明治大学、帝京大学戦で3年ぶりの勝利を目指す。ラグビー関東大学対抗戦

前節、攻守で奮闘した大川虎拓郎

11月2日（日）の慶應義塾大学戦に24-22で辛勝し、4勝1敗とした明治大学。第6戦は、全国大学選手権4連覇中の帝京大学との対戦。関東大学対抗戦優勝に向けて、絶対に負けられない一戦となる。

今年度は関東大学春季交流大会、夏合宿の練習試合で帝京大と対戦。春季大会は0-31と大敗したものの、夏合宿は21-28と肉薄するなど実力は伯仲している。

カギとなるのは、セットプレーの攻守両面の精度だ。夏合宿の練習試合では、右LO（ロック）菊池優希（政経4＝山形中央）のラインアウトスチールが光り、帝京大を苦しめた。

「（セットプレーは）自分たちの基本基礎を特に重視して、シンプルなことにこだわってやっている」（菊池）。

ラインアウトをクリーンキャッチする亀井秋穂

今年度の対抗戦は、マイボールラインアウトのクオリティが伸び悩んでいるものの、春季大会で苦しめられたセットプレーで流れを引き寄せれば、勝利も大きく近づいてくるだろう。

さらに、出足の鋭い守りも徹底したい。帝京大はアントニオ・フィシプナや上野凌大など、接点の強いFW（フォワード）を擁しており、近場で前に出られれば苦戦は必至だ。

夏合宿の練習試合では、プレッシャーをかけ続けたことによって帝京大のアタックを後退させるなど、前に出るディフェンスは効果的だった。

「自分たちのディフェンスで、いかに帝京のアタックを止められるかがカギになるので、全員でコミュニケーションを取っていきたいです」（SH／スクラムハーフ柴田竜成・営4＝秋田工）

前に出る分、ラインオフサイドなどペナルティを取られる危険性もあるが、高い精度の守備を継続し、トライラインに近づかせないことが重要になる。

今節は前節から2人入れ替え。前節の出場がなかった利川桐生（政経4＝大阪桐蔭）がNO8（ナンバーエイト）で出場。楠田知己（政経4＝東海大仰星）がリザーブに回る。

そして、BK（バックス）は萩井耀司（商2＝桐蔭学園）に代わり伊藤龍之介（商3＝国学院栃木）が、SO（スタンドオフ）で先発。東海隼（情コミ4＝光泉カトリック）が右CTB（センター）に、古賀龍人（商1＝桐蔭学園）が右WTB（ウイング）に回る。

そしてリザーブメンバーには、控えのSHを置かずにFWを6人登録。FWが強みの帝京大に対して真っ向勝負の様相を呈している。

注目は左PR（プロップ）の田代大介（営3＝大分舞鶴）だ。田代はここまで対抗戦全てでスタメン出場を続けており、セットプレーやフィールドで存在感を発揮している。

「トイメンの森山飛翔が注目選手だと思うんですけど、僕は完全にそこを潰して、相手の根を折っていきたい」と闘争心を燃やしている。帝京大相手に『重戦車』のプライドを見せられるか。

対する帝京大は、明大と同じくここまで4勝1敗。前節の早稲田大学戦では、前半をリードして折り返すと、早大の攻撃をしのぎ切り25-20で勝利した。

注目はNO8のカイサ・ダウナカマカマだ。1年時からAチームで経験を積むと、昨年度はスタメンで選手権優勝に貢献。脅威的なフィジカルと強烈なタックルで、明大の行く手を阻んできた。

「帝京の核だと思うので、しっかり止めてFW（フォワード）で圧倒したい」（藤井達哉・政経3＝東福岡）。帝京のキーマンを抑えることが必要になる。

「絶対勝たないと行けない試合。今シーズンはなかなかいい試合ができていないが、今週はしっかりいい準備ができた自信もあるので、しっかりそれを遂行できるように頑張りたい」（左FL／フランカー大川虎拓郎・法3＝東福岡）。

因縁の赤壁撃破へ、対抗戦優勝を懸けた大一番に挑む。

文／写真：晴山赳生（明大スポーツ新聞部）