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ラグビー コラム 2025年12月8日

【ハイライト動画あり】早明戦、早稲田大学はあと一歩届かず6点差の敗戦。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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PGを決めるCTB野中

にじり寄った。試合を振り返って見れば、明治大学のトライは3つだったのに対し、早稲田大学は1。しかしながら、CTB(センター)野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)の正確なペナルティキックで常に明大を射程圏内にとどめた。

しかし、最後の一押しが足りなかった。捉え続けた背中を追い抜くための決定的なトライを生むことができなかったのだ。前半は先制に成功するも、すぐに明大に得点を許す。10-10という緊張感のあるゲーム展開で後半を迎えた。

優勝を決する40分、早大はPG(ペナルティゴール)で明大に詰め寄りながら逆転の隙を虎視眈々と狙う。しかし、ノーサイドまでに逆転のトライを挙げることはできず、悔しい敗北となった。2敗を喫し、3位で終えた関東大学対抗戦。昨年とは異なる、負けて臨む全国大学選手権の景色はどうチーム野中に影響を与えるのだろうか。

ラグビー 関東大学対抗戦2025

試合前から国立には早稲田コール、明治コールが響き渡る。早明戦らしい異様な雰囲気の中、明大のキックオフで第101回の伝統の一戦が始まった。キックを蹴り合う固い展開のなか、先手を取ったのは早大。

6分、自陣マイボールスクラムでコラプシングの反則を奪うと、敵陣に侵入。さらに8分にもスクラムで反則を誘い、一気にゴール前へ。ここではチャンスを生かせないが、13分にSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ2=佐賀工)の好キックで50:22に成功。敵陣でのプレータイムを伸ばした早大はいよいよ得点を生み出す。

ラインブレイクするFB矢崎

17分、ラインアウトのアタックから素早くパスを回すと、ボールはFB(フルバック)矢崎由高(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のもとへ。細かなステップでディフェンスを崩すと、自らインゴールを駆け抜けた。

すぐに明大にPGで3点を返されたものの、早大らしい連続攻撃で反則を奪い、選択したのはショット。野中が確実に決め、スコアを10-3とした。しかし30分、ラインアウトモールからボールをインゴールにねじ込まれる。平翔太(明大)のキックも成功し、10-10という均衡したゲームはそのまま40分を迎え、ハーフタイムへと突入した。

ラグビー 関東大学対抗戦2025

【ハイライト動画】明治大学 vs. 早稲田大学(12月7日)#c_rugby

優勝を決する勝負の後半。またも先にチャンスを生み出したのは早大。服部の鋭いステップでラインブレイクすると、PR(プロップ)杉本安伊朗(スポ3=東京・国学院久我山)、矢崎、LO(ロック)新井瑛大(教3=大阪桐蔭)が力強くゲインし、一気にゴール前へ。

インゴールにボールをグラウンディングすることは叶わなかったが、アドバンテージを得ていた早大は得点機を継続する。巧みなパスワークで見事にディフェンスのギャップを突き、矢崎がインゴールに飛び込んだ。しかし、判定はオブストラクション。得点は認められず、スコアは10-10のまま。

チャンスから一転、キック処理でミスが出た早大に、明大が一気に襲い掛かる。自陣深くでチャージされると、ボールはそのまま紫紺のジャージに。後半最初のトライを奪われることとなった。重戦車相手にスクラムで反則を何度も獲得するなど、確実に明大を押し込んでいた早大。しかし、アタックのミスから後退を余儀なくされるとPGで3点を重ねられ、10-18と点差は8点に広がった。

「追っている場合なら、7点差以内に持っていくというのは大事なセオリー」と、大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)が述べたように、敵陣での長い笛は野中の正確なキックで3点に変え、明大の背中を常に捉え続けた早大。2本のPGを決め、2点差にまで詰め寄ると試合は残り15分。時間を考えると、次のトライが試合の結果を大きく左右することは間違いなかった。

そんな重要な局面を制したのは明大だった。モールを押し込み、手を伸ばした先は早大のトライライン。難しい角度のキックも決まり、16-25と今試合最も大きな点差をつけられた。早大はすぐにPGを沈め、6点差に詰め寄る。

ライン際でゲインするWTB鈴木

早大が欲しかったのは、ここまで奪われてきたリードを一発でひっくり返すトライ。ノータイムを迎え、早大は中央で獲得したハイタックルのペナルティをキックパスで再開。右ライン際から大きく展開したボールはWTB(ウィング)鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)の手に渡り、迎えた最終局面はまさに昨年、早大がリードを守り切ったラストプレーの場面と重なるものがあった。

だが、ブレイクダウンでのノックフォワードの反則を取られ、優勝をこぼした早大。明大の歓喜の声とともに、ノーサイドの笛が鳴り響いた。

「トライを取り切っていたらというシーンはいくつもあったと思う」。試合後の記者会見で大田尾監督は振り返った。帝京大には5点差で敗れ、明大には6点差での黒星となった。そのどちらも、1トライ1ゴールでひっくり返せる僅差の勝負での敗北。課題だけではなく、収穫の多い敗戦であったことは間違いない。

しかし、もう敗北は許されない。負ければ引退のノックアウトステージは来週から始まる。決勝で敗れたあの日から走り続けてきたチーム野中。これまでの日々の努力を肯定するために、今日の敗北を肯定するために、早大は最終局面へと向かう。

文:村上結太/写真:植村晧大、清水浬央、大林祐太、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)

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早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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