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ラグビー コラム 2025年12月18日

早稲田大学出身で、リーグワンで活躍している選手を紹介!

ラグビーレポート by 田村一博
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4分の3より12分の9という方が、その多さが分かりやすい。
12月13日、14日におこなわれたリーグワン2025-26の開幕戦を戦ったディビジョン1、全12チームのうち9チームで、早稲田大学出身選手の出場があった。

37歳のFB山中亮平浦安D-Rocks)、35歳のPR伊藤平一郎静岡ブルーレヴズ)、33歳のFB/SO小倉順平横浜キヤノンイーグルス)、30歳のPR鶴川達彦三重ホンダヒート)の赤黒ジャージー姿はセピア色の記憶になりつつあるが、この4人を含む今季開幕戦出場の早大選手14人の多くは、入団から5シーズン目以内の選手たちが多い。
WTB桑山聖生東芝ブレイブルーパス東京)、HO宮里侑樹三菱重工相模原ダイナボアーズ)らは20代最後のシーズンとなるも、FL下川甲嗣東京サンゴリアス)、WTB/CTB長田智希埼玉ワイルドナイツ)の2人は、日本代表キャップも20を超え、それぞれのチームのど真ん中にいる。

早大出身選手で、若く、勢いがあるのがワイルドナイツのHO佐藤健次だ。2024-25シーズンの途中にアーリーエントリーでチームに加わり第7節、2月7日のブレイブルーパス戦でデビューを果たすと、プレーオフも含めて一気に13試合に出場した。
そのデビュー戦の約1か月前、全国大学選手権決勝で帝京大学に15-33と敗れ、涙を流した佐藤主将は、相手の主将、桐蔭学園時代の同期である青木恵斗の前に屈して泣いた。その際、「リーグワンでは自分が勝つ」、「日本代表になって2027年のワールドカップで活躍する」とリベンジする思いを口にした。その言葉を実行に移している途中だ。
佐藤は2025年の日本代表活動で充実の足跡を残した。パシフィックネーションズカップの初戦、カナダ戦で初キャップを得ると、同大会のすべてに出場。10月のオーストラリア代表戦にも出場すると、11月の欧州ツアー全4戦で先発した。世界トップの南アフリカやアイルランドにぶつかり、ウェールズ、ジョージアとヒリヒリするような戦いができたことは大きな財産だ。

佐藤同様、日本代表で飛躍し、今季リーグワンでも大きくブレイクしそうなのが、サンゴリアスのPR小林賢太。同選手の日本代表での充実ぶりも目を見張るものがあった。
過去2シーズン、サンゴリアスでもフル回転。特に2024-25シーズンはチームの全19試合(プレーオフも含む)に出場し、その多くで背番号1を背負った。
日本代表はパシフィックネーションズカップの初戦、カナダ戦に途中出場して初キャップを得ると、次戦のアメリカ戦から欧州ツアー最終戦の対ジョージアまで、8テストマッチすべてに先発で出場した。世界一強力と言われる南アフリカ、スクラムにプライドを懸けるジョージアと組み合って逞しくなった。
テストマッチで初めて80分フル出場し、チームのピンチに相手ボールをもぎ取ったジョージア戦を終えた後、小林は、「今回のツアーでは(強豪国との)フィジカルの違いを感じました。いろんなことを突き詰めていかないといけない」と言った。サンゴリアスでの今季、その追求を続けていくだろう。

前出の下川、長田の2人については、日本代表でも中核となっている。それぞれの所属チームでも周囲を牽引する役目を担っている。
両選手とも今季開幕戦に先発出場。それもフル出場し、チームの勝利に貢献したところに赤白のジャージーを着ている者としての矜持を感じる。下川は代表チームでディフェンスリーダーを務めている。経験を周囲に伝え、サンゴリアスを王座奪還への道に導く。長田は国際舞台で培ったハイボール処理の領域で存在感を示すだろう。ワイルドナイツも頂点に返り咲きたい。その思いをプッシュし続けるだろう。

ここに名前の出ていない今季開幕の元アカクロは、ダイナボアーズの小泉怜史(WTB)、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ松下怜央(ユーティリティBK)、ブルーレヴズの岡﨑颯馬(CTB)ら。困難にぶつかるたび、必ずそれを乗り超えるD-RocksのSH小西泰聖が2シーズンぶりにピッチに立ったことも嬉しい。

サンゴリアスでは、CTB中野将伍がピッチに戻るために調整中。2024-25シーズンの途中にアーリーエントリーで加入のSH宮尾昌典も、デビューのチャンスを掴むためにアピールを繰り返しているようだ。
今季開幕節、早大出身者で得点者となったのはPGを決めた3点の小倉だけ。初トライは誰が記録するだろう。バックスの選手が有力候補も、ワイルドナイツのHO佐藤がモールから飛び込みそうな予感もする。

リーグワンの舞台で戦う早大出身の選手たちが、日本代表や各チームの中心選手として成長を続け、熱いプレーでファンを魅了している。大学時代に赤黒のジャージーをまとい、伝統の重みを背負って戦った彼らが、今度はそれぞれのチームで新たな歴史を刻む姿は頼もしい。早大ラグビーを応援してきた人たちも、ぜひリーグワンでの彼らの活躍に注目してほしい。大学時代とはまた違う熱戦の中で、彼らが見せる進化と挑戦が、新たな感動を届けてくれるはずだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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