永について、「素晴らしい選手。代表とイーグルスにとって特別な選手になると思っています。自分自身学ぶところがあるし、彼がベストなポテンシャルを発揮できるようにサポートもしたい。キック、パスと、素晴らしい技術を持っている選手です。ゲームの読み方、勢いへの乗り方も、これからもっと良くなる」と、その力を高く評価している。
土永のように日本代表の欧州ツアーに参加したメンバーの中の京産大OBには、東芝ブレイブルーパス東京の伊藤鐘平もいる。2020年の春に入団し、着実に力を伸ばし、昨季はプレーオフ1試合を含む18戦に出場し、チームの連覇に貢献した。ブレイブルーパスではアサエリ・ラウシーも京産大OB(レヴズの家村と同期)。パワフルなLOは、今季からPRにも挑戦中。同ポジションには1学年下のヴェア・タモエフォラウもいる。
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12月21日(日)午後 2時20分~ 生中継
リーグワンの今季開幕戦では、三重ホンダヒートの先発に2人の京産大OBがいた。15番のジャージーを着た山下楽平は33歳のベテラン。PR平野叶翔は2021年度シーズン、京産大が23年ぶりに関西大学リーグ覇者となった時にキャプテンだったリーダーだ。
今季開幕時点でトップリーグ・リーグワン通算キャップ200にあと2と迫っていたスティーラーズのPR山下裕史(39歳)は、京産大出身のレジェンドのひとり。泥臭い選手たちを輩出してきたチームの象徴と言っていい。
今季の京産大からも、NO8シオネ・ポルテレらがリーグワンの戦いの中に飛び込みそうだ。
大学ラグビーで活躍した選手たちが、リーグワンという舞台でどのように成長していくのか。その姿を追うのもまた、ラグビーの楽しみ方のひとつである。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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