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大東文化大学vs.東洋大学、ラグビー関東大学リーグ戦 最終戦のみどころ。『スポーツ大東』&『スポトウ』共同執筆
ラグビーレポート by 東洋大学スポーツ新聞編集部大東文化大学vs.東洋大学
2025年度の関東大学リーグ戦を締めくくる最終節。昨年度リーグ戦優勝の「モスグリーン軍団」大東文化大学と、準優勝の「Navy Warriors」東洋大学が、秩父宮ラグビー場で激突する。
彼らの雄姿を見届けようと、多くの観客が詰めかけることが予想される。湧き上がる歓声の渦が作り出すその会場は、まさに戦場となりそうだ。
関東大学対抗戦に比べて注目が下火となっているリーグ戦。しかし、リーグ戦にも熱狂、感動、そして楕円球を奪い合い、闘志をむき出しにしながら戦う選手の熱き姿がある。そのリーグ戦の「大トリ」を務める一戦。ぶつかり合う両チームの勝負の行方を、『スポーツ大東』と『スポトウ』の学生記者がそれぞれの視点から展望する。
今季の大東大は2勝4敗、勝ち点は14でリーグ7位と失速。11月15日に行われた東海大学戦に敗戦し、2部との入れ替え戦圏内に後退した。1つ上位には法政大学と立正大学が15点で並び、今節の結果で残留か入れ替え戦か、が決まる緊迫の状況だ。
対する東洋大は5勝1敗で勝ち点30。2位以上が確定している。首位を走る東海大学の結果次第では、逆転優勝の可能性もわずかに残しており、両チームの立場が対照的な状況で迎える最終節となる。
過去の対戦成績を見ると、東洋大が1部に復帰した2022年度以降、大東大が3勝2敗。リーグ戦に限れば、大東大が3連勝している。しかし、今年度の春季交流大会では東洋大が75-17で大東大を下しており、力の差を見せつけた形だ。
ただ、リーグ戦では毎年僅差の勝負が続いており、今節においても熱戦が予想される。
ここまでの戦績を踏まえ、両チームの直近の試合内容を振り返りながら、今節の展望を見ていこう。
まず、大東大。前節は東海大の高い組織力から繰り出される巧みなアタックに苦しめられた。キックパスやバックドアパスで攻撃のテンポを変則的にすると、大東大のディフェンスラインのギャップを射抜かれ、ラインブレイクをされる場面が多くみられた。
また、主将・SO(スタンドオフ)伊藤和樹(4年)が、前半の序盤で負傷交代を余儀なくされ、21-54のダブルスコアで敗戦となった。
今節、メンバーは前節から6人の入れ替えとなった。大きく変わったのはFW(フォワード)。前節はリザーブからスタートだったPR(プロップ)小田桐祭(4年)と、PR小田島采輝(2年)が先発。またLO(ロック)にサミュエル・チェズリン(2年)が入り、NO8(ナンバーエイト)には、流通経済大学戦以来の先発となった大竹慶宣(4年)が選ばれた。
そしてBK(バックス)では、前節で負傷交代したSO伊藤はメンバー入りしておらず、同じく流経大戦で先発した関口真生(2年)がSOとして起用された。
ドライブが武器の山田
注目はWTB山田真生(2年)。前節では前半に1本トライを決め、ボールを持てば強い推進力でチームに勢いを与えるプレイヤーである。攻撃のテンポを上げることができれば爆発力を見せる大東大。アウトサイドでのラインブレイクから減速せず、ギアを上げてFWにつなぐことができるかがトライへの活路になる。
また、FWにはノア・トファエオノ(4年)が、FL(フランカー)でエントリーされており、今節も大東大の鉾としての活躍が期待される。
今節のゲームキャプテンを務めるHO(フッカー)大西樹(4年)は東海大戦でのスクラムに関して「自分たちのスクラムを組む準備は十分にできていたが、東海大には組んだ後のうまさや強さに経験の差を感じた」と振り返った。
試合の展開を左右するスクラム。スクラム最前列にはPR小田桐とHO大西、最後列にはNO8大竹が位置し、3人の4年生で挟まれたスクラムで安定感を維持したいところだ。
一方の東洋大は流通経済大学との激戦を制した。前半は先制点を決めるも、逆転を許しリードを広げられる。それでも前半終了間際に同点に追いつき、後半へ進むと膠着した試合状況下でのロスタイム、ラストワンプレーで勝ち越しを決めるトライ。40-33で白星をつかみ取った。
メンバーにおいては、スクラムへの強いこだわりを見せる大東大に対し、東洋大もFWの入れ替えには明確な意図が感じられる。
4番には186cm、110kgのLOアルメイダ聖(1年)が初先発。さらに、これまで先発が固定されていなかった6番にはFL(フランカー)ナモア・ファタフェヒ(3年)が入り、FW陣はフィジカルを強みとするパワーのある選手が並んだ印象だ。
FWのパワー布陣に加え、BK陣の入れ替えも大きな特徴となる。開幕から司令塔を担ってきたSO林星安(4年)に代わり、CTB(センター)の天羽進亮を10番に入れる布陣へ変更された。
CTBには、今季WTBとして躍動してきた浅尾至音がスライド。さらにWTB(ウィング)には、これまでリザーブスタートが多かった梅木颯斗(2年)が先発に名を連ねた。
東洋大学はFWがカギ
試合の主導権を握るカギはFW陣が持つ。中でも注目したいのは、NO8森山海宇オスティン(4年)だ。前節では強じんなフィジカルでディフェンスに絡まれても推進力が衰えないボールキャリーを数多く見せ、得点機を作り出していた。
森山をはじめとしたFW陣が圧力をかけてBK陣の展開力につなげていき、試合の流れを掌握したい。
大東大にとっては、この試合で東洋大を破らなければ入れ替え戦の危機から抜け出すことはできない。主将不在の最終戦は、チームの結束力と選手の心の真価が試される。
一方の東洋大は、先に行われる東海大学の結果次第で優勝の可能性が残されている。仮にその望みが途絶えたとしても、この試合は14日に初戦を迎える大学選手権へとつながる重要なステップだ。
立場こそ異なるものの、両校にとって節目となる最終節は熱戦必至となるだろう。2025年度リーグ戦を締めくくる80分間はあす、ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場で火ぶたを切る。
『スポーツ大東』&『スポトウ』共同執筆
文/写真:宮田脩平(スポーツ大東編集部)、北川未藍(東洋大学スポーツ新聞編集部)
東洋大学スポーツ新聞編集部
2001年(平成13年)創刊。東洋大学における唯一の学生新聞部。
体育会所属の部活動を対象に、取材を行い、紙面・Webサイトを通じて情報を発信。一人ひとりの挑戦やチームの歩みに光を当て、大学スポーツの魅力を発信することを目指して活動している。
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スポトウ|東洋大学スポーツ新聞編集部
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