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ラグビー コラム 2025年12月16日

【ハイライト動画あり】大東文化大学、48シーズンぶりの2部降格。1年での1部復帰を心に刻む。ラグビー関東大学リーグ戦 1部・2部入替戦

ラグビーレポート by スポーツ大東編集部
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モールからインゴールに飛び込む大西

ユニフォームを受け取ることができた選手全員が 『緑のリストバンド』を身に付け、仲間の思いを胸にノーサイドの笛が鳴るまで戦い続けた。今年度の秋から登場した新しいユニフォームの上から身に付けたそのリストバンドには「Oneチーム・全員で勝とう」という思いが込められていた。

大東文化大学と専修大学は2022年の入替戦で戦っており、その時は39-25で大東大が勝利して1部残留を決めた。大東大の戦歴を振り返ると、1978年度に一度だけ2部に降格してから47シーズン、1部で戦い続けている。今試合は、昨年度の関東大学リーグ戦優勝のチームとして絶対に負けられない大東大と、3年越しのリベンジに燃える専修大の大一番である。

ラグビー 関東大学リーグ戦2025 入替戦

師走の晴天の下、熊谷ラグビー場で行われた試合は専修大のキックオフから始まった。試合開始直後から試合は動いた。前半3分、大東大は自陣22mライン付近のゴール正面で痛恨のオフサイドの反則を犯す。専修大はPG(ペナルティゴール)を選択し先制点を決められ、0-3とされる。

まずは得点が欲しい大東大。しかし、マイボールからフェーズを重ねる前にノックフォワードやスローフォワードが目立ち、得点機を作り出せない。また攻撃の起点となるLO(ロック)ノア・トファエオノ(2年)、FL(フランカー)ヴィリ・ムナ(2年)のアタックに対する専修大のマークがきつく、徹底的に攻撃を防がれ流れを生み出せない。

それでも粘り強くボールを前に進めると前半34分に敵陣深くに入り込み、相手の反則でチャンスを獲得する。この得点機を活かしたい大東大はトファエオノがタップキックでスタート。持ち前のフィジカルを武器に専修大のディフェンスを押し込み、トライラインまでボールを届かせた。その後のゴールキックもFB(フルバック) 飯塚祐真(2年)が冷静に決め7-3とし、前半終盤に逆転に成功。

前半ロスタイム、専修大に自陣ゴール前でボールを大きく展開されピンチを迎えるも、WTB(ウイング) 大方維織(2年)がタックルでボールキャリーをコート外にはじき出し守り抜く。大東大は底力で危機を脱し、リードを保ったまま7-3で前半を終える。

続く後半、立ち上がりのエリア獲得を狙うキッキングゲームから、専修大の15番永井大成がカウンターで自陣22m内に入られると、続く防戦で大東大にノットロールアウェイの反則を取られる。専修大はPGを決め、7-6と点差を縮める。点差を広げたい大東大だが、PG直後に再び15番永井にディフェンス網をかいくぐられトライを許す。

しかし、7-13と逆転を許した状態で迎えた後半18分、左サイドゴール前でのラインアウトからモールを組んだ大東大は、モールを押し込む。

インゴールを駆け抜ける徳重

モール最後尾でボールを持つゲームキャプテンのHO(フッカー)大西樹(4年)がブラインドサイドに攻め込み、その動きに反応したSH(スクラムハーフ)徳重隼(1年)がサイドライン際でパスを受け取り、そのままインゴールに走り込みトライ。ゴール成功で14-13と逆転に成功する。

その後、再び専修大にPGを与え、14-16とされるも後半29分に『4年生の意地』を見せる。専修大の反則から敵陣深くに入り込み攻撃を重ね、ゴール前でのラインアウトを獲得。

FW(フォワード)が安定したラインアウトからモールを組み、最後尾には再び大西がボールを持ちチャンスを窺う。大東大のドライビングモールはトライラインまで進むと、大西はパスフェイクでオープンサイドのモール際を狙い、低い姿勢のまま進み続け、渾身のトライを決めた。

「(今までモール最後尾で)ずっとパスを出し続けていて、相手は(自分を)見ていないと信じて一か八かで行きました」(大西)。

しかし喜びも束の間、自陣でのマイボールのスクラムで反則を犯すとタッチキックでゴール前のラインアウトからモールを組まれ、後半34分に失点。ゴールも成功し19-23とゲームをまたも追いかける展開に戻される。

それでも大東大は攻め続けた。相手の反則から敵陣深くに入り込むと再びラインアウトモールを起点に攻撃を重ねる。この得点機に控え選手は応援席の最前列まで駆け寄り、グラウンドに立つ仲間にこの試合一番の熱狂と共に声援が飛び交った。

およそ5分に及ぶ肉弾戦の末に鳴り響いた笛は、大東大へのオブストラクションの反則。トライ目前の状況で規律が乱れ、逆転のチャンスを自らの手で手放してしまった。

「トライを取り急いでしまい(対応が)後手に回ってしまった。1年間を通して規律の部分で甘さが出てしまい、最後の最後で取りきれなかった」とSO(スタンドオフ)伊藤大晟(4年)。

その後、後半ロスタイムに2トライを決められ、19-33でノーサイドとなった。

試合を振り返って酒井宏之監督は、「いい準備をして(選手は)自信をもって試合に挑んだと思います。(4年生は)大西を中心にすごく頑張ってくれた。それでも勝たせてあげられず申し訳ない」と話した。

昨年度の秩父宮での歓喜から一転し、暗く重くのしかかる2部降格の現実。しかし、今試合も含めて今シーズンの大東大には、若い世代の光を灯す活躍がある。

「モスグリーン軍団」の『モス』が意味する『苔』のように、リーグ戦2部という環境であっても枯れずに復活する力を着実に身に付け、モスグリーン軍団は「1年で1部復帰」を心に刻み前に進み続ける。

文/写真:宮田脩平(スポーツ大東編集部)

大学ラグビー

スポーツ大東編集部

スポーツ大東編集部

1967年創刊。大東文化大学体育連合会所属。現在活動している部員数は13名。ラグビー部や陸上競技部、テコンドー部など国内外で活躍する「大東スポーツ」を、年4回の新聞発行やホームページ、X、Instagramで学生たち自ら情報を発信する。
ホームページ:https://sports-daito.com/
X:https://x.com/supodai
Instagram:https://www.instagram.com/supo__dai?igsh=bmdncWI1ZjR3d3N0&utm_source=qr#

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