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ラグビー コラム 2025年12月12日

日本代表司令塔が中枢に立つスティーラーズ。世界の顔が先頭で組むスピアーズ。互いに一歩も引かぬ戦い

ラグビーレポート by 田村一博
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2024-25シーズンの最終順位はともにプレーオフに進出し、クボタスピアーズ船橋・東京ベイが2位で、コベルコ神戸スティーラーズが3位。レギュラーシーズンではそれぞれ3位と5位だった。
直接対決はレギュラーシーズンの1回だけ。その時はスピアーズが25-20のスコアで勝っている。

昨季プレーオフも含め21試合戦い、3敗しかしていないスピアーズと(2引き分け)、同じ試合数で9敗のスティーラーズの最終成績が1位しか違わないのは、スティーラーズがシーズン終盤の11戦で8勝3敗と調子を上げてシーズンを終えたからだった。

あのパフォーマンスがスティーラーズの今季のスタンダードになるのなら、上位進出が期待される。12月13日(土)の開幕戦はホストスタジアム、ノエビアスタジアムが舞台。スピアーズに快勝して好スタートを切りたい。昨年のように開幕10戦、4勝6敗という低空飛行だけは避けたい。

 

共同主将を務めるLOブロディ・レタリック、SO李承信は、2人とも開幕戦のスターターに名を連ねた。李は昨季、CTB、FBでの起用が多かった。しかし日本代表ではSOとして経験を積み、ゲームコントロール、判断力、プレースキックの力も成長。高い強度の中で高めた司令塔としての力を真紅のジャージーでも発揮できるか注目される。
クイックなパスを正確、そして的確に放るベテランSH、日和佐篤とのコンビネーションは、相手にとっては厄介だ。

新加入でオールブラックスのキャップ88を持つアントン・レイナートブラウンが初戦から13番を背負うのも楽しみだ。高いテクニックを駆使してプレーするタイプ。周囲との息が合えば合うほど持ち味が生きる。開幕戦のプレーを見ておくと、スティーラーズのバックスラインの成長をシーズンを通して楽しめるかもしれない。

2シーズンぶりに復帰のアーディ・サベアはベンチスタートとなった。昨季主戦SOを務めたブリン・ガットランドも。この2人がフィニッシャーを務めるのはチームにとっては大きい。
日本代表活動で逞しさとハイボールへの対応力を増した植田和磨の積極的なプレースタイルも攻撃力アップにつながるだろう。

 

スピアーズも豪華なメンバーを揃えた。
もっとも見つめたいのは2025年のワールドラグビー選定、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーのHOマルコム・マークス。強力スクラムを最前列でコントロールし、ラインアウトでも精度の高いプレーを見せる。そして強烈なボールキャリー。多くのシチュエーションに背番号2は登場する。

FWの破壊力が凄まじそうだ。
3番のオペティ・ヘル(127キロ)以下、2列、3列に重さと激しさのあるビッグガイが並ぶ。その中に178センチの末永健雄がいることを見逃してはいけない。この人がいるからこそつながるプレーがある。
日本代表が実践する超速ラグビーの中で揉まれるSH藤原忍、万能司令塔のバーナード・フォーリーがハードプレーヤーたちを操る。

11月29日におこなわれたプレシーズンマッチ最終戦、東芝ブレイブルーパス東京戦は、このチームの潜在能力が発揮された試合だった。
36-22と快勝し、奪ったトライは6。そのうち3つをWTB木田晴斗が挙げて好調さをアピールした。連覇中のブレイブルーパスを圧倒した時間もあった。

多くの選手が目立った中で、強烈な印象を残したのがFBでプレーし、開幕戦でも15番を背負うショーン・スティーブンソンだ。
昨季も短期契約ながらリーグワンで6試合プレー。試合を重ねるごとに急速にフィットした。ニュージーランドに帰国後、スーパーラグビーで14戦に出場(13試合に先発)。チーフスの中心選手の一人としてシーズンを通して活躍した。

その好ランナーが今季は、プレシーズン中に十分な時間をチームメートと共にして戦いの中に入る。
本人も、「昨季数試合を経験したことでチームの理解度が深まった上に、今回数か月のプレシーズンを経てコンディションは整っています。仲間との関係性も深まっています。そういうものはタフな場面で生きるもの。このチームで優勝したいですね」

ピッチ上のどこを見ても、魅力的な選手たちが並ぶ一戦。つかんだチャンスを絶対に離さぬよう、この初戦にすべてをぶつけてくる者もいるだろう。
目を離せぬプレーが連続する夕方になる(17時キックオフ)。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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