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ラグビー コラム 2025年12月16日

【ハイライト動画あり】東洋大学、初勝利を目指して王者・帝京大学に挑み続けた80分。ラグビー全国大学選手権3回戦

ラグビーレポート by 東洋大学スポーツ新聞編集部
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ノーサイド後、後輩と抱擁をかわすヴァハフォラウ主将

あふれ出る涙が、どれだけ本気だったのかを物語っていた。

全国大学ラグビーフットボール選手権大会3回戦が12月14日(日)、秩父宮ラグビー場で行われ、大会初勝利を目指す東洋大学は、大会5連覇を狙う帝京大学との一戦に臨んだ。

前半は東洋大が主導権を握る展開の中、7-5で試合を折り返す。後半途中まで2点リードとするも、16分から連続失点し、勝負あり。それでも、勝敗が確定しているラストプレーでは東洋大が得意とするラインアウトモールでトライ。目標はかなわなかったが、来季へ希望を託す80分間となった。

ラグビー 全国大学選手権 25/26

小雨が降る中、東洋大ボールでキックオフした今試合。序盤から東洋大が主導権を握った。マイボールラインアウトから得意のモールで前進するも、トライには至らない。続くチャンスでは、ラインアウトからテンポよくパスを展開。右サイドへボールをつなぐが、惜しくもボールがこぼれトライは生まれなかった。

さらに、再びラインアウトモールを起点にフェーズを重ねて攻め込む。しかし、スティールを許し、またもトライ目前で好機を逃した。決定力を欠く中、流れは徐々に帝京大へ。自陣深くまで攻め込まれると、相手ボールのラインアウトから巧みなステップワークに対応できず、先制トライを献上した。

再開後は、東洋大が攻撃を仕掛ける。チャンスをうかがいながら、素早いテンポでパスを回した。14分、敵陣でSO(スタンドオフ)天羽進亮(4年)が蹴り上げたボールを、左サイドのLOジュアン・ウーストハイゼン(4年)がキャッチ。そこからWTB中山二千翔(2年)、FB(フルバック)池渕紅志郎(2年)へとつなぎ、左中間にボールを沈めた。コンバージョンも決まり、スコアは7-5。勝ち越しに成功する。

その後も東洋大が優勢としつつも、激しい攻防戦が繰り広げられた。互いに敵陣へ踏み込むが、要所では両チームの粘り強いディフェンスが光り、簡単には得点を許さない。前半ロスタイムでは、ボールを保持したまま無理に仕掛けることなく、場外へ蹴り出して前半を終えた。王者を相手に、確かな手応えを残して試合を折り返した。

「1点差でも勝てる気持ちを持って臨んだ」という後半は、自陣での苦しい展開となる。

先に敵陣へ攻撃を仕掛けたのは帝京大。再開直後から自陣深くまで攻め込まれたが、東洋大は力強いディフェンスでトライを許さない。13分には相手SO本橋尭也(3年)に大きくゲインされるも、森山海宇オスティン(4年)がかすりながら相手のスピードを緩めると、その直後にWTB梅木颯斗(2年)がタックル。インゴールまで持ち込まれたが、ボールがこぼれ落ち、ピンチを切り抜けた。

なおも帝京大は攻撃の手を緩めない。16分、スクラムで東洋大がペナルティを取られると、帝京大はショットを選択。ゴールポールの間にボールを沈め、7-8と逆転を許すと、その後は帝京大が畳みかける。24分から37分にかけて3連続トライを許し、試合終盤には点差を22点まで広げられた。

ラストプレーでモールを押すFW

それでも、東洋大は戦う姿勢を失わなかった。決着がついた中で迎えたロスタイム。敵陣深くまで攻め込むと、得意のラインアウトモールで前進し、帝京大の屈強なFW(フォワード)を押し切って意地のトライを奪った。

最終スコアは14-29。大学選手権初勝利はかなわなかったが、4連覇中の王者を本気にさせ、互角以上に戦った80分間だった。

ラグビー 全国大学選手権 25/26

【ハイライト動画】3回戦 東洋大学 vs. 帝京大学(12月14日)#c_rugby

試合後、ステファン・ヴァハフォラウ主将は「自分たちができたことは、『勝つ鍵』を(後輩に)渡せたことだと思っています」と語る。決着がついたロスタイムに生まれたトライについても、「エンディングとしては、最後にトライを取れたのは(未来の)自分たちのため。あとは後輩たちがやってくれるだけです」と、来季へ希望を託すように言葉を紡いだ。

ノーサイドの笛が鳴ると、グラウンドには涙を流す選手の姿もあった。それは、この試合に対して、どれほど本気で勝利を追い求めていたかの証しだ。大学選手権初勝利は来季へ持ち越しとなったが、その「鍵」は、確かな覚悟とともに、次代へと手渡された。

文/写真:北川未藍(東洋大学スポーツ新聞編集部)

大学ラグビー

東洋大学スポーツ新聞編集部

2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。

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スポトウ|東洋大学スポーツ新聞編集部
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