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ラグビー コラム 2025年11月21日

必勝あるのみ。2027年ラグビーW杯へ繋がる重大決戦!「男子日本代表×ジョージア代表」リポビタンDツアー2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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まさに「負けられない戦い」だ。

2027年W杯へ向けて強化を進めるラグビー15人制男子日本代表(世界ランク13位)が、11月22日土曜日、欧州遠征「リポビタンDツアー2025」の最終第4戦を迎える。

年内最後のテストマッチともなる一戦の相手は、スクラムと肉弾戦にプライドを持つ同11位のジョージア代表。舞台はジョージアの首都トリビシにあるミヘイル・メスヒ・スタジアム(Mikheil Meskhi Stadium)だ。

「負けられない」最大の理由は、勝敗によって2027年W杯のプールステージの対戦相手が変わるからに他ならない。

J SPORTS オンデマンド番組情報

24チームが参加する2027年W杯の「プール組分け抽選会」は、12月3日に行われる。ここで日本代表の対戦相手も決まる。

まず、抽選会の12月3日時点でのランキングに基づいて、上位6チームは「バンド1」、続く6チームは「バンド2」という具合に4つのバンドに分類される。その4つのバンドから1チームずつ分けて6つのプールをつくる。

日本が今週末のジョージア戦に勝てば、世界ランクは12位となり、抽選会では「バンド2」に入る。

その場合、日本のW杯プール戦の相手は「バンド1(1位~6位)」と「バンド3(13位~18位)」などとなるが、日本が13位のまま抽選会に臨んだ場合は、より厳しい戦いとなる。

13位だった場合、日本は「バンド3」に入る。結果として、日本のプール対戦相手に「バンド2(7~12位)」のチームが入ってくることになり、プール戦突破がより難しくなるのだ。

どうなるにせよ最善の準備を尽くすだけだろう。しかしW杯はラグビー界最大のイベントであり、2019年W杯を引き合いに出すまでもなく、その結果が日本ラグビーに与える影響は少なくない。少しでも有利になるに越したことはない。

J SPORTSはこの一大決戦となるジョージア代表戦を、11月22日(土)の午後8時からJ SPORTS 1で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信する。

欧州遠征を行っている日本代表は、現在、苦しい戦いを強いられている。遠征前に惜敗した10月25日のオーストラリア戦(15-19)に続き、全4戦の欧州遠征は3連敗中。

遠征初戦からW杯2連覇王者の南アフリカ戦(7-61)、アイルランド戦(10-41)、そして1点差でサヨナラ負けを喫した先週のウェールズ戦(23-24)と、悔しい負けが続いている。ジョージア戦に勝てば9月のトンガ戦以来6試合ぶりの勝利だ。

先週のウェールズ戦後、LOワーナー・ディアンズ主将(NZ・ハリケーンズ)は、規律についての反省が多いコメントを発表した。

「今日はペナルティーが多過ぎで、ミスも多かったです。ウェールズに試合を持っていかれてしまいました。相手にチャンスを与えてしまったと思います。イエローカードによって一人いなくなり、そして二人いなくなって、前半は厳しく、もし彼らがいればまた違った状況になったかもしれません。相手の人数が減った後半では、人数が多い自分たちのアドバンテージを活かして攻めていこうと話しました」

そしてジョージア戦へ向けては「フィジカルな試合となり、スクラムも多くなると思います。今日できなかったことを、しっかり修正していきたいと思います」と意気込んだ。

怪我人なども出ており、ここまで9人が離脱。コンディション都合が7名(ティエナン・コストリー、リーチマイケル、デーヴィッド・ヴァンジーランド、廣瀬雄也、石田吉平、伊藤耕太郎、マキシ ファウルア)。個人事情が2名(ベン・ガンター矢崎由高)だ。

一方で、今季BL東京から横浜Eに移籍したノンキャップのCTB森勇登が、27歳の誕生日である11月14日に追加招集(発表)されている。

ウェールズ戦では明るい話題もあった。3名が「待望」の代表初キャップを手にしたのだ。

1人目は22歳の新星WTB植田和磨。6月の初招集から約5ヶ月、ついに初キャップを手にした。

2人目は、高い献身性と人柄から代表待望論が根強かった208センチのLOハリー・ホッキングス。海外報道によるとウェールズ戦のレッドーカードは取り消され、ジョージア戦は出場可能に。胸を張って2キャップ目を手にしてほしいところだ。

そして3人目はPR古畑翔。大東文化大学時代はPR藤井大喜、SH小山大輝(全員が埼玉WK)らと大東大の一時代を築いたスクラムマンだ。リーグ初先発は加入6年目となる今年2月だった。長い雌伏を経て、同じ年にリーグ初先発と日本代表デビューを飾った「ビックショー」(愛称)のさらなる活躍に期待したい。

 

では、この3人も出場するジョージア戦のメンバーを見てみよう。

ウェールズ戦からの先発変更は4名。スクラムとボールキャリアーとしての仕事が期待されるPR竹内柊平。80分ワークできる仕事人、FLタイラー・ポールもスタメンに繰り上がった。

そして先週に石田吉平が背負った14番を背負うのは、7人制代表として石田と共にパリ五輪を戦ったWTB植田。代表初先発でどんな働きをみせるか。矢崎由高が着ていた15番は万能アタッカーのFBサム・グリーンだ。リザーブの山本秀は出場すれば待望の初キャップとなる。

ジョージア戦である以上、先発フロントロー(小林賢太佐藤健次、竹内柊平)、リザーブの3名(HO平生翔大、PR古畑、PR為房慶次朗)が最前列に立つスクラムには高い一貫性が求められる。

完全に近いアウェーが予想される競技場では、LOディアンズ主将の統率力、SH齋藤直人とSO李承信の落ち着いたゲームメイクも重要になるだろう。

一方のジョージア代表を見てみよう。

「レロ」と呼ばれるラグビーに似た伝統スポーツがあり、フィジカルバトルにもプライドがある。伝統的な強みはスクラム。ジョージアのフロントローは仏リーグ「TOP14」でも世界最強クラスとして重宝され、PRベガ・ギガシヴィリは仏トゥーロンで7季プレーする。

ヘッドコーチは2024年に就任した元イングランド代表FWコーチのリチャード・コクリル。ディフェンスコーチはオーストラリア出身のジュリアン・サルヴィ、アタックコーチはアイルランド出身の元SHコナー・マクフィリップスだ。

このように首脳陣は国外コーチであり、スタイルも往年の「FW一辺倒」ではない。38-17で勝利した11月15日のカナダ戦。トライ6本中5本はバックス展開で獲った。

前半7分の先制トライは、FWユニットを経由したワイド展開からウイングが。2本目もゴール前から4本のパスでウイングがスコア。

3本目はカウンターから。4、5本目も切り札のFBダヴィト・ニニアシヴィリ(仏ラ・ロシェル)を起点にバックスが獲った。フォワードのトライは後半23分のモールだけだった。

伝統の強力セットプレーを基盤としながらも、18歳で代表デビューした主力SHヴァジル・ロブジャニゼを中心としたバックスも高次元だ。

ジョージア代表の出場メンバーは20日(午後10時時点)で未確認だが、PRギガシヴィリ不動のSHロブジャニゼ、アタックの切り札であるFBニニアシヴィリの先発は予想される。

ジョージアとの通算対戦成績は5勝2敗。昨年は仙台で23-25で競り負けており、雪辱を果たす機会でもある。

絶対に負けられない年内ラストマッチ。レフリーはアイルランド協会のEoghan Cross氏。運命のキックオフの笛は、土曜日の21時(現地時間16時)に鳴る。

文: 多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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